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みんな大好き!渋谷Bunkamura ザ・ミュージアムで「みんなのミュシャ ミュシャからマンガへ――線の魔術」

更新日:2019/06/03

アール・ヌーヴォーを代表する芸術家アルフォンス・ミュシャ(1860-1939)。没後80年となる今でも、その繊細で華やかな作品は世界の人々を魅了し続けている。2019年7月13日(土)から9月29日(日)まで渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで開催される「みんなのミュシャ ミュシャからマンガへ――線の魔術」では、ミュシャの作品と彼に影響を受けたアーティストの作品を共に展示。時代を超えて愛される画家の秘密に迫る。

みんなのミュシャ@Bunkamura ヒヤシンス・ツタ
左/アルフォンス・ミュシャ《ヒヤシンス姫》 1911年 カラーリトグラフ ミュシャ財団蔵(C)Mucha Trust 2019 右/アルフォンス・ミュシャ《ツタ》 1901年 カラーリトグラフ ミュシャ財団蔵(C)Mucha Trust 2019

ミュシャ作品と影響を受けたアーティスト作品が約250点

19世紀後半から20世紀初頭に花開いた装飾性の高いアール・ヌーヴォーの美術のなかで、「線の魔術」ともいえる華麗なミュシャの作品は今も愛され続け、「ミュシャ様式」と呼ばれるスタイルはその後も大きな影響力を持つ。

会場では、ミュシャが手がけたデザインやポスターなどの作品はもちろん、幼少期の貴重な作品や所蔵していた工芸品などを、プラハにあるミュシャ財団の監修によって展示。さらに、彼の作品に影響を受けた日本の明治時代の文芸誌、1960年代を中心にアメリカやロンドンで大きなムーブメントとなったグラフィック・アート、日本のマンガ家やアーティストの作品など約250点によって、ミュシャ様式の流れをたどる。

これまでミュシャの展覧会は何度も開催されたけれど、影響を受けた後世のアート作品と一緒に展示されるのは新しい試み。あらためて、ミュシャの影響力の大きさを再確認できそう。

みんなのミュシャ@Bunkamura 日本趣味
左/作者不詳《花鳥七宝花瓶》 19世紀後半 金属素地にエナメルで絵付け (C)Mucha Trust 2019 右/アルフォンス・ミュシャ《風刺雑誌のためのページレイアウト》 1880年代 インク・紙 ミュシャ財団蔵 (C)Mucha Trust 2019

日本が大好きだった!?ジャポニスムに影響を受けた所蔵品も

ミュシャが20代の頃に描いた貴重なイラストや、本人がコレクションしていた工芸品や蔵書なども数多く展示される。なかでも注目なのは、日本風の七宝焼きの壺や、19世紀後半からヨーロッパで流行したジャポニスム(日本趣味)の工芸品。

ミュシャの孫で現在ミュシャ財団の理事長であるジョン・ミュシャ氏によれば、ミュシャはジャポニスムから大きな影響を受けていて、縦長の作品の形状は日本美術の影響なのだとか。

また、初期の頃に描いていたカリカチュア(風刺画)には、葛飾北斎の《北斎漫画》などの影響も見られるという。ミュシャも日本が大好きだったことを知ると、ちょっと親近感も湧いてくる。

みんなのミュシャ@Bunkamura ロック
左/スタンレー・マウス&アルトン・ケリー《ジム・クウェスキン・ジャグ・バンド コンサート(1966年10月7-8日 アヴァロン・ボール ルーム)》 1966年頃 オフセット・リトグラフ Artwork by Stanley Mouse and Alton Kelly. (C)1966, 1984, 1994. Rhino Entertainment Company. Used with permission. All rights reserved. www.familydog.com 右/アルフォンス・ミュシャ《ジョブ》 1896年 カラーリトグラフ ミュシャ財団蔵(C)Mucha Trust 2019

ロックのアート・ワークやアメリカン・コミックにも影響が

会場の一角には、1960~70年代にアメリカやイギリスで発売されたレコード・ジャケットやロックコンサートのポスターが並ぶ。この時代を代表するグラフィック・アーティストのひとり、スタンレー・マウスは、ミュシャの影響が顕著な自身の作品を「お気に入りの一つ」だという。

当時は、古い価値観に対するカウンター・カルチャーとして、初めて若者文化が花開いた時代。そのなかで、新しい音楽として若者の支持を集めたロックは、そのアート・ワークのなかにミュシャ風の作品が多い。

さらに1985年以降に出現した「モダン・エイジ」世代のアメリカン・コミックにも、ミュシャのポスター・デザインの影響が見てとれる。新しい文化の担い手たちにも、ミュシャの作品は新鮮な魅力を持って受け入れられてきたみたい。

みんなのミュシャ@Bunkamura マンガ
左/天野喜孝《ファイナルファンタジーXIV 嵐神と冒険者》 2010年 アクリル・紙 FINAL FANTASY XIV / (C)SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. / IMAGE ILLUSTRATION:(C)YOSHITAKA AMANO 右/山岸凉子《真夏の夜の夢》「アラベスク」(『花とゆめ』1975年4月9号付録ポスター用イラスト)1975年 カラーインク・紙(C)山岸凉子

明治から現在まで!ミュシャの影響を受けた文芸誌やマンガ

今回の展覧会では、ミュシャの作品に並んで「目玉」となるのが、ミュシャに影響を受けた日本の文芸誌やマンガなどの作品群。例えば、明治34年(1901年)に出版された歌人・与謝野晶子の歌集『みだれ髪』の表紙デザインには、ミュシャが描いたポスターの影響が見られる。この時点で、すでにミュシャの作品は日本に影響を与えていた、というわけ。

さらに、1970年代の少女マンガでは、多くのマンガ家たちがミュシャの系譜に連なる表現を行うように。マンガ家の山岸凉子氏は「少女マンガには、日本のデザイン黎明期にミュシャが与えた影響が色濃く出ていると思う」と語る。

また、日本を代表するグラフィック・アーティストの天野喜孝氏は、ミュシャの描いたファンタジーの世界に触発されて、想像力豊かな作品を生み出しているという。こうした作品群と、ミュシャ作品との共通点を探しながら、新しい発見を楽しんで。

みんなのミュシャ@Bunkamura ペコちゃん
みんなのミュシャ 限定オリジナル缶「ペコちゃんサクサクサブレ(5枚入)」1296円 ※賞味期限:製造日から180日

“みんなに愛される”つながりのオリジナルコラボグッズも

ミュージアムショップでは、展覧会限定のコラボグッズも揃う。長く愛され続ける不二家のペコちゃんとコラボした『みんなのミュシャ』限定オリジナル缶「ペコちゃんサクサクサブレ(5枚入)」(1296円)は、まさに“みんなの”と題した展覧会にふさわしいスペシャルグッズ。軽やかな食感と豊かな風味のサブレが入った缶には、ミュシャ作品にちなんだ優美な姿のペコちゃんが登場。いつものキュートな表情も、どこか夢見る乙女のよう。

このほかに、手土産の定番「黒船」とコラボして、ざらめ糖のザクザクした食感が楽しめるカステラ「ZARALLA(ザラーラ)」が、『みんなのミュシャ』限定BOX「ZARALLA(3個入)」(1404円)として販売。ミュシャの《椿姫》が描かれた、優雅なデザインは、お土産にしても喜ばれそう。

みんなに愛され続けてきたミュシャの作品を堪能したら、愛され続けるコラボグッズも味わおう。

みんなのミュシャ@Bunkamura ポスター画像

イベントDATA

イベント名
みんなのミュシャ ミュシャからマンガへ――線の魔術
開催場所
Bunkamura ザ・ミュージアム
会期
2019/7/13(土)~9/29(日)
開館時間
10:00~18:00(入館は17:30まで)
毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)
休館日
2019/7/16(火)、7/30(火)、9/10(火)
電話番号
03-5777-8600(ハローダイヤル)全日8:00〜22:00
チケット
一般 1600円(1400円)、大学・高校生1000円(800円)、中学・小学生700円(500円)

<スペシャルチケット>グッズ付チケット
「トートバッグ付チケット」3000円、「ドリンクボトル付チケット」3000円
※なくなり次第、販売終了
ホームページ
みんなのミュシャ ミュシャからマンガへ―線の魔術 特設サイト
Bunkamura ザ・ミュージアム 外観

DATA

スポット名
Bunkamura ザ・ミュージアム
電話番号
0334779111 0334779111 代表
住所
東京都渋谷区道玄坂2-24-1 Map
交通アクセス
JR「渋谷駅」ハチ公口より徒歩7分、東京メトロ銀座線・京王井の頭線「渋谷駅」より徒歩7分、東急東横線・田園都市線、東京メトロ半蔵門線・副都心線「渋谷駅」3a出口より徒歩5分
ホームページ
Bunkamura ザ・ミュージアム 公式ホームページ

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NAOKO YOSHIDA (はちどり)

※記事は2019年6月3日(月)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります