八百屋が営むレストラン「槇村野菜食堂」のオーガニックな野菜をふんだんに使ったサステナブルなフルコース

八百屋が営むレストラン「槇村野菜食堂」のオーガニックな野菜をふんだんに使ったサステナブルなフルコース

更新日:2022/07/07

OZmallと始めるSDGsアクション「国産を食べよう」。国産食材を選ぶことは、新鮮で安心なことはもちろん、食糧自給率のアップや、輸送にかかるCO2排出量の削減にも貢献。今回は、外苑前にある八百屋が営むレストラン「槇村野菜食堂」の国産野菜のおいしさを存分に味わうサステナブルなフルコースをご紹介。

ベジセラー
野菜やフルーツが美しく並んだ自慢の“ベジセラー”

自分にもできる“エコ”な活動を。そんな思いから、農薬を使わない農家を応援する八百屋を開業

「槇村野菜食堂」の自慢は、ガラス張りの大きな“ベジセラー”。ここに並ぶ色とりどりの野菜やフルーツは、全国各地の契約農家から届けられたもの。「これは山梨県の小林さんが作った『きみひめ』というとうもろこし。こっちは、愛媛の田中さんが作った河内晩柑です。ほんっとにおいしいんですよ!」と、店主の槇村賢哉さんが笑顔で一つひとつ説明してくれる。

実は槇村さんの前職はホテルマン。環境問題が注目されるようになり、“エコ”という言葉が広まりはじめた1990年代、ある八百屋さんの「一般市民には地球を動かすことはできないけれど、農薬を使わない農家さんを応援することがエコロジーにつながる」という言葉を受けて、生まれ育った福生市に八百屋を開いたのがはじまりだという。

「その頃は“旬”も知らなくて、ほうれん草と小松菜の区別もつかなかったほど。子どもの頃からキュウリもトマトもいつでも手に入るのが当たり前だと思っていたから、『トマトが食べられない時期があるなんて・・・』と失恋したような気持ちになりました(笑)。でもその分、旬が来るたびに嬉しくてたまらないんです」

左:絶品!山梨小林さんのとうもろこしのポタージュ
右:生姜茄子2022

おいしい野菜で、たくさんの人を笑顔にしたい

「野菜で人を笑顔にする」をコンセプトに、これまで八百屋以外にも料理教室を開いたり、お弁当販売、ケータリングなど、野菜にまつわるさまざまな仕事に携わってきた槇村さん。現在も「槇村野菜笑店」として星付きレストランなどに野菜を卸す傍ら、2019年からは「八百屋が作るレストラン」の料理人としてキッチンで腕を振るう。

コールドプレスジュースとアミューズからはじまるおまかせコースには、八百屋歴20年を誇る槇村さんが自信をもって選んだ旬の野菜がふんだんに盛り込まれている。

河内晩柑とカーリーケールとしめ鯖のサラダ
河内晩柑とカーリーケールとしめ鯖のサラダ

取材当日のメニューのスープは、「絶品!山梨小林さんのとうもろこしのポタージュ」。さらに、揚げたなすと生姜、ゴロッと大きめにカットしたザーサイを合わせた「生姜茄子2022」や、トマトと生のモロヘイヤをゴマ風味のドレッシングでいただく「完熟トマトとモロヘイヤのサラダ」、クミンや松の実、アーモンドなどでエキゾチックな香りに仕上げた「河内晩柑とカーリーケールとしめ鯖のサラダ」、愛媛県の上田さんが作ったレモンを使った「レモンのアイスクリームとレモンのパウンドケーキ」などが並んだ。

いま、何を食べているかをダイレクトに感じてほしいから、味付けはできるだけシンプルに、ひと皿にあまり多くの食材を使わないのも特徴
「今日のスープの味付けは塩だけですが、とうもろこしがこんなに甘いなんて!と驚かれます。こんな野菜の組み合わせ方があったんだ、こんな食べ方もあるんだと楽しんでいただけたら嬉しいですね」

左:自家製レモネード
右:愛媛県上田さんのレモンのアイスクリームとレモンのパウンドケーキ

次の世代に継承したい「新しい八百屋」のスタイル

そもそも、槇村さんがレストランをはじめた理由は“八百屋として生き延びるため”。これからの時代の八百屋さんは、「野菜のおいしさを伝えるためには、その野菜を使って料理が作れないと!」と言葉に力を込める。

「いま、街の八百屋さんがどんどんなくなっています。僕自身は八百屋の仕事がいちばん楽しいのですが、八百屋はどうしてもロスが出てしまうため、経営はとても厳しいんですね。いかにロスを出さず、利益を上げていくかを考えたときに、実践として『おいしい食べ方の提案』ができる場所が必要だと思いました。お客さんは、そこで食べておいしかった野菜を、その場で買って帰る。この先の10年は、そんな新しい八百屋のあり方を次の世代に継承したいと思っています。極力農薬を使わずに野菜作りに挑戦している若い農家さんたちのことも、応援していきたいですね」

もちろん、こちらのベジセラーに並ぶ野菜やフルーツも、その場で購入可能。おいしい食べ方も教えてもらえるから、お気に入りを見つけたら、ぜひ自宅で挑戦してみよう。

自家製レモンサワー付き!旬の野菜をふんだんに使用したおまかせディナー8皿

■料理の一例 

【1皿目】コールドプレスジュースとアミューズ

【2皿目】絶品!山梨小林さんのとうもろこしのポタージュ

【3皿目】生姜茄子2022

【4皿目】完熟トマトとモロヘイヤのサラダ

【5皿目】河内晩柑とカーリーケールとしめ鯖のサラダ

【6皿目】イトヨリのポワレ蚕豆のソース

【7皿目】豚肩ロースのグリル チョリソーといくらのソース 紫キャベツのアジアン風

【8皿目】愛媛県上田さんのレモンのアイスクリームとレモンのパウンドケーキ

■ドリンク
・自家製レモネードor自家製レモンサワー1人1杯付き
・食後のお飲み物(フレッシュハーブティorコーヒー)

■価格
9800円(税・サ込)

槇村野菜食堂

DATA

スポット名
槇村野菜食堂
電話番号
0368636806 0368636806
住所
東京都港区南青山2-20-1 101 Map
営業時間
18:00~23:00(20:00最終入店)
交通アクセス
東京メトロ銀座線「外苑前駅」4a出口より徒歩2分
東京メトロ銀座線および半蔵門線および都営大江戸線「青山一丁目駅」5番出口より徒歩6分
東京メトロ千代田線「乃木坂駅」5番出口より徒歩10分
OZmallの「槇村野菜食堂」予約ページを見る
ホームページ
公式ホームページ

【特集】国産を食べよう!サステナブルレストラン

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SDGsやサステナブルは今や身近なテーマだけれど、まだ何をすればいいのかわからない人も多いはず。そこで今回は「国産食材×SDGs」に注目。国産食材を食べることがSDGsにつながる理由を学び、あらためて日本が誇るおいしい食材に目を向けてみませんか。一流シェフの目利きで選ばれた東京産ビーフからオーガニック野菜まで、おいしく食べて、未来につなげよう。

WRITING/MINORI KASAI

※記事は2022年7月7日(木)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります