ツボ押しには、気(き=エネルギー)と血液のめぐりをよくする効果が
東洋医学では、血行には気(き=エネルギー)のめぐりが深く関係していると考えられている。広瀬さんによれば、血液は気のめぐりに先導されることによって、体内をめぐっているのだとか。
「気は『経絡(けいらく)』と呼ばれる“気の通り道”をめぐっています。ツボはこの経絡上に点在する“気の出入り口”で、ツボを刺激することで気のめぐりが活性化され、血行もよくなります」(広瀬さん)
セルフケアでツボ押しをする場合、はじめにツボの周辺をホットタオルなどで温めておくと、筋肉がほぐれ、血行が促進されてより効果的。ツボの場所は、押したときにいちばん「イタ気持ちいい」と感じる場所。探すコツは、1本の指でピンポイントに押して探すのではなく、指の腹や複数の指を使って“面”で押すことだそう。
「押す指の角度を変えて探してみると、ツボが見つかりやすいでしょう」(広瀬さん)
頭痛を伴う肩こりには「手三里(てさんり)」のツボ押しを
肩こりに効くツボは、タイプ別に選ぶのがおすすめ。例えば、頭痛を伴う肩こりの場合、「手三里(てさんり)」というツボを押すといいのだそう。
「手三里は、ひじを曲げたときにできるシワの周辺を指で押さえて、いちばんイタ気持ちいいと感じる場所にあるツボ。冷えを解消して、頭痛を伴う肩こりを緩和する効果が期待できます」(広瀬さん)
ツボ押しの基本は、まずグッと押した状態で1回深呼吸。息を吐ききったらいったん押すのをやめて、再度、同じ場所をグッと押して。その際、押している腕側の肩をグルグル回しながらツボ押しをすると、肩こり解消の効果がアップする。以上を1セットとして、左右ともに3セット行ってみて。
PMSタイプは「雲門(うんもん)」、眼精疲労タイプは「血海(けっかい)」でケア
強いPMSがあるタイプは、「雲門(うんもん)」というツボで肩こりのケアをしよう。鎖骨の下を肩に向かってなでていき、肩の骨に突き当たる手前のくぼんだ部分にあるツボで、気のめぐりをよくする効果が高いのだそう。
「3本の指の腹で、やさしくゆっくり押します。手三里と同様に、押しながら肩を回しましょう。気のめぐりをよくすることで血液のめぐりもよくなり、肩こりを緩和します」(広瀬さん)
また、眼精疲労がひどいタイプの肩こりは、「血海(けっかい)」というツボを押すと効果的。ひざの皿の内側上端から指3本分上にあるツボで、全身の血行が活性化される。
「ツボ押しの方法は手三里などと同様ですが、肩を回す際は、押している足の反対側の肩を回すようにしましょう。肩こりのほか、肌や髪の乾燥を解消するのにも役立ちます」(広瀬さん)
特別な道具を使わずに、いつでもどこでも実践できるツボ押しケア。日々のセルフケアとして取り入れて、慢性的な肩こりにサヨナラして!
教えてくれた人
広瀬志帆さん
厚生労働大臣認定資格 鍼灸師。東京・表参道の鍼灸院「こきゅう南青山」院長。同院での治療活動のほか、「人生を思いっきり楽しめるココロとカラダ作り」をテーマに、一般や経営者向けのセミナーやワークショップを精力的に開催している。
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WRITING/TOMOKO OTSUBO