20世紀美術に大きな影響を与えながら早世したアーティスト、ジャン=ミシェル・バスキア。世界各地から集めた作品を紹介する、日本初の本格的な展覧会「バスキア展 メイド・イン・ジャパン Jean-Michel Basquiat : Made in Japan」が、森アーツセンターギャラリー (六本木ヒルズ森タワー52階)で開催。バスキアと日本の絆や、日本文化が彼に与えた影響なども明らかに。1980年代のアートシーンを彩ったバスキアの魅力を堪能して。
日本オリジナルで日本初の大規模展
1980年代のアートシーンに彗星のごとく現れたアーティスト、ジャン=ミシェル・バスキアは、わずか10年の活動期間に、3000点を超すドローイングと1000点以上の絵画作品を残した。
その作品は、20世紀のモダニズム芸術の流れを踏まえ、ジャズやヒップ・ホップ、アフリカの民族や人種問題などのテーマを扱っている。
27歳の若さで亡くなったけれど、没後もますます名声が上昇し、今でもアートやファッション、カルチャーなどに大きな影響を与えているバスキアは、近年も欧米の有名な美術館での展覧会が相次ぐ。
2019年11月17日(日)まで開催される今回の展覧会は、日本オリジナルで、日本初の本格的な大規模展。世界各地から集められた約130点が六本木に集結する。作品は絵画やオブジェ、ドローイングや映像作品など多彩で、中には世界中のバスキアファンもうらやむような初公開のプライベートコレクションも含まれているとか。
80年代の日本に影響を受けた作品からバブルの熱気を感じて
バスキアが活躍していた1980年代は、日本で言えばバブル景気の時代。「Yen」のように当時の日本の世相を反映したモチーフや、ひらがなを取り入れた作品なども制作している。
バスキアはたびたび来日し、6回の個展や10のグループ展も開催。展覧会では、バスキア研究の世界的な権威であるディーター・ブッフハート氏が、バスキアと日本とのさまざまな絆を紹介するとともに、日本の豊かな歴史や文化がバスキアの創作に与えた知られざる影響を明らかにする。
展覧会のテーマ「メイド・イン・ジャパン」は、当時のバスキアが見たニッポンでもある。作品からは、1980年代の日本が持っていた熱気や好景気に沸く雰囲気などが、バスキア自身の強烈なエネルギーと共鳴していたことが感じ取れるかもしれない。
時代を駆け抜けたバスキア作品の魅力を、“80年代の日本”という視点から見直してみるのも面白そう。今回は音声ガイドが来場者全員無料になるほか、一度来場すると二度目の鑑賞が無料(会期中、平日の17時以降、詳細は公式サイト参照)になる特典もあるので、この機会にバスキアの世界にふれてみよう。
イベントDATA
- イベント名
- バスキア展 メイド・イン・ジャパン Jean-Michel Basquiat : Made in Japan
- 開催場所
- 森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)
- 会期
- 2019/9/21(土)~ 11/17(日)
- 開館時間
- 10:00~20:00
※10/21(月)は17:00閉館
※入場は閉館の30分前
- チケット
- 一般2100円、高校・大学生1600円、小・中学生1100円
※来場者全員に音声ガイドを無料貸出
- チラシ画像クレジット
- ジャン=ミシェル・バスキア Untitled, 1982 oilstick, acrylic, spray paint on canvas 183.2 x 173 cm Yusaku Maezawa Collection, Chiba
Artwork (C) Estate of Jean-Michel Basquiat. Licensed by Artestar, New York
- ※ページ内画像の無断転載禁止
- ホームページ
- バスキア展 メイド・イン・ジャパン 公式サイト
会場DATA
- スポット名
- 森アーツセンターギャラリー
- 住所
- 東京都港区六本木6-10-1 Map
- 営業時間
- 展覧会に準じる
- 交通アクセス
- 東京メトロ日比谷線「六本木駅」1C出口より徒歩3分(コンコースにて直結)、大江戸線「六本木駅」3出口より徒歩6分、都営地下鉄大江戸線「麻布十駅」7出口より徒歩9分
南北線「麻布十番」駅4出口より徒歩12分、千代田線「乃木坂」駅5出口より徒歩10分
- ホームページ
- 森アーツセンターギャラリー 公式ホームページ
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WRITING/ YOSHIDA (はちどり)