20~30代でも要注意!?プレ更年期の原因とセルフケア方法
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20~30代でも要注意!?プレ更年期の原因とセルフケア方法

更新日:2020/09/03

イライラする、感情がうまくコントロールできない、頭痛や肩こりがつらい・・・。多くの女性が抱えているこうした悩み、もしかしたらプレ更年期のサインかも。漢方に詳しいカガエ カンポウ ブティック漢方カウンセラーの成田かおるさんに、プレ更年期のセルフチェックとケアの方法を教えてもらった。

プレ更年期とは、脳と子宮の連携がうまく行かずに起こる症状
2020年2月 オズモール調べ 1041人

プレ更年期とは、脳と子宮の連携がうまく行かずに起こる症状

そもそも更年期症状とは、閉経前後(平均的には45~55歳)に訪れる、女性ホルモン分泌の低下にともなう不調のこと。通常女性ホルモンは、分泌の指令を出す脳と、その指令を受けて女性ホルモンを分泌する子宮がスムーズに連携することで正常に分泌される。

ところが更年期になると子宮の働きが弱まるため、脳が指令を出しても子宮から十分な女性ホルモン量が分泌されなくなる。すると、脳が「もっとホルモンを分泌して!」と子宮にどんどん指令を出すようになり、興奮状態に。この状態が続くとホルモンバランスや自律神経のバランスが乱れ、ほてりやのぼせ、めまい、不眠といった更年期症状を引き起こすのだそう。

こう聞くと、20代や30代のうちは更年期症状とは関係ないようにも思えるけれど、実は更年期に似た症状は若いうちから起こることも多いのだとか。オズモールのアンケートでも、「もしかしてプレ更年期かも」と感じたことがある人にその時期を聞いたところ、35~39歳が29.2%、35歳未満が12.8%と、20~30代で更年期症状に似た不調を感じる人も少なくなかった。

「20~30代の女性の場合、子宮の働きは低下していないものの、夜ふかしやストレスなどによって脳が興奮している人が多くいます。漢方ではこの状態を『気(エネルギー)が上がる』といい、これにより更年期と同様、脳と子宮の連携がうまくいかなくなるケースも見られます」(成田さん)

この「気が上がる」ために起こる症状が、プレ更年期症状に当たると考えられるみたい。

あなたはプレ更年期?セルフチェックをしてみよう

あなたはプレ更年期?セルフチェックをしてみよう

気が上がると具体的にどんな症状が現れるのか、気になるところ。さっそく次の項目に当てはまるかどうか、チェックしてみて。

□すぐに怒ってしまう、またはため息がよく出る
□頭痛やめまいが起こる
□月経前に胸や脇が張る
□月経前や月経中にお腹が張るように痛む
□月経血にかたまりが混じる
□上半身はのぼせやほてりを感じ、下半身や末端は冷える

これらはいずれも、気が上がっていると起こりやすい症状。チェックが多いほどプレ更年期の不調が現れやすい状態だと考えて。

「気が上がると熱が頭部にたまり、カッとして怒りが抑えられなくなる、いつもイライラする、情緒不安定などの症状を引き起こします。また、気が上がると血行不良も起こりやすく、子宮に栄養が行き渡らず働きが低下してしまい、つらい更年期症状を招く可能性もあります。更年期症状を予防する意味でも、早い段階から気や血(けつ≒血液)のバランスを整えておくことが大切です」(成田さん)

就寝時間と食生活の見直しで、プレ更年期症状を緩和して

就寝時間と食生活の見直しで、プレ更年期症状を緩和して

プレ更年期の症状が気になる人は、まずは就寝時間を見直してみて。遅くとも24時までに、できれば23時までに就寝するのが理想的。

「東洋医学では23時~午前3時は睡眠のゴールデンタイムとされています。この時間に熟睡できれば上がった気を静めることができますが、反対に起きていると、気が静まらずに興奮しつづけることになり、症状を悪化させることにも。この時間帯に熟睡することは、プレ更年期や更年期対策の鉄則と考えてください。日中に深く息を吐く、目をつぶってゆっくり呼吸する、体を大きく伸ばすなどの方法でも、気を静めることができます」(成田さん)

そして、頭部に上がった熱を冷まし、気を静めるホウレン草やセロリ、ミントなどの食材も積極的に取り入れて。ニンジン、ピーナッツ、レーズン、クコの実、イカなどは血を補い、ホルモンバランスを整えるのにおすすめ。さらに、気の巡りをよくすることに効果的な香味野菜や柑橘類などもあわせて取ろう。

「若いうちから子宮のケアをすることも大切です。腰回りを冷やさないように温め、マッサージをしたり、子宮のケアにつながる黒米、黒豆、黒ゴマ、栗、クルミなどを日常的に取るようにしましょう」(成田さん)

脳と子宮のケアを意識して、プレ更年期症状を和らげよう。

教えてくれた人

成田かおるさん

漢方ビューティブランド「カガエ カンポウ ブティック日本橋髙島屋S.C.店」店長、漢方カウンセラー。同店にて、漢方薬からハーブティ、スキンケア、アロマまで、からだの内外からのトータルビューティケアを提案している。店舗は東京(上野・日本橋)、仙台、名古屋、京都で展開し、商品は銀座ロフトでも取り扱い中。

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WRITING/TOMOKO OTSUBO

※記事は2020年9月3日(木)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります