甲斐みのり/翁堂・犬のルーパー

どこか懐かしくて愛らしい。おちゃめな表情にほっこりする、翁堂の「犬のルーパー」_OZmagazine TRIP

更新日:2019/07/17

OZmagazine TRIPで好評連載中の「さて、おやつにしますか」は、文筆家・甲斐みのりさんが教える、旅の目的になるおやつの話。第5回目は長野県・松本市にある、レトロかわいいお菓子が並ぶ翁堂(おきなどう)の「犬のルーパー」を紹介。

写真/犬のルーパー1匹180円

甲斐みのり/翁堂・犬のルーパー

赤、緑、黄色、帽子をかぶった犬のクッキー

江戸時代から多くの職人が暮らした城下町・長野県松本市。戦後に柳宗悦が唱えた民藝運動が根付き、美術品とは違う素朴な美しさの手仕事に出会える。

松本といえばお菓子の世界でも見事な手仕事がいくつも思い浮かぶ。なかでも菓子講習をきっかけに昭和32年から作り続ける「翁堂」の「タヌキケーキ」は、昭和の時代を思い出す懐かしい味と姿で、旅するたびに求めるお気に入り。けれどもバタークリームを使った生菓子ゆえに遠方への持ち帰りは不向きでおみやげにできず、滞在しているホテルや帰りの電車で味わうのみ。本当は、この愛らしさを多くの人にお裾分けしたいのだけれど・・・。

そんな欲求を満たしてくれるのが、同じく「翁堂」に並ぶコーヒー味のクッキーで、愛嬌たっぷりの「犬のルーパー」。赤、緑、黄色の、さくらんぼの砂糖漬けの帽子をちょこんとかぶり、ひとつずつ異なるとぼけた表情。顔と胴の間に、ホワイトチョコレートをサンド。菓子職人でもある4代目が、お子さんと一緒に親子で作り出したキャラクター「ルーパー」を、お菓子で表現したというエピソードにも、心が温まる。

取材・文/甲斐みのり 撮影/鍵岡龍門

おやつDATA

商品名
翁堂の「犬のルーパー」
価格
1匹180円
ホームページ
翁堂

PROFILE

甲斐みのり(かい・みのり)
文筆家。旅や散歩、お菓子や地元パン、クラシック建築やホテル、雑貨屋や暮らしなどを主な題材に、書籍や雑誌に執筆。各地の観光パンフレットも手がける。著書は『地元パン手帖』『お菓子の包み紙』(ともにグラフィック社)など40冊以上。

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※OZmagazine TRIP(2019年6月7日発売)の情報を転用して掲載しています。掲載情報は、2019年6月7日現在のものです。その後、変更が生じる場合があります。また各店の営業時間や定休日などは時期によって変わる場合もありますのでご了承ください

※記事は2019年7月17日(水)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります