【SDGs】ボランティアとは?どんな活動のこと?参加するには?東京ボランティア・市民活動センターの高山和久さんが徹底解説

【SDGs】ボランティアとは?どんな活動のこと?参加するには?東京ボランティア・市民活動センターの高山和久さんが徹底解説

サステナブルチャレンジとは?

オズモールとはじめる、SDGsアクション。小さな“サステナブルチャレンジ”から始めてみませんか? 災害などが起きた時にもよく耳にする「ボランティア」。なんとなく人助けをする人たちというイメージがあるけれど、実際にはどんな活動のこと? そのほか、災害以外にボランティアが活動するのはどんな場所なのかなど、ボランティアにまつわる素朴な疑問に東京ボランティア・市民活動センター副所長・高山和久さんが徹底解説!

更新日:2021/10/19

ボランティアとは?東京ボランティア・市民活動センター副所長・高山和久さんが解説

ボランティアとは一体なに?歴史は?

ボランティアとは一体なに?歴史は?

ボランティアにはさまざまな考え方がありますが、私たち東京ボランティア・市民活動センターでは、「自分の意志で」「さまざまな人と学びあいながら」「営利を目的とせずに」「誰かのために、または社会をよりよくしていくために」行う活動だと考えています。

もともと“volunteer”という単語の語源はラテン語の“voluntas”。「有志の」や「自発的な」という意味があり、現在でも英語で「○○をやってくれる人は、誰かいますか?」といった呼びかけをする場面などでvolunteerという言葉が使われているようです。
「自分の意志で社会をよりよくする」というイメージがこの単語から連想できると思います。

日本では1995年に阪神淡路大震災が起き、それまでボランティア活動に関心のなかった一般市民が全国から多数救援に駆けつけたとされ、「ボランティア元年」などと言われるようになりました。

ボランティア活動にはどんなものがある?

ボランティア活動にはどんなものがある?

活動分野はさまざまです。「子ども・子育て」「障がいのある人」「高齢者」といった福祉的な分野や、「国際協力」「環境」「被災地支援」「外国にルーツがある方の支援」「多様な性などを対象とした支援」「居場所づくり」などといった活動、また、オリンピックで話題になった「スポーツに関する活動」「おもてなしボランティア」などもあります。

ほかにも、「寄付すること」など「活動を支えるための活動」などもボランティアと言えるでしょう。
社会・公共の目的のために、職業上のスキルや知識を活かす「プロボノ」という活動もあります。

ボランティアがなぜ今話題なのか?

ボランティアがなぜ今話題なのか?

いくつかの要素があると思います。ひとつは、今年オリンピック・パラリンピックという大きなイベ ントがあり、そこにたくさんの人が参加したこと。また、新型コロナの影響で生活に困窮する人がクローズアップされた一方、生活スタイルの変化によって参加の機会も増えたことが考えられます。

さらに、昨今、毎年のように災害が発生しており、そこに全国からボランティアが集まり、 その活動が脚光を浴びることが多くなっているのも、ボランティアが注目されるきっかけになっているでしょう。

ほかにもさまざまな要因があると思いますが、IT技術の発達などによって情報が手に入りやすくなり、社会課題を身近に感じられるようになってきたことも関係があるかなと思います。

ボランティアをするとどんなメリットがある?

ボランティアをするとどんなメリットがある?

ボランティア活動をすることで、社会や人とのつながりや広がりを感じることができます。普段接することのない幅広い世代と交流したり、感謝されることで人とのつながりを感じたり、普段できないような体験ができたり。ボランティア活動をすることで普段は感じ得ない、さまざまな経験ができます。
そういった経験を通し自分の考え方も豊かになり、成長を感じられることは大きいのではないでしょうか。

ときにそれは、自分の価値観をがらりと変えるきっかけになることも。今まで知らなかった世界に触れられるとともに、社会貢献ができるいい機会にもなり得るんです。

初心者でも気軽に始められるボランティアは?

初心者でも気軽に始められるボランティアは?

まずは自分の得意なことや興味があることから考えてみるのがおすすめです。

たとえば、人と関わることが好きで子どもと関わりたい、というのであれば一緒に遊んだり、「学習ボランティア」といった活動があります。
「仕事で培った事務能力を活かしながら1人で黙々と作業をしたい」というのであれば、団体の運営や活動を支えるためのボランティアとして、「SNSでの発信」や「広報紙等の作成」など事務局的な役割を担うボランティアなどもあります。

知り合いがやっている活動に顔を出してみる(手伝ってみる)などというのも「気軽に始められるボランティア」かもしれません。

ボランティアに参加しよう!東京ボランティア・市民活動センター副所長・高山和久さんが解説

ボランティアに参加するには?

ボランティアに参加するには?

まずは情報収集をしましょう。
私たちのホームページ「ボラ市民ウェブ」では、ボランティアに参加するために必要な情報や役立つ情報を掲載していますので、ぜひご活用ください。

ご自身の住んでいる地域はもちろん、通っている学校や職場のある地域など、身近な地域 (自治体)にあるボランティアセンターに相談をするのも方法のひとつです。
ボランティアセンターのスタッフに相談しながら、自分のやりたいことや興味を整理してみることも一歩になるのではないでしょうか。
そして活動の計画を立てたら、万が一の事故に備えてボランティア保険に加入することをおすすめします。

自分の住む街を整えるボランティア活動の例「ゴミ拾い」「公園ボランティア」

自分の住む街を整えるボランティア活動の例「ゴミ拾い」「公園ボランティア」

・ゴミ拾い
プラスチック問題が社会問題となっている今、参加のしやすい活動としてゴミ拾いボランティアがあります。海や川、繁華街、公園など活動場所はさまざま。活動内容は、軍手をしてトングでゴミをつかみ、ゴミ袋に拾っていくというシンプルなものです。また、集めたごみで活動の成果がわかりやすい活動でもあります。

・公園ボランティア
公園の花壇などの手入れ、池の管理、景観維持、利用者への案内などを行う活動です。多くは行政や公園を管理する団体が募集します。特別な知識や道具が必要でない場合があり、ご自身のスケジュールに合わせた活動も可能であることから、自然環境に関心があって、初心者でも取り組みやすい活動をお探しの方などにおすすめです。

困っている人を助けるボランティア活動の例「学習支援ボランティア」「傾聴ボランティア」

困っている人を助けるボランティア活動の例「学習支援ボランティア」「傾聴ボランティア」

・外国にルーツのある人への学習支援ボランティア
日本語を母語としない在日外国人やその子どもたちの日本語や学校の授業で習う内容の学習をサポートしながら、相手の話を聴いて寄り添うボランティアです。語学力を生かしたい、教育に興味がある、子どもと触れ合いたい、塾講師の経験があるなどの方は、ぜひ情報をチェックしてみてください。

・傾聴ボランティア
「相手の話を聴く」というボランティア活動です。社会的活動が少なくなり人と話す機会が減った高齢者の方々、子育て中の方、悩みや不安のある方などの話を聞くのが支援の内容。不安や悩み、愚痴などを話せるだけでも、人の心は少し軽くなるものです。不安や悩み、孤独を抱えた方々に温かく寄り添うことができるボランティアです。各地域のボランティアセンターなどで養成講座が実施されています。

消費行動でできるボランティア活動の例「買ってボランティア」

消費行動でできるボランティア活動の例「買ってボランティア」

・買ってボランティア
たとえば、日常で使っている物や嗜好品を「障がいのある方の支援施設」で作っているものや「フェアトレード」という認証がついているものに切り替えることも、ひとつのボランティアの形です。
障がいのある方は一般的な企業などでの就労が難しい場合があります。また、綿花やチョコレート、コーヒーなどは中間に入る企業が不当に搾取し、労働者の手元に適切な収入が入っていない場合があります。そのため、この活動は、障がいのある方や貧困地域で暮らす労働者などの収入につながり、それらの方々の生活を守ることにつながる活動になります。

環境問題に貢献できるボランティア活動の例「農山漁村ボランティア・森林保護ボランティア」

環境問題に貢献できるボランティア活動の例「農山漁村ボランティア・森林保護ボランティア」

高齢化・後継者不足などにより農地や漁場の維持困難などが社会課題となっています。また、自然環境を保護し持続的に活用できる社会づくりは、地球レベルでの問題になっています。そのため、農林業や漁業の世界でもボランティアが維持・管理・清掃・収穫・販売管理などの支援をしています。「自然環境問題に関心がある」「農林漁業を体験してみたい」「農山漁村の魅力を感じたい」という方におすすめのボランティア活動です。

東京ボランティア・市民活動センター副所長・高山和久さんが解説!ボランティアのQ&A

最近よく耳にするボランティアという言葉。でも、「どういう意味?」「ボランティア活動ってなに?」「NPO活動の違いは?」など、わからないことや知りたいことがまだまだいっぱい。そこで東京ボランティア・市民活動センター副所長・高山和久さんがみんなの疑問にわかりやすくお答えします。

ボランティアってなに?

私たち東京ボランティア・市民活動センターでは、「自分の意志で」「さまざまな人と学びあいながら」「営利を目的とせずに」「誰かのために、または社会をよりよくしていくために」行う活動を「ボランティア」と捉えています。

ボランティア活動ってなに?

自発的に、他者や社会のために、金銭的な利益を第一に求めない活動のことです。また、誰もが暮らしやすい豊かな社会をめざして、さまざまな人や団体とつながり、ネットワークをつくりながら、社会課題の解決に取り組む活動です。
ボランティア活動の形態として、個人で行う活動のほか、グループ・組織を立ち上げたり、メンバーとして所属しながら活動する場合もあります。

ボランティア活動とNPOの活動の違いはなんですか?

ボランティア活動もNPOの活動も「社会をより良くするため」の活動です。NPOはNot-for-Profit-Organizationの頭文字で民間非営利組織と訳され、非営利の活動をする団体を指します。NPOの活動にボランティアの参加は不可欠です。
「非営利」とは「団体の利益を会員など内部の人に分配せずに、団体の運営や活動に必要な経費へ充当すること」を意味しています。

ボランティアにはどんなものがある?

「子ども・子育て」「障がいのある人」「高齢者」といった福祉的な分野や、「国際協力」「環境」「被災地支援」「外国にルーツがある方の支援」「多様な性などを対象とした支援」「居場所づくり」などといった活動、また、オリンピックで話題になった「スポーツに関する活動」「おもてなしボランティア」など活動分野はさまざまです。ほかにも、「寄付」など「活動を支えるための活動」などもボランティアと言えるでしょう。

ボランティアに参加するときに気を付けることはある?

ボランティア活動には自分の意志で始める限り、責任も伴います。現場ではあいさつする、無断で遅刻や休んだりしないなど、社会人としての基本のマナーをしっかり守りましょう。また他の予定も踏まえて無理をしないことも大切です。自分の生活にあったペースで行動しましょう。無理をしないことが長続きの秘訣。どうしても続けられない時には、無理をせずやめる決断をするのも必要でしょう。
そして活動を決めたら、万が一の事故などに備えて、ボランティア保険に入ることをおすすめします。

取材協力・監修/東京ボランティア・市民活動センター 副所長・高山和久さん

取材協力・監修/東京ボランティア・市民活動センター 副所長・高山和久さん

東京ボランティア・市民活動センターは、市民1人ひとりのよりよい生き方(well-being)を実現するために「広義の福祉」の視点にもとづき、区市町村のボランティア・センターや広域のボランティア・市民活動推進団体、行政、企業や労働組合、教育機関、研究者などと連携し、幅広い領域のボランティア活動を推進し支援します。
さらに、それらを含むさまざまな市民活動への参画と市民活動団体の発展を支援していくことにより、「市民セクター」全体を強化し、市民が自らの手によって社会的な問題の解決をはかり、市民一人ひとりの可能性を伸ばし、生活の質が高められていく〈市民社会〉の実現をめざします。
東京ボランティア・市民活動センターが運営するウェブサイト「ボラ市民ウェブ」には、ボランティア・市民活動に関するさまざまな情報が掲載されています。

こちらもチェック!オズモールとはじめるSDGsアクション「#サステナブルチャレンジ」

SDGsと言われても「それって何なの?何から始めればよいの?」と、難しく考えてしまう人も多いはず。でも実は、毎日の暮らしのなかにヒントがたくさんあるんです。食材をムダなく活用するのも、エコバックを持ち歩くのも、サステナブルなSDGsアクションのひとつ。そこでオズモールでは、楽しみながら始められる「#サステナブルチャレンジ」をガイドしていきます。ぜひ参考にして、できることから始めてみて。

WRITING/KIMIKO OHKATSU

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※記事は2021年10月19日(火)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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