クラフトビールシーンを賑わす醸造家を訪ねて_MEETS SAKEBITO Vol.07

更新日:2021/07/20

日本の酒が生まれる地を訪ねる連載「MEETS SAKEBITO」。今回は、日本のクラフトビールシーンで、今一番熱いエリアと噂の静岡。その理由は、彼らの存在にあり! 海辺に佇むブリュワリーを訪ねます

Vol.07 静岡・静岡市「ウエストコーストブルーイング」 セドリック・メルさん デレック・バストンさん 

デレックさん(右)は1980 年アメリカ・シアトル出身。2003 年に来日、2013 年に設計事務所「ウエストコーストデザイン」を、2019年に「ウエストコーストブルーイング」を設立。フランス出身のセドリックさん(左)はじめ、多様なバックグラウンドを持つメンバーをまとめる。代表のデレックさんのもとで醸造を担うのは、セドリックさんのほか、アメリカ西海岸の有名ブリュワリーで経験を積んだスタッフなど5名。「最高のチーム」とデレックさん

上の写真、人気バンドのメンバー・・・ではありません。が、クラフトビールファンからは歓声が上がるスターかも。一昨年の設立以来、飛ぶ鳥を落とす勢い人気上昇中の「ウエストコーストブルーイング(WCB)」。

建築家としても活動するシアトル出身・静岡市在住のオーナー、デレックさんが「アメリカ西海岸で飲まれているおいしいビールを、日本でも鮮度抜群で味わいたい」と立ち上げたブリュワリーは、コミカルなホップのイラストが目を引くロング缶と中身のビールのおいしさで、今や全国区の知名度を誇ります。

右上/コンパクトな敷地ながら、年間約20万リットルを製造。毎月8種前後のビールをリリースする 左上/ほかのブリュワリーの軽く2〜3倍は使うホップの風味がWCBの特徴 右下/タップルームでは最大16種のビールをドラフトで提供 左下/用宗漁港に面した元マグロの裁断加工場をリノベーション。温泉施設に隣接する

代名詞とも言えるのが、間髪入れずに繰り出される多彩なスタイル。2年間でリリースしたビールは実に100種以上! 

デレックさん曰く「定番に頼ると進化しづらくなる。そのとき造りたいものを造るし、その楽しさが原動力です」。ビールも造り手の熱意も、フレッシュなうちに出荷するのがWCB流というわけ。

ホップがビシッと利いた中毒性の高いビールが生まれる場所は、ローカル風情漂う漁港の目の前。海を眺めながら、至福の「プシュッ!」がかなうのも最高です。

「ウエストコーストブルーイング」で生まれたビール

スターウォッチャー
850円~(500ml)

トロピカルフルーツのような香りとホップの苦味が際立つ、ジューシーな「WCB」のフラッグシップIPA。「いつ飲んでも、どんな料理と合わせても美味しい」とデレックさん

ウエストコーストブルーイング

TEL.非公開(問い合わせは wcbshizuoka@gmail.com) 
静岡県静岡市駿河区用宗2-18-1(用宗みなと温泉隣)
タップルームを併設。その他、静岡市内に飲食店やショップを計4店舗展開

PHOTO/RYO YONEKURA TEXT/RIE KARASAWA
※メトロミニッツ2021年8月号「MEETS SAKEBITO」より転載

※記事は2021年7月20日(火)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります