特別展「恐竜博2019」@国立科学博物館「むかわ竜」が生きた恐竜世界のCG  PC
美術展ニュース

謎の恐竜や日本の「むかわ竜」などを世界初公開!上野の国立科学博物館で特別展「恐竜博 2019」

更新日:2019/06/17

日本初公開となる肉食恐竜・デイノニクスの標本や、世界初公開となる北海道で発見された「むかわ竜」の全身化石がやってくる! 2019年7月13日(土)から10月14日(月・祝)まで、上野の国立科学博物館で開催される特別展「恐竜博2019」には、恐竜研究のための重要な標本が一堂に集結。さらに、今の恐竜学の新常識や恐竜絶滅の謎に迫る展示も行われる。この夏、知らなかった太古のロマンに出会ってみない?

「むかわ竜」が生きた恐竜世界のCG (C)NHK

特別展「恐竜博2019」@国立科学博物館 デイノニクス
左/デイノニクス 復元骨格 (C)Courtesy of Yale Peabody Museum, photograph by Robert Lorenz 右/デイノニクス 右の手首から手の甲(実物化石)イェール・ピーボディ自然史博物館所蔵

恐竜研究50年の変遷が分かるゾーン「恐竜ルネッサンス」

1969年にアメリカで発見された新種の肉食恐竜が、「恐ろしいツメ」という意味のデイノニクスと名付けられたところから、恐竜研究の新時代がスタート。この研究によって、それまではのっそり歩いていたイメージの恐竜が、素早く活発に動く温血(恒温)動物だったと考えられるようになったそう。

今回は、この新しい動きを「恐竜ルネッサンス」と題して、恐竜研究50年の歴史を重要な標本で振り返る。中でもデイノニクスの、日本初公開となる門外不出の「ホロタイプ標本(学名の参照基準になる個体の標本)」や、実物化石などは見どころ。

ほかにも、恐竜が卵を産みっぱなしではなく子育てをしていた形跡が見られた化石や、羽毛がある恐竜の化石、全身の色が特定できた恐竜の復元図など、興味深いアイテムがずらり。

特別展「恐竜博2019」@国立科学博物館デイノケイルス 全身骨格図
デイノケイルス 全身骨格図 (C)Genya Masukawa

世界初公開!モンゴルで発見された「謎の恐竜」の全貌に迫る

1965年にモンゴルのゴビ砂漠で前あしの化石だけが見つかって、そのカギツメ状の指先から「恐ろしい手」を意味するデイノケイルスと名付けられた恐竜は、体のほかの部分が見つからず、半世紀近く「謎の恐竜」とされていたとか。

ところが、近年になって頭や胴体などが次々と発見されてみると、幅広いクチバシや背中に船の帆のような構造があったりと、想定外の姿をしていたことが明らかに。そこで、デイノケイルスの実物化石をもとに、全長約12m、高さ約4.5mの巨大な全身復元骨格を制作。この特別展で、世界に先駆けて初公開する。

特別展「恐竜博2019」@国立科学博物館 ロミオとジュリエット
カーン(オヴィラプトル類)(C)Mick Ellison

また、デイノケイルスが見つかったモンゴルは、世界有数の化石発掘地。メスとオスの可能性が高い化石が並ぶようにして発見されたことから「ロミオとジュリエット」という愛称で有名になった恐竜・カーン(日本初公開)や、3体が折り重なるように発見されたことで同じ巣に暮らした兄弟と考えられている化石(世界初公開)など、さまざまな発見が相次いでいる。

化石の位置や形状から、あれこれと想像の翼を広げた考古学者たちの夢に思いを馳せるのも楽しい。

特別展「恐竜博2019」@国立科学博物館「むかわ竜」 全身実物化石
「むかわ竜」 全身実物化石 北海道むかわ町穂別産 むかわ町穂別博物館所蔵

北海道の「むかわ竜」を実物化石と全身骨格で世界初公開

もうひとつの目玉は、2003年に北海道・むかわ町で発見された「むかわ竜」。これまでに全長8mを超える骨格の8割以上が見つかっていて、これだけ高い割合で骨が残っている大型恐竜の化石は国内でも初めてだという。

特別展では、全身実物化石とこれらをもとに復元した全身骨格を、地元以外では世界で初公開する。今回の展示は、白亜紀後期(約1億4500万年前から6600万年前)の恐竜全身骨格としても、海の地層から発見された全身骨格化石としても国内初。これは日本の恐竜研究史上、最大の発見とも言われている。

こちらのゾーンでは、日本各地で発見された恐竜などを最新研究によって高精細なCGで再現した映像も上映する。「むかわ竜」たちが生きた時代の、日本の恐竜世界を迫力の4Kシアターで楽しんで。

特別展「恐竜博2019」@国立科学博物館 隕石
隕石衝突のCG (C)NHK

恐竜は絶滅していなかった!?  驚きの新仮説も解説

最後のゾーンでは、「恐竜絶滅」の謎に迫る。約6600万年前、地球に隕石が衝突して絶滅したとされる恐竜だけど、最近の研究では一部が現在も進化を続けていることが分かってきたそう。実際に、現代の恐竜は「鳥類」と呼ばれている。

そんな「絶滅」の前夜、最後の恐竜たちにはどんな生態系があったのかを紹介するコーナーも登場。鳥類以外の恐竜がどういうふうに絶滅していったのか、哺乳類はいつから台頭し始めたのか?新しい発見などから分かりつつある、新しい仮説を解説する。

世界初公開の「謎の恐竜」や日本初の「むかわ竜」の全身骨格など、私たちの知らない太古の地球に生きた恐竜たちの博覧会。半世紀の恐竜研究で見えてきた世界に、タイムスリップして楽しんで。

特別展「恐竜博2019」@国立科学博物館 グッズ(仮)
上段/「海洋堂製オフィシャルカプセルフィギュア」各500円(右から「むかわ竜」、デイノケイルス、ティラノサウルス、モササウルス、デイノニクス) (C)KAIYODO 
下段/左から「すみっコぐらし アクリルキーホルダー」648円、「すみっコぐらし カバー付き アクリルキーホルダー」(2種類)702円、「すみっコぐらし ダイカットマグネット」702円(C)2019 San-X Co., Ltd. All Rights Reserved. ※価格は全て予価(税8%)

海洋堂製の精巧なフィギュアやかわいいコラボグッズも登場

展覧会では、会場限定で販売されるタイアップグッズとして、世界初公開の恐竜を綿密に立体化した「海洋堂製オフィシャルカプセルフィギュア」(500円)も登場する。

全身の復元骨格が世界初公開されるデイノニクスは骨格模型。それ以外に復元モデルとして、「むかわ竜」やデイノケイルス、白亜紀後期に海の食物連鎖の頂点に君臨していたモササウルス、ティラノサウルスなど合わせて5種類。最先端の研究成果による精巧なフィギュアを、手のひらサイズで細部まで堪能できる。

また、大人気のキャラクター「すみっコぐらし」とのコラボグッズも販売。恐竜になりきった「すみっコ」たちの、ほのぼのした表情もかわいい。いろんなスタイルで、「恐竜博2019」を満喫しよう。

 特別展「恐竜博2019」@国立科学博物館-ポスター画像

イベントDATA

イベント名
恐竜博2019 The Dinosaur Expo 2019
開催場所
国立科学博物館
会期
2019/7/13(土)~10/14(月・祝)
開館時間
9:00~17:00(金曜・土曜は20:00まで)
※8/11(日)~15(木)、18(日)は18:00まで
※入場は各閉館時刻の30分前まで
休館日
7/16(火)、9/2(月)、9(月)、17(火)、24(火)、30(月)
電話番号
03-5777-8600(ハローダイヤル)全日8:00?22:00
チケット(前売)
<通常チケット>
一般・大学生1600円(1400円)、小・中・高校生600円(500円)、金曜・土曜限定ペア得ナイト券:2名1組 2000円

<その他のチケット>
「ファミリー券」3400円 
 ※一般・大学生2名+小・中・高校生2名の4枚セット、1枚ずつでも利用可
「海洋堂製フィギュア コンプリートボックスセット券(限定2000枚)」5000円
「すみっコぐらしセット券」1800円
「デイノニクスの孫の手セット券」2200円
「音声ガイド&図録セット券」3800円
ホームページ
恐竜博2019 特設サイト
国立科学博物館 外観

会場DATA

スポット名
国立科学博物館
住所
東京都台東区上野公園7-20 Map
交通アクセス
JR「上野駅」(公園口)から徒歩5分
東京メトロ銀座線・日比谷線「上野駅」(7番出口)から徒歩10分
京成線「京成上野駅」(正面口)から徒歩10分
ホームページ
国立科学博物館 公式ホームページ

アート、ミュージカル、クラシック・・・特別な1日を約束する“東京体験”をチェック

舞台、ミュージカル、歌舞伎、クラシック、アート・・・さまざまなエンターテインメントがあふれている東京。でも、なかなか経験する機会がない人も多いのでは? オズモールの東京体験では、観劇や鑑賞のレストラン付きプラン、お土産付きの観劇チケットなど “いい1日”が過ごせる、とっておきのプランをラインナップ。ぜひチェックしてみて。

美術展ニュース

今しか見られない、おすすめの美術展をご案内。見どころをわかりやすく紹介します。

NAOKO YOSHIDA (はちどり)

※記事は2019年6月17日(月)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります