「怒りの沸点の低さは、あなたの心にあるストレスを受けとめるためのコップがいっぱいになっていることを示しています」と山本さんは説明する。ストレスを受けとめる心のコップの大きさは、その人の考え方や感情の持ち方、さらには身体の使い方でも変化していくそう。
周りの環境がストレスフルだったり、自分に厳しかったり、自分の本当の気持ちを抑え込んでいるなら、コップはとても小さくなってしまっているかもしれない。逆に、自分の考えを柔軟にし、自分の感情に寄り添い、たかぶった神経を落ち着かせる工夫を心がけていくと、コップを大きくしていくことができるという。
心理学では、心のコップのことをストレス耐性と呼ぶ。社会規範やルール、相手の意向、周りからどう見られるかなど、自分以外のことばかりを優先させていると、ストレス耐性が充分にある人でもいずれ限界を超え、感情があふれてしまうのだとか。そんなときは、心地よいリラクゼーションや、自分自身にあたたかい言葉をかけるなど、自分へのケアを優先してみて。ストレス耐性が高まり、心にゆとりが生まれてくるはず。
教えてくれた人
山本貢司さん
田園調布カウンセリングオフィス所長。臨床心理士、公認心理師。銀行を退職後、横浜国立大学大学院にて臨床心理学を修め、脳神経外科・心療内科にて心理カウンセリングを担当する。2007年に臨床心理士を取得。脳神経外科・心療内科の非常勤として数年間勤務した後、2013年に田園調布カウンセリングオフィスを開設。心理学専門書の翻訳協力多数。
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WRITING/ATSUKO HABU