フランスの美術館から国内初公開を中心に約90点を紹介
2018年10月6日(土)から2019年1月14日(月・祝)まで、東京都庭園美術館では「エキゾティック×モダン アール・デコと異境への眼差し」展を開催する。
テーマは、アール・デコ全盛時代のフランスで、あらゆる分野での美意識や造形に大きな影響を与えた「エグゾティスム(異国趣味)」。
展覧会では、1930年代の作品を集めた「30年代美術館」や1905年開館の「装飾美術館」など、フランスの美術館所蔵の作品で、国内初公開のものを中心に約90点を紹介。アジアやアフリカに取材した絵画や彫刻などが揃う。
未知なる国のトピックに沸いていた当時のパリの熱気
アール・デコ様式が開花した当時のフランスは、ヨーロッパ以外のさまざまな国や地域に関心が集まるようなトピックスで賑わっていたという。
例えば1909年の初登場から熱狂的に支持されたモダンバレエのパイオニア集団「ロシア・バレエ」、アメリカ出身で魅惑的なダンスによって時代のアイコンとなった黒人女性ダンサーのジョセフィン・ベイカー、といった新しい舞台芸術の広がり。
また、1922年にはエジプトでツタンカーメン王の墓が発見されたり、自動車メーカーのシトロエンがアフリカやアジアの横断プロジェクトを成功させたり、エキゾティックな話題はパリを中心にヨーロッパの人々を興奮させたみたい。
そんな時代の中で、未知なる文化との出会いが創作にインスピレーションを与え、さまざまな分野でエキゾティックな作品が生まれている。
いち早くエキゾティックを取り入れたファッションの世界
特に、いち早くその価値に注目したのはファッション分野の人々。パリ随一のファッション・デザイナーだったジャック・ドゥーセは、ピカソなど前衛美術家たちのパトロンでもあり、同時にアフリカ美術の造形にも新しい価値を見いだしていたという。
20世紀初頭に活躍したデザイナーでファッションの王様と呼ばれたポール・ポワレは、中近東風の衣装による夜会「千二夜」を開いて、色彩やスタイルの新しい可能性を広げた1人。ジャポニスムをはじめ、より広くアジアへの関心が高まっていった時代を衣装デザインが物語る。
アール・デコの時代に建てられた東京庭園美術館という舞台の中で、異境の文化に触発されて新しいモダンを創り出していった当時のクリエイターたちの眼差しを感じ取って。
併設のフレンチレストランではエキゾティックなメニューも
併設のフランス料理レストラン「デュ パルク」では、展覧会に寄せたオリジナルメニューとして、ランチフード(2500円コース)とディナーフードの前菜に「鶏むね肉の炙りとカボチャとタロイモのモザイクテリーヌ ピーナツバタークリーム添え」が登場する。
こちらは、アフリカ・アジアで親しまれているタロイモ(日本の里芋や海老芋)とカボチャを使ったモザイク状のテリーヌを、ピーナツバターのソースと合わせて楽しめる1品。
展覧会鑑賞の前後に、フレンチとしてアレンジされたエキゾティックなメニューを堪能するのもいいかも。
イベントDATA
- イベント名
- エキゾティック×モダン アール・デコと異境への眼差し
- 開催場所
- 東京都庭園美術館 本館+新館ギャラリー1
- 会期
- 2018/10/6(土)~2019/1/14(月・祝)
- 開館時間
- 10:00~18:00(入館は閉館の30分前まで)
※11/23(金・祝)、11/24(土)、11/30(金)、12/1(土)、12/7(金)、12/8(土)は夜間開館のため20:00まで開館(入館は19:30まで)
- 休館日
- 第2・第4水曜日および年末年始(12/28~1/4)
- 入館料(前売)
- 一般 1,200円(960円)、大学生(専修・各種専門学校含む) 960円(760円)、中・高校生 600円(480円)、65歳以上 600円(480円)
- ホームページ
- 東京都庭園美術館 HP
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