大哺乳類展2 @国立科学博物館 哺乳類大行進  PC
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剥製や骨格標本500点以上の迫力!上野の国立科学博物館で特別展「大哺乳類展2ーみんなの生き残り作戦」

更新日:2019/02/11

上野の国立科学博物館では、2010年に大好評を博した大哺乳類展を9年ぶりに開催。今回は、特別展「大哺乳類展2ーみんなの生き残り作戦」と題して、哺乳類が生き残るために獲得したさまざまな能力を、最新の解析映像なども交えながら、剥製や骨格標本500点以上という圧倒的なボリュームで展示する。彼らの生き残り作戦をじっくり観察すれば、同じ哺乳類の仲間として、何か面白いヒントがもらえるかも?

大哺乳類展2 @国立科学博物館 チーター
チーター(剥製)

走ったり、泳いだり。多様で自由な移動運動の仕組みに迫る

2019年3月21日(木・祝)から6月16日(日)まで開催される特別展のなかでは、哺乳類の特徴であるロコモーション(移動運動)の能力を軸に、「食べる」「産む・育てる」際の作戦をそれぞれに見ていく。

多彩な環境に適応して移動運動の能力を発達させてきた哺乳類だけど、例えば「走る」能力で、陸上最速のチーターは最高速度が時速100kmにもなるという。走行中の骨格変化の再現展示では、そんなチーターのすばらしいスプリンターぶりも確認できる。

さらに「泳ぐ」能力では、尾ビレを左右に動かして進む魚と違い、クジラやラッコなどが体の軸と尾ビレの上下運動で推進力を作るという違いについても展示。同じ脊椎動物の魚類や爬虫類とは違う、多様で自由な動きの仕組みに迫る。

大哺乳類展2 @国立科学博物館 シャチ
シャチ(頭骨)

草食も肉食も。食べやすさ優先で進化した歯やあごを展示

哺乳類の歯やあごは、草、肉、昆虫、魚など、それぞれの食べる物に適した形で進化してきたことが、骨格標本を見比べるとよく分かる。

草食動物の歯は食べ物をすり潰しやすい臼(ウス)のような形のものが多く、肉食動物は肉を引き裂きやすいよう先がとがっている。写真はシャチの頭骨で、こちらは獲物を捕らえる口の動きをパクパク動いて再現。ずらりと並んだ鋭い歯を見れば、さすがに「肉食」という感じがする。

会場では、歯の数や形がよく見えるよう上あごと下あごに分けた状態で、ネズミからクジラまで200点近い頭骨が並ぶ。

また、歯の代わりに「ヒゲ板」という特殊な器官で、海水と一緒に小さな生き物を大量に取り込んで濾して食べるヒゲクジラのユニークな食事シーンも映像で紹介する。

大哺乳類展2 @国立科学博物館 イッカク
イッカク(頭骨)

ユニークな姿が求愛や競争に有利?オスのアピール作戦

生き残りという点では、自分の子孫を作るのも大切な要素。メスを得るための求愛行動やオス同士のなかで優位性を高める競争など、オスたちのアピール作戦も見逃せない。そこで、角や歯をユニークな形に進化させて「かっこよさ」をアピールする哺乳類のオスたちも紹介。

海の生きもの・イッカクは長い剣のような角が特徴だけど、実は角ではなくて最大2mにもなる歯なのだとか。オス同士では長さを競い、メスに対してもアピールするための求愛ツールだという。

このほか、求愛のために牙を伸ばすセレベスバビルサの頭骨などを展示。牙は上のほうに向かって湾曲しながら伸びていくため、伸びすぎた牙で死に至ることもあると言われている。生き残るための作戦で自滅してしまうなんて、ちょっと切ない。

大哺乳類展2 @国立科学博物館 マレーバク親子
マレーバク親子(剥製) 写真撮影:石原秀樹

子供だって毎日がサバイバル。生き残るためのカモフラ柄も

子孫がめでたく残っても、動物も子供のうちは弱い存在。だから子供にも、環境に同化して身を守るための作戦が備わっている。

子供の時だけ親と違う毛色を持つのも、自然の中で敵に見つからないようにカモフラージュするため。マレーバクは夜行性なので赤ちゃんの体の模様は夜の森で目立たないし、鹿の子供の背中にある白い斑点は森の中の木漏れ日のように見える。

生まれながらに生き残り作戦を身につけた子供たちの姿は、かわいいけれどまさに命がけ。サバイバルな毎日を過ごす哺乳類たちに、「がんばれ」と応援したくなる。

特別展では独自の進化や移動運動など、私たちも含めて、生き物は自然が作り出した大いなるアートだということを実感できるのでは?

大哺乳類展2 @国立科学博物館 ポスター画像

イベントDATA

イベント名
特別展「大哺乳類展2ーみんなの生き残り作戦」
開催場所
国立科学博物館
会期
2019/3/21(木・祝)~6/16(日)
開館時間
9:00~17:00(金曜・土曜は20:00まで)
※入場は各閉館時刻の30分前まで
※ただし、4/28(日)~5/5(日・祝)は20:00まで、5/6(月・休)は18:00まで
休館日
月曜日および5/7(火)
※ただし、3/25(月)、4/1(月)、4/29(月・祝)、5/6(月・休)、6/10(月)は開館
入館料
一般・大学生1600円(1400円)、小・中・高校生600円(500円)
「金曜・土曜限定ペア得ナイト券」2名1組2000円(会場で当日17時以降販売、2名同時入場限定)

<グッズセット前売券>販売は3/20(水)まで
A:ディック・ブルーナさんの「哺乳類大行進」チケットファイル1700円
B:ハダカデバネズミのスクイーズ(ローソンチケット限定)2000円 ※3000セット限定
ホームページ
大哺乳類展2 特設サイト 
国立科学博物館

国立科学博物館

スポット名
国立科学博物館
電話番号
0357778600 0357778600 ハローダイヤル
住所
東京都台東区上野公園7-20 Map
交通アクセス
JR「上野駅」公園口より徒歩5分、東京メトロ銀座線・日比谷線「上野駅」7番出口より徒歩10分、京成線「京成上野駅」正面口より徒歩10分
ホームページ
国立科学博物館の公式HP

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※記事は2019年2月11日(月)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります