温冷2杯を味わうのが、朝ラーメン発祥・マルナカの流儀_ローカルモーニング

温冷2杯を味わう、朝ラーメン発祥・マルナカの流儀_ローカルモーニング~朝の景色

更新日:2022/03/20

ローカルの日常を訪ねる「ステイケーション」。滞在中に出会える、その町ならではの朝の風景をフォトグラファー嶋崎征弘さんの一枚の写真と文でお届けします。今号は静岡県藤枝市の朝ラーメン発祥の老舗「マルナカ」へ。温冷2杯のラーメンを朝から味わう、この町ならではの朝の風景、ぜひみなさんもご体験ください

温冷2杯を味わう、朝ラーメン発祥・マルナカの流儀_ローカルモーニング~朝の景色

新幹線に乗ってたどり着いた藤枝にある、朝ラーメンの聖地へ

 旧東海道の通る街、藤枝。高校サッカーに傾倒していた自分にとっては、藤色のユニフォームが眩しい藤枝東が頭に浮かぶ。

 駅からはほぼ一直線で、東海道沿いにある朝ラーメンの聖地「マルナカ」。少し距離はあるが、今日はラーメン2杯、迷わず歩くことに。時刻は8時20分。通勤も落ち着いた様子で人通りもまばら。程なくして、十字路の先に店が見えてきた。

 駐車場に、次々と車が吸い込まれていく。入口の暖簾をくぐると、バンダナを巻いた店員さんが忙しなく行き交い、店内は東側の窓から射す新鮮な光で満ちている。

温冷2杯を味わう、朝ラーメン発祥・マルナカの流儀_ローカルモーニング~朝の景色

 早速2杯のラーメンを注文。そう、ここの定番は、温冷2杯のラーメンを食べること。数分で運ばれてきたラーメンは、両方普通盛り。これは厳しそうだと思いながら、スープを一口。濃い色だがさっぱりとした和風醤油味。麺は中太でツルッと良い喉越し。油分も少なく、罪悪感のない感じと言えば伝わるだろうか。冷やしは少し甘めの出汁で、飽きない味。添えられたわさびを溶くと更にさっぱりと締まる。2杯ともすんなり完食。

お客さんのリクエストで始まった朝ラーメン。当時は、近所のお茶屋、畳屋など、朝の早い職人さん達が通っていたそうだ。先々代の夜鳴きそばから始まり100年余り、不思議なラーメンカルチャーは、今では藤枝の朝の日常に溶け込んでいる。

今回訪れたスポット:静岡県・藤枝市/マルナカ

1919年創業、藤枝名物「朝ラーメン」発祥の、開店前から行列ができる人気店。温冷のラーメンを2杯食べるのがマルナカ流。定番の温かい中華そば550 円、1 年中味わえる甘口スープの冷やしラーメン650円

TEL.054-646-1516
住所/静岡県藤枝市志太3-1-24
営業時間/8:30 ~13:20(LO)
日・祝・第2・4土定休
※ほか臨時休業あり

写真と文 嶋崎征弘

フォトグラファー、長崎県佐世保市生まれ。西澤崇氏に師事後、2014年に独立。本誌をはじめ、雑誌、広告などで活躍中

PHOTO&TEXT/MASAHIRO SHIMAZAKI
※メトロミニッツ2022年4月号「ローカルモーニング」より転載 

※記事は2022年3月20日(日)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります