民藝、オズモール、新潟県新潟市、SAN、すなだときお

ゆるい表情が愛らしい。新潟の手作り直管型砂時計「すなだときお」/新潟県・新潟市

更新日:2022/06/20

ローカルに暮らすあの人が教えてくれる、町で生まれた手仕事もの(=民藝ちゃん)の話。今回は新潟県・新潟市で生まれた、手仕事の直管型砂時計「すなだときお」を紹介。編集者であり「上古町の百年長屋SAN」の副館長・金澤李花子さんが、民藝ちゃんに込められた思いやローカルの物語をお届けします。

新潟産の直管型砂時計が「ときお」お知らせします

「手仕事」「昔ながら」、といった人の手で受け継がれてきたものを見るのは、けっこう好きなほうだ。暮らしの隣にいつも当たり前のような顔をして存在する気軽さと、手の中に届くまでの物語を想像する余白を与えてくれるのが、民藝のいいところだと思う。

私の暮らす新潟市には、日本に3軒しかないという砂時計工場のひとつがある。作り手は1人の女性。白根地区で生み出される砂時計が丁寧に手作りされていることは、異なるフォルムの「くびれ」をのぞくとよくわかる。

新潟市内の商店街でデザイン活動を行いながらセレクトショップを営む迫さんは、この民藝の伝え手。あるとき、新潟で手作りされる貴重な砂時計があることを知り、装飾のない直管型砂時計の美しさに大きな価値を感じたという。この砂時計の価値をより多くの人に伝えたいと感じ、無色ガラスの砂時計に顔を付けてデザインし、人のような砂時計「すなだときお」を生み出した。

時を知らせる役割だけでなく、砂がすべて落ちる儚さ、作り手がいなくなればこの手の中には届かない貴重さを教えてくれる砂時計。その存在は、スマホの画面で時間を溶かすばかりの私の隣で「ゆっくりしなよ」と言ってくれそうな顔をしている、ありがたい民藝だ。

民藝ちゃんDATA

■文・教えてくれた人/金澤李花子さん
新潟市上古町「上古町の百年長屋SAN」副館長、編集者。2021年9月に地元へU ターン、上古町商店街の長屋を改装した複合施設を運営しながら、地域や企業と編集活動を行う

■作った人/迫一成さん
「日常を楽しもう」をテーマに掲げる、新潟市上古町のデザイン集団「hickory03travelers」代表。ゆるゆるイラスト・やさしい言葉・かわいいデザインで、地域のものことを楽しむ活動を行う

■買えるところ/上古町の百年長屋SAN
TEL.025-378-0593
住所/新潟県新潟市中央区古町通3番町653
営業時間/10:00~18:00
定休日/火
公式HP/上古町の百年長屋SAN

PHOTO/MANABU SANO WRITING/RIKAKO KANAZAWA
※メトロミニッツ2022年7月号「わたしの町の民藝ちゃん」より転載

※記事は2022年6月20日(月)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります