糖質制限、本当にダイエットに効果的?
糖質の制限について、公認スポーツ栄養士の鈴木志保子さんは、「糖質の摂取量が少なくなると体内の脂肪も燃焼しにくくなる」と話す。
「糖質と脂肪の関係は、ロウソクに例えることができ、糖質が芯で脂肪がロウ。芯がないとロウが燃焼できないのと同じように、糖質が少ないと体内の脂肪もエネルギーになる量が少なくなるのです」
さらに糖質の摂取が極端に少ないと、次にタンパク質がエネルギー源として使われる。タンパク質は筋肉を構成しているため、エネルギー源として使われてしまうと、筋量が減ることになる。つまりみんなが目指すような「筋肉がついたメリハリボディ」とは程遠くなるというわけ。しかも、タンパク質を過剰に摂取するのは、肝臓や腎臓に負担がかかるので避けるべき。
「体は栄養バランスよく食べることで正常に機能するようにできているので、ダイエット中もバランスよく食べることが基本。ダイエット中は、毎日食事から100kcalくらいずつ 減らし、運動で約50 kcal(普通の速さで30分歩いたくらいの消費量※体重約50kgの人の場合)消費して、無理なく毎月0.5㎏程度、体脂肪を減らしてみましょう。エネルギー源となる脂質の摂取量が多いようだったら、総摂取エネルギー量の20%程度にすると効果的です」(鈴木さん)
教えてくれた人
鈴木志保子さん
神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部栄養学科教授。(一社)日本スポーツ栄養協会理事長、(公社)日本栄養士会副会長、NPO法人日本スポーツ栄養学会前会長。マツダ株式会社陸上競技部、パラ水泳日本代表など、数多くのトップアスリートの栄養指導に従事。2018年7月に新刊『理論と実践 スポーツ栄養学』(日本文芸社)が発売。
900人以上にアンケート。みんなのダイエット事情
コロナ禍でダイエットに関する意識は変わった?
全体の22%、つまり5人に1人以上が「コロナ禍でダイエットに関する意識が上がった」と回答。その多くは「コロナで少し太ったので、以前よりダイエットを意識するようになりました」(40代/みつばちさん・自由業)」、「座っていることが多くてウエスト括れもなくなった」(30代/りりさん・会社員)など、いわゆる「コロナ太り」に直面したことでダイエットの意識が上がったと言えそう。「通ってたジムやヨガに行けない」(40代/しんさん・自由業)、「通勤自体が運動になっていたことに在宅勤務をして気づいた」(30代/なこりさん・会社員)など運動量の減少をどうカバーするかに頭を悩ませているよう。
みんながやってる食事ダイエットは?
2022年1月 オズモール調べ N=927(複数回答可)
思うように運動ができない状況で気軽に始められるのが食事ダイエット。経験者がいちばん多かったのは「夜食・間食を控える」(65%)で、糖質制限ダイエットのように「特定の食べ物を控える」(31%)は6位だった。一方、「栄養バランスを意識する」(45%)、「カロリー計算をする」(33%)も上位にランクイン。ダイエットを始めるにあたって、脂肪を効率よく燃焼させたい人は、糖質も含めたバランスの良い食事とカロリー計算にチャレンジしてみて。
“無理なくダイエット”が成功のためのキーワード
アンケート結果で気になったのはダイエット経験者のうち7割以上が「リバウンド経験あり」という事実。リバウンドの理由を尋ねると「習慣化できなかった」(46%)に続いて「過度な食事制限をした」(20%)が多い結果に。「キャベツダイエットに挑戦。キャベツを大量に買ったり、線切りにしたり手間がかかり習慣化できなかった」(オーさん/30代・主婦)、「断食とサウナを並行して行い、理想の体重まで落としたあとドカ食いして直ぐにリバウンド」(うささん/20代・会社員)、「もう良いかな。と思い少しの間食を始めたら、そっちが習慣化してしまった」(もこさん/40代・会社員)、「食事制限ダイエット中にリストアップしていた“食べたい物”を、その後暴飲暴食してしまった」(ran52さん/40代・会社員)などなど、みんなトホホな経験をしているみたい。人間なんて弱いもの。無理なく健康的に続けられるかどうかが成功のカギになりそう。
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WRITING/AKIKO NAKADERA