「疲れがたまると、かぜを引きやすくなる」「季節の変わり目になると体調不良が起こりやすい」こんな症状を感じると「免疫が下がっているのかも」と思う人がいるかも。免疫は、私たちの体にさまざまな影響を与えているものの、どういう仕組みなのか、詳しく知っている人は意外と少ないのでは? そもそも免疫とは何なのか、国内における自律神経研究の第一人者である医師の小林弘幸先生に教えていただきました。
教えてくれた人
小林 弘幸先生
順天堂大学医学部教授・小林メディカルクリニック医師
順天堂大学医学部および同大学大学院医学研究科修了。国内における自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手などへのコンディショニングやパフォーマンス向上指導を行う。著書に『免疫力が10割――腸内環境と自律神経を整えれば病気知らず』など多数。
教えて先生! 免疫の低下が“プチ不調”を招くってホント?
季節の変わり目のプチ不調、免疫の低下が原因かも?
気温が上がり、桜も咲いて、季節はもうすっかり春。でも、そんな季節の変わり目にいつも体調を崩してしまう・・・という人も多いのでは。例えばこんな不調に心あたりはない?
□ 朝の目覚めが良くない
□ 疲れがとれず、だるさが続く
□ 便秘や下痢、下腹のハリがある
□ 頭痛やめまいがする
□ 体が冷える
□ 吹き出物や口内炎ができやすい
もしかしたら、不調の原因に免疫の低下が関係しているかも。
体の「自己防衛反応」!? 免疫って何?
免疫とは、体に入り込んだ病原体やウイルス、細菌などの異物を見つけて、体から取り除く自己防衛反応のようなもののこと。免疫がきちんと働けば、ちょっとしたウイルスや病原体が入り込んでも排除され、病気にかかりづらくなるという、ありがたい仕組み。
けれども、免疫が下がってしまうと体を守る機能がうまく働かず、体調を崩してしまうことも。例えば、「今日は疲れ気味かも・・・」という時にちょっと無理をして、かぜをひいてしまったという経験のある人も多いのでは。疲労やストレスは、免疫の低下が生じさせ、体調不良を引き起こしがち。
上に挙げたチェック項目にたくさんチェックがついた人は、免疫低下の兆候アリと考えてよさそう。
「自然免疫」と「獲得免疫」の二段構えで体を守る
免疫は、「自然免疫」と「獲得免疫」の大きく二つに分けられる。
体に異物が侵入した時に、まず働くのが自然免疫。体に生まれつき備わっている免疫能で、好中球(こうちゅうきゅう)、マクロファージ、NK細胞といった免疫細胞が一丸となって異物を攻撃したり、サイトカインという物質を出し、ほかの免疫細胞に危険を知らせたりして体を守っている。
自然免疫の知らせを聞いて働くのが、樹状細胞、T細胞、B細胞などの獲得免疫グループの免疫細胞たち。生まれた後に獲得する免疫能なので、獲得免疫と呼ばれているそう。体に侵入した経験のある異物を記憶し、それと同じものや似たようなものが再び体内に入ってくると、「抗体」という物質をつくり出す。このような二段構えで体を守るのが「免疫」の働き。
免疫の低下はなぜ起こる? ポイントは生活習慣にあり
免疫が低下する主な原因は「加齢」と「肥満」。特に肥満になると、肥大化した脂肪細胞からは自然免疫によるサイトカインがたくさん放出され、獲得免疫の暴走が生じやすい。暴走した免疫は、過剰に体を攻撃し、結果的に免疫を下げているのと同じような状態にしてしまうので要注意。
ほかには、ストレス、疲労、睡眠不足、暴飲暴食による腸内環境の悪化など、生活習慣の乱れが免疫を低下させやすい。
そのため、睡眠をしっかりとり、食事はバランス良く、腹八分目を心掛ける、ストレスをためない、運動不足を防ぐといった生活習慣の改善が大切。なかでも腸内環境を整えることは重要。実は、「免疫細胞の7割は腸にいる」といわれるため、ビフィズス菌や乳酸菌などの「善玉菌」と呼ばれる腸内細菌や食物繊維の多い食品を積極的に摂取して、免疫が働きやすいように腸内環境を整えておこう。
自律神経を整えて、免疫とパフォーマンスを高めよう
免疫の低下を防ぐもう一つのポイントは、自律神経を整えること。自律神経とは、体中に存在する末梢神経の一種で、内臓の働き、血管の収縮・拡張、体温の調節、呼吸など、生命維持に必要な体の働きをコントロールする神経のこと。体を緊張させて活動的にする「交感神経」と、体をリラックスさせて休ませる「副交感神経」がバランスよく切り替わることによって、心身の健康を保つことができている。例えば、朝起きてから日中は交感神経が優位になることによってパフォーマンス高く過ごすことができている。一方、夕方から夜間には副交感神経が優位になり、睡眠に向かって体をリラックスさせるリズムが備わっている。
自律神経を整えることで、ストレスによるダメージの軽減や睡眠、血流など、免疫にかかわるさまざまな要素の改善が期待できる。
呼吸を工夫して、自律神経&免疫をUP
自律神経のバランスは、睡眠不足やストレスなど、ちょっとした生活習慣の乱れによって簡単に崩れやすい。また、慢性的にストレスがたまった状態になると、腸内環境に悪影響を与えてしまうことも。そのため、自律神経を整えることは大切。自律神経は、呼吸をひと工夫すると整いやすくなる。
小林先生が患者さんによく紹介しているのが、3秒間かけて鼻から息を吸い、6秒間かけて口から吐いていくという「1:2の呼吸法」。続けるとリラックスできて、自律神経がバランス良く働くようになっていくそう。寝る前や起きてすぐなどに2~3分間、タイミングを決めて毎日行うと効果的なのだとか。
腸内環境と自律神経を整えて、免疫を高め、体を守る好循環をつくり出していきましょう。
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