ラウル・デュフィ展@パナソニック汐留  PC
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モダンで華やか!パナソニック汐留美術館で「ラウル・デュフィ展 絵画とテキスタイル・デザイン」開催

更新日:2019/10/07

華やかな色彩と洗練されたモダンな作品で知られる画家ラウル・デュフィ。2019年10月5日(土)から12月15日(日)まで、パナソニック汐留美術館で開催される「ラウル・デュフィ展 絵画とテキスタイル・デザイン」では、絵画作品と、モードの帝王ポール・ポワレが使用したテキスタイル・デザインなど全152点を展示する。絵画とテキスタイルという2つの表現を通して、デュフィの魅力を満喫して。

左/《ニースの窓辺》1928年 油彩/キャンバス 島根県立美術館蔵 右/《オルフェウスの行列》1913年 絹織物 デュフィ・ビアンキーニ蔵 

ラウル・デュフィ展@パナソニック汐留《ニースの窓辺》
《ニースの窓辺》1928年 油彩/キャンバス 島根県立美術館蔵

南仏で開眼した明るい色彩と光。生きる喜びが伝わる絵画に

今回は、デュフィが美術学校時代に描いた優品から晩年の作品まで、代表的な絵画が16点出品される。さらに、デュフィがフランス・リヨンの絹織物製造業ビアンキーニ=フェリエ社のために手がけた布地のデザイン原画や、当時のオリジナルの絹織物など、テキスタイル・デザイン関連の作品や資料などが多数展示される。

第1章は「絵画 生きる喜び―陽光、海、そして音楽」と題して、絵画作品を展示。デュフィが美術の勉強をしていた19世紀末から20世紀初頭は、パリで印象派やフォーヴィスム(野獣派)などの芸術運動が盛んだった時代。そんな時代の空気を反映しながら、デュフィは自身の表現を磨いてゆく。

1920年前後には、光あふれる南仏のヴァンスに滞在して作品を制作。その中で、光とフォルムや色彩に目覚め、明るい色調と軽快な線が調和する独自の画風を得ることに。明快な画面からは人生の楽しみ、生きる喜びが伝わってくるよう。

ラウル・デュフィ展@パナソニック汐留《ペルシア》+《貝殻と海の馬》
左/イヴニング・コート 《ペルシア》ドレス・デザイン原案 ポール・ポワレ(1911年)制作 モンジ・ギバン 2007年 絹 デュフィ・ビアンキーニ蔵
右/《貝殻と海の馬》1922-24年頃 金銀糸の入った錦 デュフィ・ビアンキーニ蔵

木版画作品からモードと出会い、テキスタイル・デザインへ

第2章は「モードとの出会い」。デュフィは1910年に詩人アポリネールの依頼によって、詩集の挿絵を木版画で制作する。そのドラマティックな表現と洗練されたモダンな構図は、知人であるファッション・デザイナーのポール・ポワレも高く評価。

やがて、ポワレはテキスタイル制作所を設立して、デュフィと布地の共同開発を進める。その後、テキスタイル・デザインの仕事に興味を持ったデュフィは、ビアンキーニ=フェリエ社と1912年に契約して、布地の図案を提供することに。

この章では、詩人アポリネールの詩集「『動物詩集またはオルフェウスの行列』と木版画からの展開」と、「ポール・ポワレ、ビアンキーニ=フェリエとのコラボレーション」の2つのグループに分けて、モードとの出会いや関わり方を紹介する。

ラウル・デュフィ展@パナソニック汐留《夏[デザイン原画]》+《花と蝶[デザイン原画]》
左/《夏[デザイン原画]》1925年 グワッシュ/紙 デュフィ・ビアンキーニ蔵 右/《花と蝶[デザイン原画]》1916-28年頃 インク/紙 デュフィ・ビアンキーニ蔵

テキスタイルの仕事がデュフィならではの絵画につながる

1912年に35歳でビアンキーニ=フェリエ社と契約を交わしてから1928年までの16年間、デュフィは本格的にテキスタイル・デザインに取り組んでいる。

この仕事を通して、デュフィは絵画制作にも展開できる手法を得る。それは、色彩と輪郭線が依存し合うことなく、ともに自立しながら画面上で調和する、という独自の絵画の発展にもつながる。

第3章「花々と昆虫」では、今でもテキスタイル・デザインの重要なモチーフである花模様を中心に、「薔薇」「様々な花」「花と葉」「昆虫」の4つのパートに分けて紹介。

デュフィの描いた下絵や原画、それをもとに作られた織物やプリント生地、また試し刷りや実際の衣装など、バラエティ豊かな展示が楽しめる。今見てもドレスにして着てみたくなるような、かわいいデザインが見つかるかも。

ラウル・デュフィ展@パナソニック汐留《ダンスホール》+《幾何学模様の構図》
左/《ダンスホール[紙の試し刷り]》1920年頃 木版/紙 デュフィ・ビアンキーニ蔵 右/《幾何学模様の構図[デザイン原画]》1919-28年頃 グワッシュ/紙 デュフィ・ビアンキーニ蔵

近代の都市生活のシーンなどがモチーフのプリント生地も

テキスタイル・デザインのモチーフには、身近な自然から着想を得たものだけでなく、おしゃれなパーティの場面やスポーツをする人々など、近代的な生活の中から生まれたものも多い。

デュフィの絵画にもよく登場する都市生活の様子が、鮮やかで明るい色使いと、シンプルながらもどこかストーリー性を感じさせてくれる構図で描かれ、モダンなスタイルが際立つ。このスタイルには、ビアンキーニ社も大いに期待を寄せていたそう。

第4章「モダニティ」では、こうした近代の生活シーンをモチーフにした「モダン・ライフ」と、シンプルでリズミカルな「幾何学模様」という2種類のテーマで、このモダン・スタイルに沿った作品を紹介する。

絵画にもテキスタイル・デザインにも、時代の雰囲気や独自の感性をいかしたデュフィ。そのセンスあふれる作品の数々を、ぜひ会場で確かめて。

ラウル・デュフィ展― 絵画とテキスタイル・デザイン ― ポスター

イベントDATA

イベント名
ラウル・デュフィ展 絵画とテキスタイル・デザイン
開催場所
パナソニック汐留美術館
会期
2019/10/5(土)~12/15(日)
開館時間
10:00~18:00(入館は17:30まで)
※11/1(金)、12/6(金)は夜間開館 20:00まで(入館は19:30まで)
休館日
水曜
入館料
一般 1000円、65歳以上 900円、大学生 700円、中・高校生 500円、小学生以下 無料
プレゼント
「デュフィ ポストカードプレゼント」
シルクにかけて「4、6、9」のつく会期中の指定日に、デュフィ絵画のポストカードを各日先着200名にプレゼント
実施日:10/29(火)、11/14(木)、11/19(火)
関連イベント
記念講演会 「ラウル・デュフィ 画業とその魅力」
講師:木島俊介 氏(美術評論家、本展日本側監修者)
日時:2019年10月19日(土)午後2時~午後3時30分
定員:150名(要予約・ハローダイヤルより)
聴講費:無料(ただし本展の観覧券と予約が必要)
会場:パナソニック東京汐留ビル 5階ホール
※全席自由席

講演会 「デュフィとモード ポール・ポワレとのコラボレーションを中心に」
講師:朝倉三枝 氏(フェリス女学院大学准教授)
日時:2019年11月3日(日・祝)午後2時~午後3時30分
定員:150名(要予約・ハローダイヤルより)
聴講費:無料(ただし本展の観覧券と予約が必要)
会場:パナソニック東京汐留ビル 5階ホール
※全席自由席
※ページ内画像の無断転載禁止
電話番号
0357778600 0357778600 ハローダイヤル
ホームページ
ラウル・デュフィ展 絵画とテキスタイル・デザイン 公式サイト

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WRITING/ YOSHIDA (はちどり)

※記事は2019年10月7日(月)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります