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新NISAで投資をするメリットは?使い方はどうしたらいい?資産運用に強いFPが解説

更新日:2023/09/24

2024年から新NISAが始まると話題だけれど、具体的にどんなところがいいのかよくわからないと感じている人も多いのでは? そこで、今回は新NISAで投資をするメリットや気を付けるべきことについて、ファイナンシャルプランナーの佐藤彰さんが解説。

そもそもNISA・新NISAって?

新NISAはどんな投資の制度なの?

「NISAで投資をすると、投資で利益が出たときにかかる約20%の税金が非課税になるので、一般的な証券口座で投資をするより効率よく資産を作ることができます。
2024年から始まる新NISAでは、この非課税で投資できる枠が増えるのに加え、非課税で投資ができる期間が無制限になる点が大きいです。この新NISAでは、投資が初めての方であったり、投資の知識や経験が豊富とはいえない方でも、以前に増してよりよい資産づくりができるようになります」と、佐藤さん。

新NISAでもあくまで基本はつみたて投資

新NISAでもあくまで基本はつみたて投資

新NISAでよりよい資産づくりができるのはどうして?

「新NISAを使えば、より自分に合ったつみたて投資ができるようになるからです。新NISAではまとまった金額を一括で投資することもできますが、つみたてで投資をする方がおすすめです。まずは、そもそもつみたて投資がどうしていいのかお話します。いい点は主に3つあります。

1つ目は、小額から複利で資産づくりができる点です。
複利の力を使えば、雪ダルマ式に資産を増やせます。例えば、10万円を3%の利回りで運用した場合、翌年は103000円になります。すると翌年は、10万円ではなく103000円の3%で運用することになります。これが毎年続くと徐々に資産が増えるスピードが上がっていきます。

2つ目は、相場が下がったとき『バーゲンセール』で投資できる点です。
毎月同じ金額を買っていく場合、相場が下がればたくさん買えます。そしてその増えた分は、相場が上がるときに大きな資産のプラスになります。グローバル化が進んで○○ショックという、どんな金融商品の価格も同時に急落する場面が増えていますし、今後も同じようなことは起こるでしょう。しかし、つみたて投資をしている人にとって、それはむしろ投資のチャンスです。

3つ目は投資のストレスを減らせることです。
決まった金額を毎月等つみたてていくので、何をいついくら買うか考えなくて済みますし、長期で投資であれば、短期間での資産の値動きはそこまで気にしなくて構いません。仕事などが忙しい方、投資そのものが好きでない人にとっては、資産づくりはできる一方で、時間も気持ちご自身の大切なことに向けることができます」(佐藤さん)

新NISAを使えば、より自分に合った投資ができる

新NISAを使えば、より自分に合った投資ができる

新NISAでつみたて投資をするとどんないいことがあるの?

「まずは、今までよりマイペースで資産形成がしやすくなります。
新NISAでは今のNISAと違って、非課税で投資できる期間が無期限になります。これを利用すれば、例えば、投資に慣れていないからまずは慣れたい、今あまり投資にお金を回せない、という方は、最初は小額で投資を始めて、タイミングに応じてつみたて金額を上げやすいですし、ボーナスが出たときなどに特定の月だけまとまった金額で投資もしやすくなります。
さらに、マネープランがまだ見えていない方であれば、仮決めのプランでまずは投資を始めて、具体的なマネープランを見えてきたら修正するという風に、投資を続けながら投資の進め方を変えていくことができます」(佐藤さん)

他にはどんなメリットがあるの?

「より早く資産づくりができるようにもなります。なぜなら、非課税の投資枠が増えるからです。
現行NISAでは最大800万円まで非課税で投資できますが、新NISAは合計1800万円までです。資金に余裕がある時期に、つみたて金額を多めにしやすいです。

一方で、そこまで金額を積めない方でも、複利を生かしてより早く資産をつくっていくことができます。複利の力は、資産が大きい方が有利です。例えば、1万円を3%の複利で運用するのと、100万円を3%の複利で運用するのでは、明らかに100万円の方が複利の力が大きく働きます。実際に100万円など、まとまった金額になるまである程度時間がかかるかもしれませんが、ゆくゆくまとまった金額になれば、複利でさらに資産を増やしやすくなります。

さらに、つみたて投資をしながら、個別の金融商品も買いやすくなります。新NISAでは、積立投資枠と成長投資枠という非課税で投資できる2つの枠を同時に使えます。普段はつみたて投資をしているけれども、他に個別に気になる金融商品が見つかったときに買いやすいです。

例えば、投資信託のつみたてを普段はやっているものの、株主優待で気になる会社があれば、個別の株式を買う、つみたて投資だと株式にばかり投資をしてしまっているので、REIT(不動産を金融商品にしたもの)や金などに投資できるETF(特定の指数に株式と同じように投資できる金融商品)も個別に買う、ということも可能になります」(佐藤さん)

新NISAを使うときは周りの意見に振り回されないことも大事

新NISAを使うときは周りの意見に振り回されないことも大事

「新NISAを使えば、自由に投資しやすくなる半面、他の人の投資の話につられてしまい、自分に合わない投資をしてしまうおそれもあります。

ひとえに新NISAといっても、投資のレベル、投資できる資産、将来のライフプラン、などによって使い方は1人1人違います。これから2024年度が近づくにつれて、新NISAでは○○を買うべき、○○円をつみたてするべき・・・というような話を耳にする機会が増えていくことでしょう。そんな情報に振り回されないようにしていただきたいです。

投資の基本はあくまで長期間やること、つみたて投資をすること、投資先は分散することの3つです。この基本は今までと変わりませんので、ぜひここも徹底してください」(佐藤さん)

教えてくれた人

佐藤彰(さとうあきら)さん

佐藤彰コーチングFP事務所代表。
ファイナンシャルプランナー。証券会社の人材育成部門を経て独立。金融商品や保険を販売しない独立系FPとして活動。FP以外に米国のコーチ資格を持っており、お金だけでなく、こころにも配慮した対応を大事にしている。個人の方向けの相談・セミナー業務に加え学生向けの金融教育および企業研修にも取り組む。2023年1月に『“こわい”がなくなる投資1年生の教科書――マネトレ投資法で始める資産形成』を出版。

【マネー特集】新・ライフスタイルのお金と暮らし

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※記事は2023年9月24日(日)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります