横澤夏子さんはどうしてる?ちょっとしたことで不安になってしまう繊細さんへ【おしゃべり保健室:第2回】
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横澤夏子さんはどうしてる?ちょっとしたことで不安になってしまう繊細さんへ【おしゃべり保健室:第2回】

更新日:2021/10/25

なかなか人に相談しづらいココロとカラダの悩み。オズモールは、そんな女性に寄り添うオンラインイベント「おしゃべり保健室」を隔月開催。7月29日(木)に開催された第2回は芸人、そしてママとして活躍する横澤夏子さんが、精神科医の益子雅笛先生と、話題のHSPや自分のココロとの向き合い方についてトーク。繊細で傷つきやすいHSPさんが、ポジティブになれるヒントが詰まったイベントの様子をレポート。

収録映像前編「HSPとは?対処法は?」

不安になりやすい人は、気持ちを切り替えるスキルを身に着けよう

「繊細さん」の本などで話題のHSP(Highly Sensitive Person)。1996年にアメリカの心理学者・アーロン博士が発表した概念で、「生まれつき敏感で、音や光、喧騒など、あらゆる刺激に対して反応しやすい気質」を持っている人のこと。一説によると、 5 人に 1 人はHSPともいわれていて、敏感すぎるがゆえに生きづらさを感じている人も。
「私も『繊細さん』の本を、わかるわかる!と思いながら読みました。自分だけじゃないんだと思うとなんだか落ち着きますね」と横澤さん。

益子先生のもとにはそんな“繊細さん”からの相談が多く寄せられるそう。
「相談に来られる方の中で多いのは、不安で落ち着かないとか、そのこと自体に悩んでいる方。とにかく外からの刺激に敏感で、音や光、におい、強い言葉、ニュースや映画などで流れる刺激的な映像などが苦手という方も多くいらっしゃいます」

そんな先生の言葉に「当てはまる部分がたくさんあります。ドロドロしたドラマの影響を受けて、一日がネガティブな感情で始まってしまうことも・・・」と横澤さん。

「HSPさんが気持ちを切り替えるためにはちょっとコツが必要です。本来、横澤さんのような共感力の高さは素晴らしいこと。まずはそんな自分を認めて、『大丈夫』と思ってあげること。それから、ひとつ不安になると、不安がループしやすい傾向もあるので、自分が安心できるものを探すといいですね。お風呂に入る、おいしいものを食べるなど、心地いい感覚を味わってください。『あー幸せ!』『気持ちいい!』と声に出すのもいいと思います」と先生が言うと、横澤さんも「安心材料をたくさん探して、自分に『安心だよ』って教えてあげることが大事なんですね。考え方のヒントが見つかりました!」と安心した様子。

収録映像後編「横澤さんのお悩み相談」

「安心する」ことの積み重ねが自信につながる

後編は、横澤さんが日常的に抱えているお悩みについて。

「例えば、誰かと会って話しているときに『あれっ、この方に今日ちゃんと挨拶できたかな?』とか、その人と話している間も、家に帰ってからもずっと考え続けてしまうんです。モヤモヤを解決するために(何度も)挨拶したり、そんな自分に後悔することもあります」

益子先生がそんな横澤さんにおすすめするのは、1つひとつ安心を積み重ねて、自分を信頼するためのトレーニングをすること。そのためには、新しいルーティンを作ることが効果的だそう。

「例えば『●●さん、おはようございます。今日はお会いできて嬉しいです』と挨拶のパターンを作って、挨拶をするたびに瞬間に集中して味わうんです。そうすると脳も挨拶したことを覚えていますし、このルーティンを積み重ねていくと、仮に忘れてしまっても、『ベストを尽くしたから大丈夫』って安心できるようになると思います」

また、怒りや悔しさなどネガティブな感情がフラッシュバックしやすく、そのたびに「あっちいけ!」と言葉に出してしまうという横澤さんに「言葉にするのはいいこと!」と益子先生。

「どうせだったら、心地いい言葉に変えてみて。言葉を1つ決めておまじないのように『これを言えば安心!』と自分にインプットするんです。ご家族にも『私がこの言葉を言ったら見守ってて』とお願いしておくと、気持ちを切り替えるために頑張っていることが伝わります」

ただ、こうしたネガティブな感情は繰り返し思い出してしまうもの。
「どこかで折り合いをつけ、成仏させることも大切です。感情が降りてくるたびに(自分を責めず)、これは自然な感情なんだと気持ちにけりをつけていく。この繰り返しで、煩わされないようになりますよ」

この話を聞いてから、横澤さんはネガティブな感情が降りてくるたびに、陰陽師になった気分で「成仏!!」と唱えているそう。

イベント内、生Q&Aコーナーの様子

自分の脳に、肯定的な言葉をたくさん聞かせてあげて

今回のイベントには、視聴者からHSPに関するさまざまな質問が寄せられた。
「HSPの友人に対して、どんな風に接したらいい?」という質問には「まずは寄り添う姿勢を持つこと。いまどんな気持ちなのかなと想像して、『私にできることはある?』と思いやりのある言葉をかけてみましょう」

「上司の威圧的な態度が苦手」という声には「人の言葉をコントロールすることはできないから、『この人は、こういう言い方をする人なんだ』と割り切ってしまって。日頃から強い言葉をかけられたら、ちょっといいイメージの言葉に変える練習をしておくと、脳が自然に変換するようになります」

また、横澤さんへの「人前で話すのが苦手です。横澤さんのように人を楽しませる話し方のコツはありますか?」という質問には「楽しませようと思っても、実際にはできないことが多いんですよね」と横澤さん。

「そんなとき私は、頭の中で『夏子はうまく話せないのであった』とか、ドラマのようにナレーションを入れています(笑)。そうすることで自分を客観視して、次また頑張ろう!と思うことができます」

益子先生が繰り返していたのは「脳も、自分が発した言葉を聞いている」ということ。不安になりやすいという人は、『大丈夫!』『なんとかなるよ』など、自分の不安を受け入れ、安心できる言葉をかけてあげることからはじめてみては?

今月のアンバサダー:横澤夏子(よこさわなつこ)さん

お笑い芸人。1990年7月20日生まれ、新潟県出身。A型。東京NSC15期生。身近にいるさまざまな女性を観察して作った細か過ぎるモノマネ芸「ちょっとイラッとくる女」シリーズや「トゥーマッチな音楽の先生」で注目を集める。2015年3月、東京よしもとの若手芸人ランキングシステム『彩~irodori~East Championship』で優勝。ピン芸人日本一を決める『R-1ぐらんぷり』では、2016年から2年連続で決勝に進出。2017年7月、一般男性と結婚。20年2月、第1子を出産。

益子雅笛(ますこみやび)先生

平成6年東京慈恵会医科大学卒業後、国立病院東京医療センターで総合内科、東邦大学医学部心身医学講座で心療内科、国立精神・神経センター(現国立国際医療研究センター)国府台病院で精神科を研修。2016年、株式会社M.D.PROJECTを起業。現在は、精神科・心療内科クリニック勤務の一方で、産業医、メンタルヘルスアドバイザーなど保健の仕事も積極的に行う。音声配信『からだの広場』にて、健康ナビゲーターとして自身で元気になれる方法のきっかけとなるような情報提供を行っている。

次回のおしゃべり保健室は特別編!わたなべ麻衣さんをゲストに11/13(土)開催!

次回の「おしゃべり保健室」は「働く女性の保健室イベント」特別版として、2020年に第1児を出産された、モデルのわたなべ麻衣さんが、産婦人科医の山分ネルソン先生とともに妊娠・出産についてトーク。妊娠したときに大変だったことは? 無痛分娩って、実際どうなの? 将来子供が欲しい人が今できることは? など素朴な疑問を掘り下げていきます。Q&Aコーナーもたっぷりあるから、わたなべ麻衣さんへの質問に直接回答してもらえるのも嬉しいポイント。オンライン&無料イベントだから、気軽に参加して。

【特集】プチ不調や身体の悩みを解消!すこやかなココロとカラダへ

不安定な状況のなかで気になる、ココロとカラダのプチ不調。病院に行くまでもない・・・と我慢してしまったり、解決策を探そうと思っても世の中には情報が溢れすぎていたり。そんな働く女性たちに寄り添う“保健室”のような存在をオズモールはめざします。
記事や動画、イベント・セミナーなどを通して楽しみながら学んで、ココロとカラダに向き合って、自分らしい美しい花を咲かせて。

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WRITING/MINORI KASAI

※記事は2021年10月25日(月)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります