ローカルモーニング YORKSHIRE FARM

本栖湖ほとりのキャンプ場で迎えた朝_ローカルモーニング~朝の景色

更新日:2021/11/20

ローカルの日常を訪ねる「ステイケーション」。滞在中に出会える、その町ならではの朝の風景をフォトグラファー嶋崎征弘さんの一枚の写真と文でお届けします。今号は山梨県・見延町、本栖湖のほとりにある「浩庵キャンプ場」を訪ねてきました。この町ならではの気持ちいい朝の風景、ぜひみなさんもご体験ください

朝5時50分。千円札裏側のデザインでみた富士山を撮る

 関東近郊に住む多くの人は、一度くらい、富士山の写真を撮ったことがあるのではないだろうか。自分自身、写真の撮影を生業にしてからも、なにかと撮らされてしまう。東京から、飛行機から、別の山からといつでもどこでも撮る。

 今回訪れた本栖湖の浩庵キャンプ場は、間近で富士山と対峙できるような場所だ。千円札裏側のデザインのモデルになった景色が見られることで知られている。手ぬぐい、どてらをまとい、富士山を「富士子」と呼んで愛した写真家、岡田紅陽氏の写真をもとに描かれているそうだ。

 当日の日の出は5時50分。1時間前にテントから出ると、まだ月明かりと星空、濃い青色の湖面。キリッと冷えた空気で、冬が近いことを感じつつも、湖の水をすくうと、まだぬるく感じられる。歯磨きをしてテントに戻ると、黄色い光が富士の輪郭をなぞっている。慌ててカメラを手に取り、少し高台に上がる。遠くの鹿の鳴き声と、湖のさざ波、 日の出前の静かな時間。雪化粧を控えた富士山は、10分ほど姿を見せてくれた。

今回訪れたスポット:浩庵キャンプ場

国内有数の透明度を誇る本栖湖の北岸に位置するキャンプ場。富士山を正面に臨むロケーションと、雄大な自然の中で楽しむキャンプが魅力。テントサイトのほか、本栖湖セントラルロッジ(民宿)も完備する。

0556-38-0117 (受付8:00~20:00) 
山梨県南巨摩郡身延町中ノ倉2926

ローカルモーニング 鎌倉あの朝

写真と文 嶋崎征弘

フォトグラファー、長崎県佐世保市生まれ。西澤崇氏に師事後、2014年に独立。本誌をはじめ、雑誌、広告などで活躍中

PHOTO&TEXT/MASAHIRO SHIMAZAKI
※メトロミニッツ2021年12月号「ローカルモーニング」より転載 

※記事は2021年11月20日(土)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります