雨の日の頭痛、ストレスによる頭痛・・・タイプ別に食事や漢方でケア
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雨の日の頭痛、ストレスによる頭痛・・・タイプ別に食事や漢方でケア

更新日:2020/09/03

頭痛にはいろいろなタイプがあることが知られているけれど、東洋医学の場合、大きく4つのタイプに分けられる。そのタイプ別に、食事による予防法と漢方薬による痛みの対処法を薬剤師で国際中医師の山口りりこさんに教えてもらおう。

雨の日に起こる頭痛は、豆を食べて予防しよう

雨の日に起こる頭痛は、豆を食べて予防しよう

天気が悪い日に頭痛になる場合、気圧が下がるために頭部の水分のめぐりが悪くなることが原因。水分は重みがあるため、重だるいような痛みを感じるほか、めまいや気分が悪くなることををともなう場合も。このタイプは、胃腸が弱いために体内の水分のめぐりが悪くなりがちなのだとか。
「胃腸を冷やさないように普段から温かいものを取ること、頭痛の兆候が表れたときは胃腸に負担をかけないよう食べ過ぎないことなどを意識しましょう」(山口さん)
食事で予防するなら、豆類を積極的に食べて。枝豆、黒豆、グリーンピースなどを煮物やスープ、豆ごはんなどで取ると、胃腸を整えて水分のめぐりをよくする効果が期待できるのだそう。そのほか、ハト麦茶やコーン茶などを日常的にホットで飲むのも効果的。
漢方薬で対処する場合は、「半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)」を選んで。頭部にたまっている水分を下方に流して、頭痛やめまいなどの改善に役立つ。

過労気味や虚弱体質の人は、エネルギー不足で頭痛に

過労気味や虚弱体質の人は、エネルギー不足で頭痛に

疲れたときに頭痛が起こる人は、エネルギー不足で頭部にエネルギーが行き渡らず、頭が働かなくなるのが原因。シクシク、ジワジワと痛む傾向がある。このタイプは、過労などで疲れ切っているか、もともと虚弱体質かのどちらかであることが多いそう。
「主食をごはんにすると疲れにくくなります。パンには脂質なども含まれているため胃腸に負担をかけますが、それに比べてごはんは速やかにエネルギーになりやすく、このタイプにおすすめです。特に疲れているときは、もち米や黒米を少し混ぜて炊くといいでしょう」(山口さん)
また、ヤマイモ、キノコ、栗、鶏肉、牛肉などの食材も取り入れて。滋養強壮の効果が高く、エネルギー不足を補えるはず。
漢方薬を選ぶなら、「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」を。疲れているときのエネルギー補給に使われる代表的な漢方薬で、頭部にエネルギーを持ち上げて頭痛を緩和してくれる。

イライラ、カッカしているときの頭痛には大根おろしを

イライラ、カッカしているときの頭痛には大根おろしを

熱っぽさをともなう頭痛は、ストレスが原因の可能性が。ストレスでイライラ、カッカしていると、その熱が頭部にたまり、片頭痛のようなズキズキとした痛みが生じてしまう。
「熱は上昇する性質があるため、体内の熱は頭部にたまりやすくなります。そのため頭痛以外にも、目の充血、口の渇き、顔が赤らむといった症状をともなう場合も」(山口さん)
この場合、痛みの原因である熱を取り除くことが予防のポイント。体内の不要な熱を取るミントティーや緑茶を、日頃から飲むことがおすすめ。
また、大根も熱を取る作用があるので、積極的に取りたいところ。煮込みなどの大根料理に限らず、大根おろしにすると、肉料理や魚料理などさまざまな料理に添えて手軽に食べることができる。
漢方薬のおすすめは「釣藤散(ちょうとうさん)」。頭部の熱を取る作用があり、忙しくて緊張が取れない人や、心身が張りつめていると感じている人の頭痛を緩和してくれる。

冷えたときのこわばる頭痛はショウガ、ネギ、シソでケア

冷えたときのこわばる頭痛はショウガ、ネギ、シソでケア

風邪をひきかけたときに起こる、こわばりをともなう頭痛は、冷えが原因。冷えると血管や筋肉などがギュッと縮こまり、その縮む力で痛みが発生する。この頭痛は一時的なものなので、体が冷えたときに頭痛が起こりそうな予兆を感じたら、首元を温めると予防につながる。
食事で予防をするなら、ショウガ、ネギ、シソなどの体を温める食材をたっぷり食べて。味噌汁やスープに足したり、温かいうどんに添えたり、納豆に加えたりすると取りやすい。
漢方薬なら、「葛根湯(かっこんとう)」を選ぼう。体を一気に温める効果があるので、寒さによる体のこわばりを取って頭痛をやわらげるのに役立つ。

このように痛み方や状況の違いに合わせて食材や漢方薬を使い分ければ、頭痛の予防や改善につながるはず。

教えてくれた人

山口りりこさん

薬剤師、国際中医師、国際薬膳師。銀座の薬膳レストラン「kampo’s」プロデューサー。星薬科大学にて薬剤師免許を取得し、遼寧中医薬大学にて国際中医師、国際薬膳師を取得。漢方薬局勤務をへて、現在は薬膳レストランの監修をメインに商品開発やエステのメニュー監修などに携わっている。監修する手帳『月・薬膳・ヨガでどんどんきれいになる! 月美容手帳2019』(エイアンドエフ)がロフト銀座店ほか全国書店で発売。

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WRITING/TOMOKO OTSUBO

※記事は2020年9月3日(木)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります