隠れた婦人科疾患のサイン?2つの月経困難症
月経困難症には2つのタイプがあり、ひとつめは、子宮や卵巣などに異常がなく、原因となる病気が特にない「機能性月経困難症」。痛みが発生するメカニズムは通常の生理痛・月経痛と同じだけれど、痛みや吐き気などの症状が耐えられないほどひどく、また市販の痛み止めなどでコントロールできない場合には婦人科に相談してみよう。
もうひとつは、子宮内膜症や子宮筋腫などの婦人科疾患が潜んでいる「器質性月経困難症」。こちらは、耐えられないほどの強い痛みが伴うケースも多く、不妊症の原因になったり、進行するとガン化する場合もあるので見過ごすことができない。「毎月痛みがひどくなっている」「経血量が急に増えた」「月経時以外にも痛みがある」などは重要なサイン。
ここで難しいポイントが、「器質性月経困難症」の人のほうが痛みがひどいかというと、一概にそうとも言えないこと。医師の診断で病気が見つからなかった場合には、痛み止めなどの対症療法を取り入れながら経過を観察することが大切。
あなたは大丈夫?器質性月経困難症セルフチェック
生理痛・月経痛がいつもよりひどかったり、経血に変化があったりすると不安になってしまうもの。ひどい生理痛に加えて、以下の項目に当てはまる場合は診察が必要なのでチェックしてみて。
■生理痛が毎月どんどんひどくなっている
■市販の鎮痛剤・痛み止めが効かない、用量を超えてしまう
■痛みがひどく、毎回のように寝込んでしまう
■経血が異常に増えた
■経血にレバー状の大きな塊がたくさん混じる
■生理中以外の時期も、腰や下腹部に痛みがある
■排便時、肛門の奥に強い痛みを感じる
■セックスのとき、膣の奥に痛みを感じるようになった
■妊娠を希望しているのに、なかなか授からない
すぐに病院に行くべき?月経困難症の治療とは
病院でも、まずは鎮痛剤による対症療法をとることが一般的。その後、症状や病気の進行具合、年齢や妊娠の希望など、1人ひとりの人生設計に合わせて、漢方薬やホルモン剤、手術療法などが選択される。
市販の鎮痛薬で痛みに対処でき、そのほかに気になることがなければしばらく自宅で様子を見ても大丈夫。ただし「経腟超音波検査」が含まれた婦人科健診を年1回受けて、定期的にチェックするようにしよう。
教えてくれた人
佐々木明香さん
後楽園ウィメンズクリニック院長、日本産婦人科学会専門医。東邦大学医学部を卒業後、慶應義塾大学産婦人科学教室に入局。女性のライフステージに沿った快適な生活をサポートしたいと、生まれ育った文京区で2017年に「後楽園ウィメンズクリニック」を新規開院する。
「大学病院などで研鑽を積んできたことを生かし、思春期から老年期までの女性特有のお悩みに、ピルや漢方などを用いて対応しながら、定期的な自己管理のお手伝いをさせていただくようなクリニックをめざしています」。
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WRITING/ATSUKO HABU