甲斐みのり/クレープリー・トゥルヌソルの「まるで湯けむり」

タイムスリップしたような別府の景色を思い出す。クレープリー・トゥルヌソルの「まるで湯けむり」

更新日:2020/12/11

OZmagazine TRIPで好評連載中の「さて、おやつにしますか」は、文筆家・甲斐みのりさんが教える、旅の目的になるおやつの話。第10回目は大分県・別府市にある「クレープリー・トゥルヌソル」で販売中の「まるで湯けむり」をご紹介します。

まるで湯けむり15個入り1620円

風情ある温泉場の風景を切り取った別府みやげ

三方を山に囲まれた、静かな町の家々の間から、ほわほわほわと空に向かってたちのぼる、いくつもの白い湯けむり。何度見ても息をのむ、昔話の世界のような幻想的な風景だ。大分県別府市には、別府八湯と呼ばれる八つの代表的な温泉地があり、そのひとつが、昔ながらの湯治場の風情を残す「鉄輪温泉」。狭い路地には旅館や共同浴場やみやげもの屋がひしめき、歩きながらいつのまにか、昭和の時代にタイムスリップしたような気がしてくる。

そんな別府の風景を、そのままお菓子で描き出しているのが、鉄輪温泉近くにあるクレープとガレットの店「クレープリー・トゥルヌソル」の、メレンゲとホワイトチョコを合わせた「まるで湯けむり」。シャキシャキとしたココナッツの歯切れと、ふわっとふくよかな香りを?み締めながら、これまで何度も繰り返し通うほど大好きな別府へと、また旅に出る日を思い浮かべる。1枚ずつ手焼きのクレープをおやつに味わい、ぬくぬくと温泉に浸かり、夜は温泉の蒸気で食材を蒸す「地獄蒸し」を別府に暮らす友人たちと楽しもう。メレンゲの甘い後味が、別府を思う恋しさと重なった。

取材・文/甲斐みのり 撮影/鍵岡龍門

おやつDATA

まるで湯けむり
クレープリー・トゥルヌソル
TEL.090-5930-3103
住所/大分県別府市北中4組-2-東
価格/15個入り1620円
ホームページ
クレープリー・トゥルヌソル

PROFILE

甲斐みのり(かい・みのり)
文筆家。旅や散歩、お菓子や地元パン、クラシック建築やホテル、雑貨屋や暮らしなどを主な題材に、書籍や雑誌に執筆。各地の観光パンフレットも手がける。著書は『地元パン手帖』『お菓子の包み紙』『アイスの旅』(ともにグラフィック社)など40冊以上。

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Loule

この記事が掲載されているのは、OZmagazine TRIP「手仕事の町へ」

OZmagazine TRIP「手仕事の町へ」

器をはじめとする、日本全国のかわいい手仕事アイテムのご紹介はもちろん、旅に出たからこそ楽しみたい、手仕事が根付く町のグルメや見どころスポットなども多数ご紹介しています。

発売日/2020年10月7日(水)
定価/800円
販売場所/全国の書店、コンビニエンスストアなど

※OZmagazine TRIP(2020年7月7日発売)の情報を転用して掲載しています。掲載情報は、2020年7月7日時点のものです。その後、変更が生じる場合がありますのでご了承ください

※記事は2020年12月11日(金)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります