【眼科医が回答】スマホ老眼の可能性も。見えにくさや疲れ目、乾燥など気になる目の不調について解説
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【眼科医が回答】スマホ老眼の可能性も。見えにくさや疲れ目、乾燥など気になる目の不調について解説

更新日:2021/10/20

スマートフォンやPCに触れる時間が長くなるにつれ、気になるのが目の疲れや乾燥、頭痛や肩こりなどのお悩み。急に目が悪くなったように感じて老眼を心配する人も増えている。そこで今回は、筑波大学出身で「かわな眼科」院長の眼科専門医、川名 啓介先生に、目の不調について教えてもらった。

目の疲れと頭痛。在宅勤務中に心がけたいこと

目の疲れと頭痛。在宅勤務中に心がけたいこと

「在宅勤務が定着し、家でのPC作業が増えている」と言うオズモール読者のGVさん。作業やミーティングもすべてパソコン業務になると、休憩はおろか席を立つ回数すら減ってしまいがち。GVさんはこのところ、目の疲れや頭痛がひどくなったと感じているそう。

「長時間のPC作業では、同じ距離のものをずっと見るため、目のピント合わせの機能が緊張し続けることになります」と、川名先生。また、同じ姿勢を続けていることで肩回りや足腰の血液が滞りがちになり、目の疲れや肩こり、頭痛を引き起こす場合があるそう。

対策としては、1時間ごとに5~10分程度の休憩をとることが効果的。タイマーなどを使って強制的に時間を決めるのが川名先生のおすすめ。休憩中はPCやスマホの画面を見ずに、遠くの景色を眺めるようにしよう。立ち上がって体を動かすとさらに理想的だ。「また、メガネやコンタクトレンズの度数が合っていないこともありますので、眼科専門医に診察してもらうとよいでしょう」(川名先生)

じつは乾燥しやすい、潤いタイプのコンタクトレンズ

じつは乾燥しやすい、潤いタイプのコンタクトレンズ

「コンタクトで目が乾燥する」と、お悩みのオズモール読者・あゆみさん。コンタクトレンズはソフトとハードがあるが、今回は現在主流となっている使い捨てのソフトレンズでの乾燥について、川名先生に解説してもらった。

「ソフトコンタクトレンズは製品によってレンズの水分量が異なり、水を多く含んでいるレンズは付け心地がよいですが、一方で、高含水のレンズは涙を吸いやすく、目が乾きやすくなります。低含水レンズに変えれば目は乾きにくくなりますが、若干固く感じるのがデメリットです」(川名先生)
そのほか、なるべく酸素透過性のよいレンズにしたり、コンタクトをしたまま使える市販の人工涙液を点眼することも対策になる。

「もともとドライアイの傾向がある方が、コンタクトレンズを長時間装用するとその症状がより悪化することがあります」と、川名先生。上記で改善が見られない場合は、眼科専門医に相談するのがおすすめ。

目の乾燥や目やには、目の病気の可能性も

目の乾燥や目やには、目の病気の可能性も

オズネーム・あこすけさんは、寝起きの目の渇き、目やにが気になっているそう。目やには医学用語で「眼脂(がんし)」と言い、眼球の表面などに付いた目のゴミや老廃物を排出する働きがある。

注意したいのは、目やにが出るだけでなく、目が乾燥してかゆい、痛いなどの症状が合わさっているとき。「アレルギー性結膜炎やドライアイの方は、目の渇きや、目やになどを感じやすい」と、川名先生。まず眼科を受診してそのような病気がないか調べてもらうと安心できそう。

そのほか、涙に必要な油を出す腺がうまく機能しなくなり、ドライアイを引き起こす病気である「マイボーム腺機能不全」のケースも。治療には、目を40度くらいの温度で10分温める「温按法」や、目専用のシャンプーを使った「清拭」、点眼や内服などがある。特に寝起きの目の乾きを感じる人は気をつけて眼科を受診しよう。

老眼と、増える「スマホ老眼」。老眼鏡を使うことによる影響は?

老眼と、増える「スマホ老眼」。老眼鏡を使うことによる影響は?

老眼はいつ頃から始まるのか? 老眼鏡を使い始めるタイミングについて質問を寄せてくれたのは、オズモール読者のぽろさん。

「老眼は主に40歳ごろから始まります」と、川名先生。目のピントを合わせる力が衰えることで手元が見えにくくなり、目が疲れやすくなったりする。また、「最近はスマホ老眼と言って、20代や30代でも夕方になると見えにくくなる症状を訴える方がいます」とも。近距離で画面を見続けるスマートフォンは目に負担がかかりやすいので注意しよう。

老眼鏡を始めるタイミングとしては、40歳以上で、パソコンやスマホを使っていて目の疲れを感じたときだそう。ちなみに“老眼鏡を使うと老眼が進みやすくなる”と言う説については、「真実ではない」との回答。「老眼鏡を使うとぴったり見えるのに慣れるため、少しの変化に気付きやすくなり、老眼が進んだように感じます」(川名先生)

初期の老眼は、メガネやコンタクトレンズの度を少し下げることで楽になる場合もあるけれど、自己判断は禁物。逆に見えにくくなったり疲れやすくなったりするリスクもあるので、眼科できちんとチェックしたい。

教えてくれた人

川名 啓介さん

「かわな眼科」院長。筑波大学医学専門学群を卒業後、筑波大学附属病院眼科での勤務、筑波大学大学院での眼科講師などを経て開業。大学病院での幅広い経験と、電子カルテや画像診断の活用により、高い水準の診療を行う。医学博士、日本眼科学会認定 眼科専門医。

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WRITING/ATSUKO HABU

※記事は2021年10月20日(水)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります