【医師が解説】VIO脱毛やデリケートゾーンのケア、医学的に見たその重要性とは?
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【医師が解説】VIO脱毛やデリケートゾーンのケア、医学的に見たその重要性とは?

更新日:2022/02/22

以前に比べて、オープンに語られることが増えてきたデリケートゾーンの話。最近はVIO脱毛をする人が増えていたり、デリケートゾーン専用のコスメを見かけることが多くなったりしているけれど、医学的に見てその必要性や重要性はどんなもの? 産婦人科医の柴田綾子さんがアドバイスしてくれた。

半数以上のオズモール読者がVIO脱毛を経験
アンケート:オズモール調べ 2022/1/18~25 N=843

半数以上のオズモール読者がVIO処理経験あり

近年ニーズが高まってきているVIO脱毛は、実際にどれくらいの人が行っているの?
オズモールのアンケートによれば、半数以上の人がVIOの毛に関して処理経験があると回答。その処理方法については、「カミソリやシェーバーなどで自分で剃っている」という人が最も多い23.7%で、以降は「エステ脱毛」19.3%、「医療脱毛」12.3%、「ブラジリアンワックス」1.1%となった。

エステ脱毛や医療脱毛をした人にその理由を聞いてみると、「毛量が多かったから」(さわやかさん/40歳・会社員)、「清潔になって生理のときもケアしやすいから」(コスモスさん/29歳・主婦)、「生理中に蒸れるのを解消したかったので」(にいさん/37歳・会社員)、「自分でムダ毛の処理をするのが面倒だから」(sさん/40歳・会社員)などの意見が。見た目、蒸れ、ケアのしやすさなどが、VIO脱毛をした動機として多いみたい。

一方、なにもしていない人に理由を聞いたところ、「必要がないから」(ごまちゃんさん/37歳・フリーランス)という意見が圧倒的に多かったほか、「毛量が少ないから」(naoさん/35歳・会社員)、「施術時に見られることが恥ずかしいから」(えりたんさん/40歳・会社員)、「毛があることが普通だから」(ミャアさん/39歳・フリーランス)、「チクチクするのが痛い」(まくさん/33歳・会社員)といった回答も。VIO脱毛について、必要性を感じる人と感じない人がはっきりと分かれる結果に。

VIO脱毛は個人の価値観やライフスタイルに合わせて行えばいい

VIO脱毛は個人の価値観やライフスタイルに合わせて行えばいい

今まで気にしていなかった人も、VIO脱毛をする人が増えていることで「私もしなくちゃいけないの?」と感じているかも。でも、柴田さんによればVIO脱毛は医学的な必要性は特になく、あくまでも個人の価値観やライフスタイルに合わせて行えばいいものなのだとか。ビキニラインが気になる人や自己処理が面倒と感じる人は行ってもいいし、特に気にならない人は行わなくてもOK。

「生理中にナプキンで蒸れてかゆみや赤みが起こる人や、生理後にかぶれが起こりやすい人などは、VIO脱毛によって症状が改善される場合があるので検討してみてもいいでしょう」(柴田さん)

では、VIO脱毛をする場合はどんなことに注意をしたらいい?

「脱毛直後は一時的に肌が乾燥しやすくなるため、保湿ケアが大切です。プロに脱毛してもらう場合は保湿ケアも十分に行ってもらえることが多いですが、毛抜きやワックスでの自己処理は肌へのダメージが強いので慎重に。また、生理中や生理直後は肌が荒れやすいのでVIO脱毛自体を避けたほうがいいのと、施術直後はこすらない、激しい運動をしない、熱いお風呂に入らないなどの注意が必要です」(柴田さん)

デリケートゾーンの肌が弱い人は専用ソープや保湿剤を取り入れて

デリケートゾーンの肌が弱い人は専用ソープや保湿剤を取り入れて

デリケートゾーンのケアについては、洗い方も気になるところ。どこまで洗ってもよくて、どこからは洗わないほうがいいのかがよくわからない・・・という人も少なくないかも。

「大陰唇(だいいんしん=女性器のいちばん外側にある左右一対のひだ)や小陰唇(しょういんしん=大陰唇の内側、膣の入り口にある左右一対のひだ)はソープなどで洗っても大丈夫ですが、膣の中は洗わないようにしましょう。膣の中は常在菌(乳酸菌)によって雑菌の繁殖が抑えられていますが、膣の中をソープで洗ったりビデを使いすぎたりすると、その常在菌が死滅して雑菌が繁殖しやすくなり、炎症などのトラブルのもととなります」(柴田さん)

洗い方については、デリケートゾーンの肌はほかの肌よりも弱いので、こすらずに優しく洗うのがいいのだそう。使用するソープに関して、最近はデリケートゾーン専用のものもよく見かけるけれど、ボディソープでは洗わないほうがいいの?

「ボディソープで洗っても問題がない人はそれでかまいませんが、かゆみが生じたりひりついたりする場合は、デリケートゾーン専用のソープを使ったほうがいいでしょう。なお、水洗いだけで問題がない人は無理にソープを使う必要はありません」(柴田さん)

洗った後のケアについては、顔や体と同じように保湿が重要なのだとか。デリケートゾーンの皮膚が乾燥するとかゆみや赤みの原因となるので、しっかりと保湿ケアをしよう。

「大陰唇や小陰唇も保湿剤を塗って大丈夫です。ボディ用の化粧水や乳液、オイルなどを使っても問題ありませんが、ひりつきなどが気になる場合はデリケートゾーン専用の保湿剤を使うのがおすすめです。なお、膣のマッサージについて医学的には特にメリットはありませんが、マッサージ自体はしても問題ありません」(柴田さん)

ほかの部位よりも繊細な場所であるデリケートゾーン。医学的な注意点をしっかり押さえて、正しくケアしよう。

教えてくれた人

柴田綾子さん

淀川キリスト教病院産婦人科医長。2011年群馬大学医学部医学科卒業。 沖縄県立中部病院を経て、2013年より淀川キリスト教病院産婦人科に勤務。2020年より現職。著書に『女性の救急外来 ただいま診断中!』(中外医学社)、『患者さんの悩みにズバリ回答! 女性診療エッセンス100』(日本医事新報社)などがある。

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WRITING/TOMOKO OTSUBO

※記事は2022年2月22日(火)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります