柿本幸造の絵本の世界@吉祥寺美術館『こども音楽館 どうぶつのカーニバル』
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「くじらぐも」の原画も!武蔵野市立吉祥寺美術館で「心をつなぐあたたかな色 柿本幸造の絵本の世界」

更新日:2018/09/22

小学校の教科書で見た人も多い、空に浮かぶ「くじらぐも」。絵本の画家・柿本幸造が描いた絵には、明るい色彩と夢があふれていて、楽しさとともにあたたかい気持ちになれる。武蔵野市立吉祥寺美術館では、初期のものから最晩年の作品まで、原画やアイデアスケッチなど約200点を集めた展覧会「心をつなぐあたたかな色 柿本幸造の絵本の世界」を開催。いつか見た、懐かしい絵本に再会できるかも。 

『こども音楽館 どうぶつのカーニバル』 文:筒井敬介 学研 1969年

柿本幸造の絵本の世界@吉祥寺美術館「たろうきたのうみへいく」
「たろうきたのうみへいく」 『ひかりのくに』 文:神沢利子 ひかりのくに 1968年7月号

広告イラストから子どもの絵へ。その転身は30歳後半から

2018年9月29日(土)から11月11日(日)まで、武蔵野市立吉祥寺美術館では「心をつなぐあたたかな色 柿本幸造の絵本の世界」を開催する。

柿本幸造といえば、小学校の国語の教科書で1971年から掲載が続く「くじらぐも」(光村図書出版)や、100万部を超えるベストセラーとなった『どうぞのいす』(ひさかたチャイルド)などで、その絵を目にした人も多いのでは?

広島県に生まれ、20歳で上京してから広告関係のイラストを手がけていた柿本が、子どものための絵を描き始めたのは30代後半になってから。1954年7月号の『よいこのくに』(学研)で初めて挿絵を担当してから、月刊絵本や図鑑など活躍の場が広がる。

子どもたちにとってなじみやすい明るい色彩はもちろん、デザイン性の高い構図、乗り物の細かい表現など、完成度の高い美しい絵を多く描いている。

柿本幸造の絵本の世界@吉祥寺美術館 『どんくまさんそらをとぶ』
『どんくまさんそらをとぶ』 文:蔵冨千鶴子 案:武市八十雄 至光社 1969年

人気絵本の原画やアイデアスケッチなど約200点を展示

今回の展覧会では、日産自動車のカレンダーや月刊絵本の挿絵といった初期の作品に加え、1967年から約30年をかけて26冊が刊行された「どんくまさん」シリーズ(至光社)、1989年から亡くなるまで手がけた『にじのひろば』(至光社)の表紙画に至るまで、原画やアイデアスケッチなど約200点を展示。

「どんくまさん」は、のっそりのろまで何をやっても大失敗、という不器用な森のくま。それでも、心が優しくて何ごとにも一生懸命なキャラクターは、みんなに愛され続けてロングセラーに。1980年には、フィンランド児童文学協会翻訳児童図書最優秀賞を受賞している。

柿本幸造の絵本の世界@吉祥寺美術館『こども音楽館 どうぶつのカーニバル』
『こども音楽館 どうぶつのカーニバル』 文:筒井敬介 学研 1969年

没後20年。編集者が人柄や絵の魅力を伝える座談会も開催

柿本は1枚の絵を仕上げるのに人一倍時間をかけたけれど、それでも仕上がりに満足することはなかったという。

作品から醸し出されるあたたかな雰囲気は、じっくりと絵の具を重ねて描く特有の手法から生まれる。それはまるで、柿本が子どもの心に向けて、ていねいに優しいメッセージを塗り重ねているよう。

1998年に83歳でこの世を去ってから、今年で20年目。2018年10月20日(土)の14時からは、柿本にゆかりのある絵本編集者4名による座談会「絵本の画家・柿本幸造を語る」を開催。鎌倉の家に今も残されているアトリエの様子や、当時の思い出など、親交のあった編集者だからこそ語れる貴重なエピソードが聞ける。受付は9月30日(日)から開始。興味のある人はチェックして。

柿本幸造の絵本の世界@吉祥寺美術館『どうぞのいす』 
『どうぞのいす』 作:香山美子 ひさかたチャイルド 1981年

絵本の世界を体感!座れる“どうぞのいす”で記念撮影も

代表的な作品となった1981年刊行の『どうぞのいす』は、10月7日(日)の14時から大型絵本による読み聞かせのイベントも行われるので、周りに小さな子どものいる人には嬉しいイベント。また、同じく大型絵本の「どんくまさん」シリーズの読み聞かせには、人形操演も加わるから、読み聞かせと人形劇でお話を立体的に楽しめる。こちらは9月22日(土)から受付開始なので、申し込みはお早めに。

展覧会の期間中は、立体作品となった“どうぞのいす”がロビーに登場。実際に椅子に座って記念撮影もできるとか。絵本の登場人物になったような気持ちで、童心に返って記念撮影するのもいいかも。

あたたかな色彩と美しいデザインの絵には、懐かしさとともに心が洗われるような癒しを感じる人も多いはず。柿本の描いた絵本の世界を、この機会に堪能して。

柿本幸造の絵本の世界@吉祥寺美術館   ポスター

イベントDATA

イベント名
心をつなぐあたたかな色 柿本幸造の絵本の世界
開催場所
武蔵野市立吉祥寺美術館
会期
2018/9/29(土)~11/11(日)
開館時間
10:00~19:30
休館日
10/31(水)
入館料
一般300円、中高生100円、小学生以下・65歳以上・障がい者の方は無料
イベント
■絵本編集者4名による座談会「絵本の画家・柿本幸造を語る」
日程:2018/10/20(土)14:00~16:00
会場:武蔵野市立吉祥寺美術館 音楽室
定員:80名(申し込み先着順)
※9/30(日)10:00より、電話(0422-22-0385)または美術館窓口にて受付開始

■大型絵本『どうぞのいす』の読み聞かせ&『どんくまさん』の人形操演
日程:10/7(日)14:00~14:40
会場:武蔵野市立吉祥寺美術館 音楽室
定員:70名(申し込み先着順)
※9/22(土)10:00より、電話(0422-22-0385)にて受付開始
※1回の電話につき、2名まで受付可。小学生以下の方は要保護者同伴

・いずれも参加費は不要。ただし、イベント当日の美術館入場券が必要。
ホームページ
武蔵野市立吉祥寺美術館 HP

武蔵野市立吉祥寺美術館

電話番号
0422220385 0422220385
住所
東京都武蔵野市吉祥寺本町1-8-16 FFビル7F(コピス吉祥寺A館7F) Map
交通アクセス
JR、京王井の頭線「吉祥寺駅」中央口(北口)より徒歩3分

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※記事は2018年9月22日(土)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります