民藝、オズモール、岐阜県・関市

パンの町に生まれた、美しいパン切りナイフ。岐阜県・関市「morinoki パン切り」

更新日:2021/04/20

ローカルに暮らすあの人が教えてくれる、町で生まれた手仕事もの(=民藝ちゃん)の話。今回は岐阜県・関市の「morinoki パン切り」を紹介。フリーペーパー『TOFU magazine』の編集担当であり、岐阜県在住の高野直子さんが、民藝ちゃんにまつわるローカルの物語をお届けします。

パンとこの町のことをもっと好きにさせるパン切り

いいパン屋がある町はいい町だと思う。そして、岐阜にはいいパン屋が多い。昭和の面影を残す老舗のあんぱん。築50年の町家を改装したパン喫茶のカンパーニュ。あの店では季節のタルティーヌを、この店ではバゲットを。バジルとオリーブの食パン、石窯パリスエッテ、クロックマダム。それぞれの店に贔屓のパンがある。

去年、我が家のキッチンに頼もしいアイテムが仲間入りした。“刃物のまち”として知られる岐阜県関市にある志津刃物製作所のmorinokiシリーズのパン切り。これがもう、手放せない。商品開発チームに女性スタッフやデザイナーが加わっていることもあり、持ち手のカーブが手に馴染み、軽やかで、さり気ないロゴも愛しい。でも、それだけじゃない。切れ味が、感動ものなのだ。刃の波型の間隔が狭い刃先はハード系のパンにもすっと切り込みが入れられ、間隔が広い手元の部分は柔らかな食パンも押し潰すことなく美しく切れる。どんなパンも一刀両断。家族で袋いっぱいのパンを買ってすべて4等分に切り分けるときも、朝食に好きな厚さで食パンをスライスするときも、ぎっしり具を挟んだサンドイッチを切るときも。その断面は惚れ惚れするほどに美しい。このパン切りのおかげで、パンとこの町がますます好きになる。

民藝ちゃんDATA

■教えてくれた人/高野直子さん
岐阜県在住。株式会社リトルクリエイティブセンターで東京と岐阜をつなぐフリーペーパー『TOFU magazine』の編集を担当。ローカルメディア「さかだちブックス」では毎日webを更新

■作った人/志津刃物製作所
1959年創業の刃物メーカー。使うほどに愛着が湧き、長く使える新しい製品を提案

■買えるところ/THE GIFTS SHOP
TEL.058-212-3255
住所/岐阜県岐阜市橋本町1-10-1 アクティブG 2F
営業時間/10:00~19:00
定休日/奇数月の第3火

PHOTO/MANABU SANO TEXT/NAOKO TAKANO
※メトロミニッツ2021年5月号「わたしの町の民藝ちゃん」より転載

※記事は2021年4月20日(火)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります