東洋医学の温活とは「陽気」を守り補うこと
そもそもなぜ冬は寒くなるのかというと、太陽の位置が低く日照時間も短くなるので、太陽の熱エネルギーが少なくなってしまうため。東洋医学ではこの太陽の熱エネルギーを「陽気」と呼び、生命力を養う重要な力と考えるのだそう。
「陽気は自然界だけではなく人間の体内にも存在し、体を温めて活動を促す力となっています。冬は自然界の陽気が少なくなりますが、同様に私たちの体内の陽気も少なくなるため、体を温める力が弱まって冷えやすくなるのです」(成田さん)
東洋医学で考える温活とは、この陽気を逃さないように守り、その力を高めること。特に陽気は腰周りに蓄えられていると考えるので、腰周りをしっかり防寒することと、太陽の暖かい光を浴びて自然界の陽気を取り入れることも意識してみて。
手先が冷たいときにおすすめ!陽池(ようち)のツボ押し
陽気を高める方法として、手軽にできる方法のひとつがツボ押し。手首にある「陽池(ようち)」というツボは、陽気がたまる場所といわれていて、特に腕や手の冷えをやわらげたいときにおすすめなのだとか。
陽池のツボは、手首をそらせたときに手の甲側にできるしわの中央にある。ここを反対の手の親指で6秒間押しもんでみて。これを10回、左右同様に行おう。
「陽池のツボを押すと体内の陽気が高まり、血行が促進されて手先や腕がポカポカと温かくなります。ホルモンバランスも整いやすくなるので、女性におすすめのツボです」(成田さん)
仕事の合間などのちょっとした時間に手軽にできるツボ押しなので、気がついたときにこまめに行ってみよう。
下半身の冷えは腎兪(じんゆ)のツボ押しで解消
陽気は腰周りに蓄えられているのだけれど、そもそも腰周りとは、成長や発育、生殖に関わるエネルギーが蓄えられている重要な場所。腰周りが冷えると元気が出なくなるほか、足腰のだるさやホルモン系の不調なども起こりやすくなる。腰周りを温めることはアンチエイジングにもなるので、しっかりケアするのがおすすめ。
そこでもうひとつおすすめしたいのが、腎兪(じんゆ)のツボ押し。ウエストの高さにある背骨の中心から指2本分外側にあるツボで、腰周りの働きを整えて陽気を高め、下半身を温めることができるのだそう。両手を腰にあて、左右の腎兪のツボを親指で10秒間押しもんで。これを10回繰り返そう。
「入浴後などの体が温まっているときに腎兪のツボ押しをすると、体全体が温まりやすくなります。また、腰周りの冷えがなかなか取れないときは、腎兪の位置にカイロを貼るのもいいでしょう」(成田さん)
陽気を高めるツボ押しは、冷えにくい体質に改善するための温活ともいえそう。体の内側からの温活で、つらい冷えから体を守って。
教えてくれた人
成田かおるさん
漢方ビューティブランド「カガエ カンポウ ブティック日本橋髙島屋S.C.店」店長、漢方カウンセラー。同店にて、漢方薬からハーブティ、スキンケア、アロマまで、からだの内外からのトータルビューティケアを提案している。店舗は東京(上野・日本橋)、仙台、名古屋、京都で展開し、商品は銀座ロフトでも取り扱い中。
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WRITING/TOMOKO OTSUBO