【SDGs】今注目のエシカルとは?明日からできるエシカル消費のポイントや今こそ知りたいエシカルな暮らし方など基本を解説
オズモールとはじめる、SDGsアクション。小さな“サステナブルチャレンジ”から始めてみませんか? エシカル消費やエシカルファッションなど、エシカルという言葉を耳にする機会が増えました。それって地球にいいことでしょ? と何となくポジティブなイメージがあることは知っているけれど、実際のところどうなの? いまこそ知りたいエシカルについて、言葉の意味や明日からすぐできるアクションまで、エシカルの基本をご紹介!
更新日:2021/10/07
エシカルとは?エシカル協会事務局次長・堀田三佳さんが解説
実は日本に昔からあった!みんながハッピーになるエシカルとは?
エシカル[ethical]とは、直訳すると“倫理的な”という意味。形容詞なので、エシカル○○という形で名詞と組み合わせることによって、さまざまな認識が生まれます。
倫理的な○○というとちょっと難しいことのように感じますが、要は“人や地球環境、社会、地域に配慮した考え方や行動”ということ。食事をしたり買い物をしたり、私たちはさまざまなモノや人と関わりながら生活していますよね。そういった行動すべてが何かしらに影響を及ぼしていることを意識して、一人ひとりがみんながハッピーになる選択をしていくことがエシカルということなんです。エシカル=「エ」いきょうを「シ」っかり「カ」んがえ「ル」と覚えるとわかりやすいかも!
さらに、“お互いさま”や“思いやり”、“もったいない”や“足るを知る”といった言葉はすべてエシカルに通じる言葉。実は私たち日本人には昔からエシカルの精神が根付いているんです。
エシカル消費とは?明日から私にもできるエシカル消費について知ろう!
エシカル消費とは、“地域の活性化や雇用なども含む、人・社会・地球環境に配慮した消費やサービス”のこと。エシカル消費をすることで大きく「環境」「社会」「地域」の3つに貢献できます。
「環境」に貢献できるエシカル消費は、リサイクル・アップサイクル、間伐材商品を選ぶ、無駄な廃棄を増やさないため食品を買いだめしすぎない、など。「社会」は、障がい者雇用によって作られた商品、児童労働がない商品、フェアトレード商品を選ぶ、など。「地域」は、地産地消の商品、伝統工芸、東日本大震災や熊本地震など被災地域の応援商品を選ぶ(応援消費)、など。
迷ったときは、認証マークを目印にしてみて。児童労働や不当な搾取がないことを証明するフェアトレード認証や、オーガニックコットン証明となるGOTS認証、正当に管理された森林の木材であることを証明するFSC認証など。これらの認証は世界中に多く存在していてすべてを覚えるのは難しいので、気になる商品についていたらぜひ調べてみよう。
若い世代にまで浸透!なぜエシカルが注目されているの?
エシカルが注目され始めたのは、2015年にSDGsが採択されてから。そして、2017年に経団連(※1)が、企業行動憲章(※2)にSDGsを盛り込んだことが大きなターニングポイントとなりました。これによって企業がSDGを盛り込んだ経営を目指すようになり、エシカル消費につながる商品も増加。一般の人にもエシカルという言葉が認知され始めたんです。さらに、私たちの暮らしの中で身近にあったレジ袋が2020年7月に有料化されたことも、エシカル消費を加速させるきっかけに。
また、学校教育においても中学校の教科書でエシカル消費が取り上げられるなど、若い世代にまで広く浸透していきました。最近では、学生が就職活動で企業を選ぶ際のポイントとして、環境や社会への配慮がどれだけされているかは重要項目。今や若者に選ばれる企業であるためにもエシカルは必須なんです。
※1:日本経済団体連合会の略称。日本の代表的企業や団体が日本経済
の活性化を目的に結成した団体
※2:経団連が提唱する企業が実行すべき倫理規定
エシカル消費やエシカルな暮らしをするとどんなメリットがある?
一番は、毎日の買い物が社会貢献になること! 買い物には世界を変える力がある、というとちょっと大げさに感じるかも? でも、私たちが使ったお金は商品を売る人、そして生産者さんのもとへと渡って生活を支え、やがては経済・社会を変えることにつながっていきます。“買い物は投票”といわれるとおり、何を買うかが社会を変えるアクションにつながっていくんです。
そんな“未来を変える消費行動”の指針となるのが、エシカルという考え方。どんな材料が使われているのか、誰がどんな工程で作っているのかなど、商品の背景に思いを巡らせて、自分が応援したい商品を買うようにしてみましょう。エシカル消費を意識することで、SDGsの12番目の目標である「つくる責任 つかう責任」に貢献できますよ。
エシカル消費で押さえておきたいポイントをエシカル協会事務局次長・堀田三佳さんが解説
エシカル商品とは?フェアトレードやオーガニックアイテムのほかには?
「環境」「社会」「地域」のいずれかに貢献できる商品のこと。フェアトレードやオーガニックの商品、アニマルフリー(素材や製造過程において動物を犠牲にしない)やプラスチックフリーの商品、アップサイクル商品などです。
使い捨てのラップではなく繰り返し使えるミツロウラップにするなど、ゼロウェイスト(ゴミが出ない)商品やバルクショップ(量り売りのお店)で使う分だけ買うこともエシカルな商品につながります。
エシカルジュエリーとは?輝きの裏に隠された紛争鉱物って?
実はダイヤモンドなどの鉱物は、アフリカ諸国などの紛争地域で採掘されることも多く、紛争鉱物ともいわれているんです。また、採掘現場では児童労働などの非人道的行為も。トレーサビリティがしっかりわかるエシカルなジュエリーを選ぶには、ブランド自体のポリシーを見極めるしかありません。
ダイヤモンドのように高価なものではなく日常使いなら、海に流れ着いたプラステイックを加工しているアップサイクルのアクセサリーを選ぶのもおすすめ!
エシカルファッションとは?オーガニックコットンはなぜいいの?
環境を破壊しない、労働者から搾取しないという考えのもとで生産されたファッションのこと。代表的なのがオーガニックコットン。コットンを作るには大量の農薬が使われたり、児童労働が行われていることも。オーガニック認証やフェアトレード認証のものを選ぶと、環境にも地域にも貢献できますよ。
あとはシーズンごとに大量生産、大量廃棄される問題があるので、購入したものを長く愛用することも大切。最近では、受注生産のみ受け付けるブランドやリメイク専門ブランドなども出てきています。
エシカルホテルとは?いま注目のビオホテルやゼロウェイストホテルって?
ここ最近、ビオホテルやゼロウェイストホテルなど、エシカルなコンセプトを掲げたホテルが増えているんです。たとえば、できるだけゴミを出さない工夫をしたり、生ゴミを土にして野菜を作って循環させたり。
そのほかにも、なるべく地元の食材を使ったり、オーガニックコットンのシーツや竹歯ブラシが選べたり、そもそもアメニティを必要な分しか配らないようにしたり。ホテル自体が国産材でできているなんていうところもあります。
エシカルレストランとは?おいしくて地球にやさしい食材って?
人や地域や環境に配慮したレストランのこと。たとえば、提供される畜産物(お肉、たまご、牛乳など)がどのような環境で育てられたものか。エシカルな視点だと、閉鎖的な空間よりも放牧で育てられた畜産物の方が動物倫理に即しているとになります。
また、そもそも植物性食品しか使わないヴィーガンやベジタリアンレストランもエシカルといえます。あとは、生産者に適正な賃金で取引しているかどうかなども重要なポイント。パッと見はわからないので、お店のサイトなどを調べてみて。
エシカルヘアサロンとは?ヘアドネーションってなに?
ヘアサロンで課題(問題)になるひとつは、ヘアカラー材が排水で流れてしまうこと。ケミカルではなくオーガニック素材のヘアカラー材を使用しているお店は環境に配慮したエシカルなヘアサロンといえます。
また、ヘアドネーション(※)に賛同・実施しているところも人や社会に貢献できるエシカルなヘアサロン。使っているタオルや提供されるドリンクがオーガニックやフェアトレードものもであるというのもひとつのエシカルな形です。
※ヘアドネーション:病気や事故で頭髪を失った人のために、寄付された髪の毛でウイッグを作り、無償で提供すること
エシカルビューティ・コスメとは?オーガニックコスメの見分け方は?
動物実験をしていない、フェアトレードもの、児童労働をさせていない、製造の過程でゴミをできるだけ出さない、容器のプラスティックを極力減らしているなど、さまざまな視点でエシカルなコスメを選ぶことができます。
注意が必要なのが、オーガニックコスメ。日本では表示基準が定まっていないため、1%でもオーガニック成分が入っていればオーガニックと表示できてしまうんです。オーガニック認証がついているものを選ぶと安心ですよ。
【随時更新】あの人に聞いた、エシカル消費のアイデア
【エシカルコーディネーター・エバンズ亜莉沙】エシカルな服との向き合い方や服選びのコツ
気分を高めてくれる洋服たち。トレンドを取り入れるのも楽しみのひとつだけど、最近は服の大量廃棄問題や、エシカルファッションやサステナブルファッションという言葉を耳にすることが増えたという人も多いのでは。今回はエシカルコーディネーター・エバンズ亜莉沙さんに、今こそ見直したい服との向き合い方や服選びのコツについて教えてもらいました。
【新井ミホ】やさしい配慮がされたエシカルなコスメ選びを
今回のテーマは、人にも環境にもやさしいオーガニック&ナチュラルコスメを使ってみること。ナチュラル&オーガニックビューティーライフ専門のPR会社「株式会社LA CARPE」の代表・新井ミホさんに、その魅力を教えていただきました! やさしい配慮がされたコスメを選ぶことは、間接的に環境に配慮したり、社会が抱える問題解決に貢献していることになると新井さん。エシカルなコスメ選びの参考にしてみては。
【俳優・小関裕太&兵頭功海】未来に貢献できる、チョコやコーヒーの選び方
いつも買うコーヒーやチョコも原材料がどうつくられたのか、“環境や社会にいいもの”を選ぶよう工夫することも地球にやさしい心がけのひとつ。「チーム・ハンサム!」のメンバー・俳優の小関裕太さん&兵頭功海さんが、“世界や社会にとってもWell(よい)”という意味を込めたウェルフード&ドリンクを扱う『imperfect表参道』に潜入取材。買うことや食べることで、未来に少し貢献できる素敵な取り組みをぜひチェックしてみて。
【フラワーサイクリスト・河島春佳】廃棄されてしまうお花を使った小物づくり
ロスフラワーとは、廃棄予定のお花のこと。自然の美しさを愛でる気持ちで暮らしにお花を取り入れてみるのが、ロスを減らす近道に。フラワーサイクリスト河島春佳さんが教える、お花を使ったインテリア小物づくりのアイデアをご紹介。見切り品コーナーのお花を購入したり、お部屋に飾ってある生花をより長く楽しむために工夫するのも、地球にやさしい心がけ。簡単にできる手軽なスワッグづくりも、動画で紹介しているのでぜひチェックしてみて。
【ピープルツリー・大島一恵】選ぶことで意思表示できるエシカルアイテム6選
人にやさしく、環境にも配慮した持続可能なものづくりを30年にわたり実践しているピープルツリー。今回は「ピープルツリー自由が丘店」店長・大島一恵さんに、選ぶことで地球や社会に配慮できるサステナブルなアイテム6選を教えてもらいました。新しい服や日常着を買うときに、どうやって作られたか、どういう原料で作られたかなど、背景を気にしてみるのもひとつ。人と環境にやさしい配慮がされた服や日常着を選ぶことで意思表示しよう。
【style table・橋岡友季】心まで豊かにしてくれるエシカルアイテム6選
日々使うキッチングッズやケア商品も、1回使って終わりではなく、エシカル消費として続けることが大切に。「エシカル・サスティナブル・ヴィーガン」をキーワードに、幅広く商品を扱う「style table 新宿ミロードモザイク通り店」店長の橋岡友季さんに心まで豊かにしてくれるおすすめのサステナブルアイテムを6点紹介してもらいました。使っていて心地よく体や地球にやさしく、さらにデザインも素敵なアイテムを、日々の暮らしに取り入れてみて。
エシカルな企業の取り組み、商品
青森県の廃棄される野菜をリユースして作られた「おやさいクレヨン」
和歌山県・熊野川流域の間伐材を有効活用。生育のために伐られた木から抽出したエッセンシャルオイル
廃棄・パラグライダーから生まれた、カラフルで丈夫なバッグ「HOZUBAG」!SDGs未来都市・亀岡で誕生
かまぼこ板製造の技術力を生かした新発想!大分県の日田杉を使った繰り返し使えるストロー
脱プラスチックと森林保全に貢献できる竹のストロー。島根県安来市で誕生
良質な木灰を作るときに出る灰汁を無駄なく活用。京都に伝わる温故知新なエコ洗剤
エシカル協会事務局次長・堀田三佳さんが解説!エシカルのQ&A
最近よく耳にするエシカルという言葉。でも、「どういう意味?」「エシカルとエコ、サステナブルの違いは?」「エシカル消費ですぐにできることを教えて!」など、わからないことや知りたいことがまだまだいっぱい。そこでエシカル協会事務局次長・堀田三佳さんがみんなの疑問に分かりやすくお答えします。
エシカルとエコ、サステナブルの違いは?
エコはもともと生態学という意味があり、環境にいいもののこと。エシカルは環境だけではなく、人や地域や社会にも配慮されるという視点が加わります。サステナブルは持続可能なという意味の形容詞。エシカル消費では、資源を枯渇させずに循環できるか、労働搾取などがなく持続的な関係を結べているかなど、環境や人にサステナブルであるかどうかの視点が大切。
エシカル消費ですぐにできることを教えて!
毎日の買い物でエシカルな商品を選ぶことはもちろんですが、お金がなくても誰でもできるのは、声をあげること! もし自分がよく行くお店にエシカルな商品がなければそれをお店に伝える、企業に声を届ければ、社会を変える一歩につながります。モノの過去(誰がどのように作っているか)、現在(大切に使っているか)、未来(捨てずに済むか)を考えて、家の中にすでにあるモノの背景に思いを巡らせることから始めてみて。
取材協力・監修/一般社団法人エシカル協会 事務局次長・堀田三佳さん
一般社団法人エシカル協会 事務局次長、エシカル・コンシェルジュ。サステナブルかつ倫理観に沿った製品作りを続けている、英国老舗オーガニックコスメブランドにて約10年。東日本統括責任者を経て、その後、日本全国にスープ事業などを手がけ、食品ロスなど環境への取り組みを積極的に行うベンチャー企業の教育部門にて、人材育成事業に従事。そのかたわら、気候変動、国際認証とサステナブル・ラベル、アニマルウェルフェア、エシカル金融など多岐にわたるテーマを学び、エシカル・コンシェルジュを取得。その後、エシカル協会の講座企画運営に携わり、同協会事務局次長として現在に至る。また、講演活動を通して多くの方へのエシカル普及啓発に務める。米国 アルゴア元副大統領による気候変動対策プロジェクト「クライメート・リアリティ・プロジェクト」修了。クライメート・リアリティ・リーダーを取得。2019年消費者庁主催 エシカル・ラボ ワークショップ講師、教育機関(中学、高校、大学等)自治体へエシカル消費講演など。
こちらもチェック!オズモールとはじめるSDGsアクション「#サステナブルチャレンジ」
SDGsと言われても「それって何なの?何から始めればよいの?」と、難しく考えてしまう人も多いはず。でも実は、毎日の暮らしのなかにヒントがたくさんあるんです。食材をムダなく活用するのも、エコバックを持ち歩くのも、サステナブルなSDGsアクションのひとつ。そこでオズモールでは、楽しみながら始められる「#サステナブルチャレンジ」をガイドしていきます。ぜひ参考にして、できることから始めてみて。
WRITTING/AYAKO SASAKI