7割の女性が頭痛を経験、約1割はつねに頭痛アリ!
オズモールのアンケートでは、約7割の人が頭痛を経験し、そのうち約4割が「ときどきある」、約2割が「常にではないがよくある」、約1割が「常にある」という結果に。具体的な症状は「こめかみのあたりがズキズキ痛む」場合と「頭が全体的にズーンと重い」場合。対処法として多かったのは「鎮痛剤を飲む」「早めに寝る」「頭や首をマッサージする」といった回答だった。また、どんなときに頭痛が起きるのかを把握している人が多く「天気が悪い日」「月経前」「疲れているとき」といった回答が目立った。なかには「飲酒をしたとき」「暑い日」「わからなくて困っている」といった回答も。
痛みは「ズキズキ」タイプと「ズーン」タイプに分けられる
頭痛には特に病気があるわけではなく、慢性的に頭痛を繰り返す「一次性頭痛」と、脳腫瘍、髄膜炎、くも膜下出血など、脳の病気の症状として出てくる「二次性頭痛」がある。これまで経験したことのないような激しい頭痛が突然現れたり、手足の麻痺やしびれ、発熱などを伴ったりする場合は二次性頭痛の疑いがあり、要注意。
一次性頭痛には主に「片頭痛」「緊張型頭痛」「群発頭痛」の3つのタイプがある。片頭痛はズキズキと脈打つような痛みが特徴で、光や音に敏感になったり、吐き気を伴ったりする。緊張型頭痛は頭全体を締め付けられているようなズーンとする重苦しい痛みが特徴。群発頭痛はまれなタイプで男性のほうが多く、目をえぐられるような激しい痛みがある。
片頭痛の原因ははっきりと解明されていないけれど、頭がい骨内の血管が広がり、炎症を起こしたためと言われている。この場合、痛む部分を冷やして安静にすることが効果的。一方緊張型頭痛は、血行が悪くなることで首や肩の筋肉が緊張して起こる。同時に肩や首のこりを感じる場合も。この場合は痛む部分を温めてストレッチやマッサージをすることが有効。
頭痛で医療機関を受診すると、一般的に「頭痛ダイアリー」をつけることをすすめられる。頭痛日数、服薬日数、月経周期などを記入するもので、これをつけることにより、どんな状況のときに頭痛が起きるのかを把握しやすくなる。
意外と見逃されがち!脱水が原因の頭痛も
一方、片頭痛や緊張型頭痛のような慢性的な頭痛と違って、一時的な頭痛の場合、意外な原因が潜んでいることも。
「脱水も頭痛の原因の1つです」
そう話すのは、公認スポーツ栄養士の鈴木志保子さん。
「熱中症の1つである熱疲労の代表的な症状が頭痛や全身倦怠感です。同じく熱中症の1つである熱射病は急激に体温が上昇しますが、熱疲労の場合は比較的だらだらと脱水が進んでいき、徐々に症状が出てきます」
例えば暑い日に長時間外で過ごしていたり、ドライブ中になるべくトイレに行きたくならないように極端に水分摂取を控えたり、冬でもこたつに入って居眠りしてしまったり、温度が高い電気毛布をかけて寝たりしたあとなどに頭痛がした場合、脱水による熱疲労が疑われる。
「お酒を飲んだあとに頭が痛くなるのも、脱水が原因。アルコールは抗利尿ホルモンを抑制する作用があり、尿が出すぎて脱水状態になりやすいのです」(鈴木さん)
尿の色が濃く、量が少なければ脱水の可能性大
体内の水分が少なくなると、脳や脊髄を衝撃から保護する役割がある髄液の産生も低下する。この状態が頭痛を引き起こすと考えられている。脱水の状態を知るには尿の色や量をチェックして。尿の色が濃く、量が少ないほど、脱水が進んでいる証拠。色の薄い尿が多量に出るようになるまで、水分と塩分を補給すれば頭痛は改善するはず。食事をしっかりしているのであれば、塩分は摂取できているので水分だけでOK。前述の例のとおり、脱水は夏以外でも、特に運動をしていなくても起こるもの。日頃から水分不足にならないように意識して、頭痛があった場合は脱水も疑ってみて。
教えてくれた人
鈴木志保子さん
神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部栄養学科教授。日本スポーツ栄養協会理事長、日本栄養士会副会長、日本スポーツ栄養学会前会長。マツダ株式会社陸上競技部、パラ水泳日本代表など、数多くのトップアスリートの栄養指導に従事。2018年7月に新刊『理論と実践 スポーツ栄養学』(日本文芸社)が発売。
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WRITING/AKIKO NAKADERA