生理痛に悩んでいる人は約8割
オズモールのアンケートによると、80%以上の人が生理痛に悩まされているという結果に。「常に悩まされている」という人は約18%、「常にではないがよくある」という人は約20%いて、多くの人が通勤中や仕事中など、日常的に悩まされているよう。なかには下腹部痛だけではなく、腰痛、頭痛、吐き気、下痢、倦怠感などに悩まされている人も。
生理痛の背景には、子宮内膜症や子宮筋腫などの病気があることも。たとえ市販の鎮痛剤で痛みが抑えられていたとしても、痛みがあるのは不調のサインととらえて、一度婦人科を受診して。不妊の原因にもなるので、放置しないことが大切。
下腹部の脂肪を冷やさないことがポイント
「漢方では、生理痛は血液の循環が悪くなることで血がよどみ、たまっていることが原因だと考えます」と上之原さん。
血液の循環を悪くする大きな原因は冷え。特に下腹部が冷えていると症状が悪化しやすく、下腹部痛だけではなく、頭痛や腰痛、下痢なども併発しやすくなるそう。
「手足と違い、下腹部の冷えは自覚しにくいもの。生理痛があるときだけではなく、日頃から下腹部を冷やさないことがポイント。冷え性ではなく暑がりの人でも、生理痛があれば温めることが大切です」(上之原さん)
女性は子宮を守るために下腹部に脂肪がつきやすいけれど、脂肪は一度冷えると温まりにくいという性質があり、子宮を冷やしてしまうことも。そのため、下腹部はつねに冷やさないように心がけたいもの。
体を温める黒糖や紅花を食生活に取り入れよう
これからの季節は冷房や冷たい飲み物で、体を冷やしてしまうことも増えるけれど、なるべく常温未満の飲み物は取らないようにして。
「知らず知らずのうちに、体を冷やす食べ物を取っていることも。料理で使う白糖は体を冷やす性質があるので、甘味が必要なときは黒糖などを使うようにしましょう」(上之原さん)
黒糖は気分をリラックスさせるはたらきもあるので、生理前や生理中のイライラにおすすめ。また、漢方で生理痛や生理不順によい食材として知られているのが「紅花(こうか)」で、薬店などで比較的簡単に手に入る。血の滞りを改善するはたらきがあり、冷えの解消になることも。そのまま炒め物に混ぜたり、紅茶にひとつまみ加えたりして取り入れるのがおすすめ。ただし妊娠中の人は控えて。
生理痛は生理中だけではなく日頃の生活がカギに。体を冷やすような生活を送っていないか、見直してみよう。
教えてくれた人
上之原静佳さん
薬剤師、「カガエ カンポウ ブティック日本橋髙島屋S.C.店」漢方カウンセラー。漢方と香りを融合した漢方ビューティブランド「カガエ カンポウ ブティック」にて、漢方薬からハーブティー、スキンケア、アロマまで、からだの内外からのトータルビューティーケアを提案。
【特集】プチ不調や身体の悩みを解消!すこやかなココロとカラダへ
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WRITING/AKIKO NAKADERA