病気から身を守る「バリア力」と「生命力」を高める食材とは
東洋医学では病気の原因について、病原菌や有害物質、気候の急激な変化など外部から体に影響するものと、精神的な変動や食事の不摂生などによって体の内側に病的な変化が生じるものに分類している。このうち、外部から体に影響するものから体を守るために必要なものが免疫力であり、免疫力を高めるためにはまず、有害物質などを体内に侵入させないように防御する力(バリア力)を強化することが大切なのだとか。
「バリア力の強さは、皮膚や粘膜などを巡る気(き=エネルギー)の量に関係します。気を補いバリア力を強化する食材を積極的に取るようにしてください。レンコン、白ゴマ、もち米、松の実、ピーナッツ、クルミ、牛乳、キクラゲ、ハチミツなどがおすすめです」(成田さん)
また、免疫力を高めるには生命力の強化も欠かせないという。
「生命力の強さは、腎臓や生殖器などに蓄えられた気の量と関係します。加齢や疲労などで生命力が減少すると、回復力が低下してしまいます。気を補い生命力を強化する食材であるひじき、黒ゴマ、黒豆、黒米、昆布、鰻、クコの実、クルミ、栗などをしっかり取るといいでしょう」(成田さん)
のどや鼻のケアにもおすすめ!バリア力を強化する常備菜レシピ
免疫力を高めるための食事は、できるだけ毎日継続することが理想的。そのためには、作り置きできて日々の食事に取り入れやすい常備菜を活用したいところ。そこで成田さんに、バリア力を強化するための常備菜レシピを教えてもらおう。
●レンコンのきんぴら
<材料:約4食分>
レンコン 140g、ニンニク 2片、ニンジン 80g、黒ゴマ 大さじ1、ゴマ油 大さじ1、醤油大さじ1、みりん 大さじ1、酒 大さじ1
<作り方>
(1)レンコン、ニンジンは薄いいちょう切りにし、ニンニクはみじん切りにする。
(2)フライパンにゴマ油を引いて熱し、(1)を炒める。軽く火が通ったら、醤油、みりん、酒を加えて炒り煮にする。
(3)ニンジンがやわらかくなったら、すりつぶした黒ゴマをふって和える。
※冷蔵庫で5日間保存が可能
レンコンはバリア力に関連する肺やのど、鼻などの働きを高める食材で、ニンジンと組み合わせることで咳やたんの改善にも役立つとか。特にのどや鼻が弱いタイプの人は、できるだけ毎日取り入れるのがおすすめ。野菜不足を補うおかずにもなるので、作り置きしておくと重宝するはず。
足腰のだるさや頻尿の対策にもなる、生命力を高める常備菜
生命力が不足している場合、顔色が白い、足腰がだるい、頻尿、夜尿が多い、尿漏れ、おりものが多いといった不調が現れることが多いのだと、成田さん。こうした症状が気になる人は、生命力を補う次のレシピを日々の食事に取り入れてみて。
●ひじきとクコの実の煮物
<材料:約7食分>
生ひじき 100g、クコの実 20g、醤油 少々、三温糖 少々、サラダ油 大さじ1、だし汁 1/2カップ
<作り方>
(1)ひじきはよく洗い、ザルに上げておく。クコの実は15分ほど水に浸して戻しておく。
(2)フライパンにサラダ油を引いて熱し、ひじきを炒め、だし汁を加えて5~10分ほど煮る。醤油と砂糖を加えて、味を調える。
(3)戻したクコの実の水気を切り、(2)に加えて軽く炒め合わせる。
※冷蔵庫で7日間保存が可能
「ひじきとクコの実は料理に取り入れやすく栄養満点なので、ぜひ継続的に取ってください」(成田さん)
手軽に作れる常備菜なら、日々の食事に取り入れやすいはず。免疫力アップにぜひ役立ててみて。
教えてくれた人
成田かおるさん
漢方ビューティブランド「カガエ カンポウ ブティック日本橋髙島屋S.C.店」店長、漢方カウンセラー。同店にて、漢方薬からハーブティ、スキンケア、アロマまで、からだの内外からのトータルビューティケアを提案している。店舗は東京(上野・日本橋)、仙台、名古屋、京都で展開し、商品は銀座ロフトでも取り扱い中。
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WRITING/TOMOKO OTSUBO