ロマンティック・ロシア@Bunkamuraイワン・クラムスコイ 《忘れえぬ女(ひと)》 PC
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渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで、美しいロシアに魅了される「国立トレチャコフ美術館所蔵 ロマンティック・ロシア」展

更新日:2018/11/12

ロシアの美術の殿堂・国立トレチャコフ美術館が所蔵する豊富なコレクションから、19世紀後半~20世紀初頭の代表的な作家の作品72点を紹介する展覧会「国立トレチャコフ美術館所蔵 ロマンティック・ロシア」が、渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで開催される。大地に広がる雄大な風景や、透き通るような白い肌の女性たちなど、美しいロシアを描いた作品に宿るロマンティックな情感に思いを馳せて。

イワン・クラムスコイ 《忘れえぬ女(ひと)》 1883年 油彩・キャンヴァス (C)The State Tretyakov Gallery

ロマンティック・ロシア@Bunkamuraワシーリー・バクシェーエフ 《樹氷》 
ワシーリー・バクシェーエフ 《樹氷》 1900年 油彩・キャンヴァス (C)The State Tretyakov Gallery

果てしない広大な大地を背景に花開いたロシア美術

渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで、2018年11月23日(金・祝)から2019年1月27日(日)まで開催される「国立トレチャコフ美術館所蔵 ロマンティック・ロシア」。19世紀後半~20世紀初頭のロシアの文化といえば、作曲家・チャイコフスキーや、トルストイ、ドストエフスキーといった文豪が有名だけど、美術の分野でも多くの才能が開花したことが、展覧会を見れば分かるはず。

ロマンティックなロシアを語る上で大切な背景となるのが、まず、広大な大地。例えば、ワシーリー・バクシェーエフの 《樹氷》は、真っ白に輝く樹氷が青空に映えて、澄み渡る大気を感じさせてくれる。明るいコントラストの華やかな作品の中には、北国のロマンがあふれているよう。

ロマンティック・ロシア@Bunkamuraイワン・シーシキン 《雨の樫林》
イワン・シーシキン 《雨の樫林》 1891年 油彩・キャンヴァス(C)The State Tretyakov Gallery

日本の国土より広く、どこまでも深い森もまた、心惹かれる世界。

イワン・シーシキンの 《雨の樫林》には、どこまでも続く樫の林の中に1本の雨傘の下で寄り添って歩くカップルが描かれていて、まるで映画のワンシーンのようにも見える。雨の森で、二人がどんな言葉を交わしているのか、考えただけでもいろんなストーリーが浮かんできそう。

ロマンティック・ロシア@Bunkamuraニコライ・グリツェンコ 《イワン大帝の鐘楼からのモスクワの眺望》
ニコライ・グリツェンコ 《イワン大帝の鐘楼からのモスクワの眺望》 1896年 油彩・キャンヴァス (C)The State Tretyakov Gallery

エキゾティックな都市の風景や自然豊かな郊外での暮らしも

雄大な自然の姿はもちろん、ロシアの人々が暮らすエリアも、人物画や風景画として描かれている。ニコライ・グリツェンコ の《イワン大帝の鐘楼からのモスクワの眺望》には、伝統的な建築で彩られた都市の風景が見られる。私たちにとって、エキゾティックな魅力に満ちた街の風景を楽しみたい。

また、ロシアにはダーチャと呼ばれる菜園付きのセカンドハウスがあり、都市に住む市民がここで週末を過ごす文化は今でも続いているそう。ダーチャは都市近郊の自然豊かな環境が多く、ここで過ごすことがロシアの人々にとってのロマンティックなひとときでもある。そんな心なごむ幸福な時間を描いた作品も、展示される。

ロマンティック・ロシア@Bunkamuraイワン・クラムスコイ 《月明かりの夜》
イワン・クラムスコイ 《月明かりの夜》 1880年 油彩・キャンヴァス (C)The State Tretyakov Gallery

初来日!月明かりに照らされた神秘的な美女の作品は必見

今回の注目作品は、イワン・クラムスコイの《月明かりの夜》。クラムスコイ作品では、名作《忘れえぬ女(ひと)》が約10年ぶりに待望の来日を果たすのも話題だけど、こちらは今回が初来日。

月明かりの中、白いドレスの女性が庭園のベンチに腰掛けて物憂げな表情でたたずむ姿は、何とも神秘的な雰囲気に包まれている。見る者の心にさまざまなイメージを抱かせる、まさにロマンに満ちた作品と言えそう。

この作品には、完成に近づいたタイミングで、絵の入手を決意したトレチャコフ美術館創設者の弟セルゲイ・トレチャコフが、絵の中の女性に自分の妻の面影を与えて欲しいと依頼したというロマンティックな逸話もあるとか。

展覧会では、どの作品からも、祖国や人々に対する愛情が伝わってくる。ロマンあふれるロシアの名画で、ロマンティックなひとときを楽しんで。

国立トレチャコフ美術館所蔵 ロマンティック・ロシア ポスター画像

イベントDATA

イベント名
国立トレチャコフ美術館所蔵 ロマンティック・ロシア
開催場所
Bunkamura ザ・ミュージアム Bunkamura B1F
会期
2018/11/23(金・祝)~2019/1/27(日)
開館時間
10:00~18:00(入館は17:30まで)
毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)
休館日
2018/11/27(火)、12/18(火)、2019/1/1(火・祝)のみ休館
入館料(前売)
一般1500円(1300円)、大学・高校生1000円(800円)、中学・小学生700円(500円)
※学生券は要学生証提示(小学生は除く)
ホームページ
国立トレチャコフ美術館所蔵 ロマンティック・ロシア 特設サイト
Bunkamura ザ・ミュージアム 外観

DATA

スポット名
Bunkamura ザ・ミュージアム
電話番号
0357778600 0357778600 ハローダイヤル
住所
東京都渋谷区道玄坂2-24-1  Bunkamura B1F Map
交通アクセス
東急東横線・田園都市線、東京メトロ半蔵門線・副都心線「渋谷駅」3a出口より徒歩5分、JR線「渋谷駅」ハチ公口・東京メトロ銀座線、京王井の頭線「渋谷駅」より徒歩7分
※渋谷駅・宮益坂口より無料シャトルバスあり
ホームページ
Bunkamura ザ・ミュージアム HP

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※記事は2018年11月12日(月)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります