印象派への旅 海運王の夢@Bunkamura《トゥルーヴィルの海岸の皇后ウジェニー》  PC
美術展ニュース

海運王の貴重なコレクションが初来日!渋谷で「印象派への旅 海運王の夢 バレル・コレクション」

更新日:2019/04/08

19世紀から20世紀にかけて活躍した海運王バレル。彼が収集した世界屈指のコレクションが揃う展覧会「印象派への旅 海運王の夢 バレル・コレクション」が、2019年4月27日(土)から6月30日(日)まで渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで開催される。出品作80点のうち76点が日本初公開で、これは本国のバレル・コレクションが閉館中だからこそ実現したもの。名画たちが奇跡の初来日を果たす貴重な機会を、お見逃しなく。

ウジェーヌ・ブーダン《トゥルーヴィルの海岸の皇后ウジェニー》1863年、油彩・板(C)CSG CIC Glasgow Museums Collection

印象派への旅 海運王の夢@Bunkamura ウィリアム・バレル卿+《アレクサンダー・リードの肖像》
左/ウィリアム・バレル卿(45歳頃)(C)CSG CIC Glasgow Museums Collection 右/フィンセント・ファン・ゴッホ《アレクサンダー・リードの肖像》1887年、油彩・板、ケルヴィングローヴ美術博物館蔵(C) CSG CIC Glasgow Museums Collection

英国外に貸し出さなかった名作が鑑賞できる貴重なチャンス

展覧会は、19世紀から20世紀にかけてイギリスで海運王として大成功を収めたウィリアム・バレルのコレクションが元になっている。美術に関心を持っていたバレルは、1890年代から1920年代にかけて同郷・グラスゴー出身の画商アレクサンダー・リードから古今東西の美術工芸品を購入していたそう。リードはゴッホの弟で画商のテオ・ファン・ゴッホとの親交も深く、バレルも厚い信頼を寄せていた人物とか。

1944年に、バレルはコレクションのうち数千点をグラスゴー市に寄贈。その時に、郊外で展示することや英国外に貸し出さないなどの条件を提示したため、市では郊外のポロック公園内で「バレル・コレクション」を一般公開していたけれど、同館は2015年から2020年まで改修工事のために閉館。そこで国外への貸し出しが可能になり、展覧会が実現したというわけ。

印象派への旅 海運王の夢@Bunkamura 《シャンパングラスのバラ》+《春の花》
左/エドゥアール・マネ《シャンパングラスのバラ》1882年、油彩・カンヴァス(C)CSG CIC Glasgow Museums Collection 右/アンリ・ファンタン=ラトゥール《春の花》1878年、油彩・カンヴァス(C)CSG CIC Glasgow Museums Collection

写実主義から印象派へ。近代美術史の流れをたどる3部構成

今回はバレルが集めた良質のフランス絵画を中心に、スコットランドやオランダ人画家の作品をあわせた絵画73点と、グラスゴー市のケルヴィングローヴ美術博物館からルノワールやゴッホの絵画7点を展示する。

会場は、「第一章 身の回りの情景」「第二章 戸外に目を向けて」「第三章 川から港、そして外洋へ」の3パートで、写実主義から印象派への流れをたどる構成に。

「第一章 身の回りの情景」では、人物や果物、花など、部屋の中の静物や親密な情景の描かれた作品群を集める。スコットランドとイングランドの国境に近い自宅のハットン城でも、自身のコレクションに囲まれて暮らしたというバレル。こうした作品の温もりを楽しんでいたのかもしれない。

印象派への旅 海運王の夢@Bunkamura 《リハーサル》
エドガー・ドガ《リハーサル》1874年頃、油彩・カンヴァス(C)CSG CIC Glasgow Museums Collection

日本初公開!門外不出だったエドガー・ドガの初期の傑作も

「第二章 戸外に目を向けて」は、家の外や街の中、郊外へと戸外にモチーフを求めた作品を展示。景色を描いたものだけでなく、人々の生活や仕事の様子、動物を描いたものなどを揃える。

この章での見どころのひとつは、エドガー・ドガの知られざる傑作《リハーサル》。繊細かつ大胆な構図と色彩が美しい作品で、バレエを題材にした初期のもの。2016年にオーストラリアで開催されたドガの大回顧展の図録では表紙を飾ったというけれど、この時は世界の70以上の美術館から出品されたそうで、まさに世界が認める代表作のひとつ。

今回の展覧会で初来日を果たす名作を、しっかり鑑賞しておきたい。

印象派への旅 海運王の夢@Bunkamura《ドーヴィル、波止場》+《月明かりの入り江》
左/ウジェーヌ・ブーダン《ドーヴィル、波止場》1891年、油彩・板(C) CSG CIC Glasgow Museums Collection  右/アンリ・ル・シダネル《月明かりの入り江》1928年、油彩・カンヴァス(C) CSG CIC Glasgow Museums Collection

印象派への流れ。海運王ならではの視線で選んだ水辺の風景

最後の「第三章 川から港、そして外洋へ」は、港や海に人一倍強い想いを抱いていたはずの海運王・バレルが選んだ、水辺の景観たち。

バレルの出身地・グラスゴーのあるスコットランドは、イングランドではなく、フランスと歴史的な結びつきが強く、文化的に見てもフランス美術の影響を受けた画家が活躍していたのだとか。コレクションのなかにも、フランスの有名なリゾート地・ドーヴィルやトゥルーヴィルなど、美しい海辺の風景を描いたものが見られる。

イギリスの海運王・バレルが集めた、世界屈指の近代絵画コレクション。印象派への流れをリアルタイムで感じながら、これらの芸術作品に彼はどんな夢を託していたのだろうか。

印象派への旅 海運王の夢@Bunkamura グッズ(仮)
左/メルローズ紅茶 上:「アールグレイ」1944円、下左:「セイロンオレンジペコ」1620円、下右:「クイーンズダージリン」2376円 右/「一筆箋」32枚セット・864円

イギリスらしい紅茶などオリジナルグッズ選びも楽しんで

また、会場内の特設グッズショップでは、さまざまな展覧会オリジナルグッズも揃う。例えば、イギリスと言えば「紅茶」ということで、「メルローズ」で大人気の3種類のフレーバーとコラボした「アールグレイ」(1944円)、「セイロンオレンジペコ」(1620円)、「クイーンズダージリン」(2376円)も登場。それぞれに美しい作品のラベルをまとっている。

定番の「ポストカード」(25柄・各130円)やインテリアのアクセントにもなる「A4額絵」(6柄・各432円)なども充実。バリエーション豊かな16作品の図柄を使った「一筆箋」(32枚セット・864円)は、チケットファイルも付いておトクなので、自分用はもちろんお土産としても喜ばれそう。

このほか、ドガの作品にちなんだバレリーナがモチーフの「ガーゼハンカチ」(756円)や「トートバッグ」(1944円)などもあるから、作品鑑賞とともにスーベニア選びも楽しんで。

印象派への旅 海運王の夢―バレル・コレクション― ポスター画像

イベントDATA

イベント名
印象派への旅 海運王の夢 バレル・コレクション
開催場所
Bunkamura ザ・ミュージアム
会期
2019/4/27(土)~6/30(日)
開館時間
10:00~18:00(入館は17:30まで)
毎週金・土曜は21:00まで(入館は20:30まで)
休館日
2019/5/7(火)、5/21(火)、6/4(火)
入館料(前売)
一般1500円(1300円)、大学・高校生1000円(800円)、中学・小学生700円(500円)
ホームページ
印象派への旅 海運王の夢 バレル・コレクション 特設サイト
Bunkamura ザ・ミュージアム 外観

DATA

スポット名
Bunkamura ザ・ミュージアム
電話番号
0357778600 0357778600 ハローダイヤル(8:00~22:00)
住所
東京都渋谷区道玄坂2-24-1 Map
交通アクセス
JR「渋谷駅」ハチ公口より徒歩7分、東京メトロ銀座線・京王井の頭線「渋谷駅」より徒歩7分、東急東横線・田園都市線、東京メトロ半蔵門線・副都心線「渋谷駅」3a出口より徒歩5分
ホームページ
Bunkamura ザ・ミュージアム

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※記事は2019年4月8日(月)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります