今年こそ乾燥肌を克服したい!美容皮膚科医に聞いた治療法&セルフケア

今年こそ乾燥肌を克服したい!美容皮膚科医に聞いた治療法&セルフケア

保湿ケアをしているつもりなのに、気づくと肌が乾燥してカサカサに・・・。そんなお悩みを抱いている人も多いのでは? 今回は、乾燥肌のメカニズムや正しいケア方法について、美容皮膚科「やさしい美容皮膚科・皮膚科秋葉原院」の宇井千穂先生に教えてもらった。

更新日:2021/05/11

乾燥肌について

乾燥肌とは?

乾燥肌とは、表皮の角質層の水分保持機能が低下し、皮膚の水分が減少している状態のこと。そのままにしておくと、皮膚のバリア機能が損なわれ、さまざまなトラブルや肌荒れの原因になるという。
「皮膚には細菌や汚れ、紫外線などさまざまな外的要因から守ってくれるほか、体の内部から水分を外へ出さないように防ぐ役割があります。このバリア機能が低下すると、ちょっとした洗顔でヒリヒリと痛みを感じたり、化粧品でかぶれ赤みやかゆみなどの症状が出たりしてしまうことも。これは皮脂分泌量の減少や、角質層の細胞間で水分をつなぎ止めるセラミドなど、天然保湿因子の低下が原因。皮膚が乾燥することで、刺激に敏感になってしまうのです」(宇井先生)

乾燥肌の原因

■ターンオーバーの乱れ
通常、肌は約1カ月(28日前後)の周期で新陳代謝を繰り返し、古くなった角質は垢となってはがれ落ちる(ターンオーバー)。ただし、不規則な生活習慣や偏った食生活、ストレス、加齢などさまざまな原因によってターンオーバーは乱れて遅くなり、古くなった角質は排出されず、肌に蓄積されていく。その結果、シミやくすみなどの肌トラブルや毛穴の開き、ニキビの原因にも。

■紫外線ダメージ
紫外線も乾燥肌を引き起こす原因のひとつ。皮膚の老化はターンオーバーの乱れにもつながるため、一年を通して日焼け対策を行うのがベスト。ここでケアを怠ると、時間がたってからシミやしわになってしまうこともあるので要注意。

■間違ったスキンケア
ファンデーションをつける前にはきちんと洗顔し、すぐに化粧水や美容液で潤いを浸透させること。さらに、肌の水分を逃さないよう、たっぷりの乳液やクリームで保湿ケアを。肌は外部からの刺激に弱いため、洗顔料はしっかりと泡立ててから使い、こすらず優しく洗うのも重要。また、ニキビなどができると気になってつい触ったり、何度も洗顔したりしたくなるけれど、刺激を与えてしまうので気をつけて。

■食生活
乾燥に負けない肌をつくるためには、特定の食べ物ばかりだけでなく、バランスのいい食生活が大前提。
肌にいい効果が期待できるのは、果物や野菜に含まれるビタミンC、赤身の肉類や卵、大豆、はちみつに多く含まれるL-システイン、ナッツ類やアボカド、かぼちゃなどに含まれるビタミンE、レバーやうなぎなどに含まれるビタミンAなど。食事で摂取しにくいものはサプリメントで補ったり、美容皮膚科で点滴を打ったりするのもおすすめ。

■皮脂分泌量の減少
年齢を重ねると皮脂の分泌量が減少し、肌の潤いを保つセラミドの量も低下。皮膚の表面の水分が失われることでカサカサになり、細かいしわやひび割れができてしまうため、しっかりとした保湿ケアで対策を。

乾燥肌の対策・ケア・治療法

毎日のスキンケアで保湿をする

大切なのは毎日の保湿ケア。“乾燥がひどいな”と感じたら、化粧水だけでなく乳液や美容クリームなどを重ねるほか、保湿効果のあるファンデーションを選ぶのもおすすめ。
また、肌に刺激を与えると皮膚のバリア機能が破壊されてしまうため、タオルでゴシゴシこする、顔を必要以上に触るなど、ついやってしまいがちな行動にも注意が必要。コットンやスポンジを使用する場合は、肌には極力軽く当てるようにするなど、皮膚を摩擦しないように心がけて。

フェイシャルエステを受ける

乾燥がひどいときは、エステサロンでスペシャルケアを。サロンによって施術方法や使用する薬剤はさまざまだけれど、ディープクレンジングで肌に負担をかけずに角質を取り除き、オイルマッサージで血液やリンパの流れを整えたら、美容効果の高いパックでしっかり保湿。施術後は、潤うのはもちろん、リフトアップや美白効果も期待できる。

美容クリニックでの施術を受ける

乾燥肌の予防には肌の奥まで美容成分を浸透させる「イオン導入」が◎。しみ・そばかすケアに有効なライムライトや、毛穴ケアなどに使われるジェネシス、ケミカルピーリングを施術した後に行うことで、さらに効果がアップ。
このほか、極細い針で真皮の浅い層にヒアルロン酸をダイレクトに注入する「水光注射」もおすすめ。肌の再生や、コラーゲン増生効果があり、肌全体をハリ・ツヤを取り戻す。

乾燥肌の予防

食生活、水分補給を意識する

体内の水分不足も乾燥肌の大きな原因のひとつ。1年を通して、1日に1.5リットル以上の水分補給を心がけて。ただし、冷たい飲み物は体を冷やしてしまうので、温かいお湯がおすすめ。利尿作用が高いコーヒーや緑茶は乾燥肌予防には逆効果になるため、なるべく控えて。食生活はビタミンやたんぱく質をバランスよく摂ることを意識すると◎。

湿度、加湿器を活用する

外気が乾燥しやすい冬場は、肌から水分が蒸発しやすく、水分不足になりがち。また、エアコンの風も乾燥肌を悪化させる原因になるため、室内の空気の乾燥が気になるときは加湿器などを利用して室内の湿度を50~60%に保つことを心がけて。濡れたタオルを干しておくだけでも効果的。

紫外線ケア・UV対策を徹底する

紫外線は乾燥肌だけでなく、シミやしわなどさまざまな肌トラブルを引き起こすため、夏はもちろんのこと、1年を通してUV対策が重要に。外出時にうっかり日焼け止めクリームを塗るのを忘れてしまった日は、念入りに保湿ケアを行うようにして。“飲む日焼け止めサプリ”を併用するのもおすすめ。

乾燥肌についてのQ&A

夏でも肌は乾燥しますか?

紫外線や、エアコンの風など、夏にも乾燥肌の要因がたくさんあります。冬のみならず夏場も保湿ケアを行うことと、食事や睡眠などをしっかり摂って肌にストレスを与えないように気をつけてください。

お話をお伺いしたのは、医師 宇井千穂さん

準ミス日本受賞・全日空客室乗務員・医学部卒業を経て、2019年に「やさしい美容皮膚科・皮膚科秋葉原院」を開院。アトピー性皮膚炎などの基礎疾患を持っていても、美容皮膚科の施術を受けられるようにと考え、悩みを持つすべての人に“やさしい”美容医療の提供をめざす。

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ILLUSTRATION/CHIKA SHIBA WRITING/MINORI KASAI

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※記事は2021年5月11日(火)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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