【医師監修】生理って何? カラダが不調になる仕組みと対処のコツは

【医師監修】生理って何? カラダが不調になる仕組みと対処のコツは

更新日:2022/10/11

肌が荒れる。食欲が増す、もしくはなくなる。体重が増える。むくむ。イライラする。眠くなる……などなど、生理が近づくと体にはさまざまな影響があらわれます。こんなにいろいろなつらいことがおきるのに毎月来る「生理」って、いったい何なの? こんなに体調に影響が出るのはなぜ? つらい症状はどうしたら改善できる? など、生理にまつわる疑問について、産婦人科医の宋美玄先生に教えていただきました。

教えてくれた人

産婦人科医 宋美玄先生

丸の内の森レディースクリニック院長、一般社団法人ウィメンズヘルスリテラシー協会代表理事

産婦人科専門医・医学博士。大阪大学医学部医学科卒業。丸の内の森レディースクリニックの院長として周産期医療、女性医療に従事する傍ら、テレビ、書籍、雑誌などで情報発信を行い、産婦人科医の視点から社会問題の解決とヘルスリテラシーの向上を目指して活動中。主な著書に、ベストセラーとなった「女医が教える本当に気持ちいいセックス」がある。

教えて先生! 生理ってそもそもなんですか?

生理は「今月、妊娠しませんでした」というサイン

ほぼ毎月、一定のタイミングで、子宮内膜がはがれ落ちることによって生じる出血を「月経(生理)」といいます。次の月経予定日がくる前に妊娠が成立すると、子宮内膜ははがれ落ちず、赤ちゃんのベッドとなるため、月経はおきません。妊娠しておらず、子宮や卵巣が健康にはたらいている場合、「妊娠の準備をしていたけれど、今月は必要ありませんでした。だからリセットします」と、子宮にためていた経血を排出し、月経がきます。
つまり、月経とは「今月は妊娠をしませんでしたよ」というサインなのです。
デトックス効果のような健康上のメリットがあるわけでも、女性の美と健康の維持に欠かせない存在でもなく、単なる子宮内膜の新陳代謝、それが月経です。

おなか、腰、頭の痛み……生理痛はなぜおこる?

月経痛はおもに、はがれ落ちた内膜を排出しようとする子宮の収縮と「プロスタグランジン」という痛みを生じさせる物質によって生じるといわれています。
さきほどもお話ししたように、ある程度の年齢になると女性のカラダは毎月、子宮内膜を厚くし、妊娠の準備をするようになります。しかし「今月は妊娠しなかった」ということがわかると、準備していた子宮内膜がごそっとはがれ落ちます。
はがれ落ちた内膜は子宮にとって異物と認識されます。そして、それらを子宮から排出しようと子宮が収縮するため、下腹部に痛みが生じます。また、内膜がはがれ落ちるときに発生するプロスタグランジンによって、下腹部以外にも腰や頭など、カラダのさまざまな場所に痛みが生じます。月経痛はこのような仕組みがはたらき、生じていると考えられています。

生理の前におこる心身の不調「PMS」「PMDD」とは

月経痛のように月経期間中にあらわれる症状だけでなく、月経前に増加する女性ホルモンの影響で、毎月の月経が始まる直前にココロやカラダに不調が生じることもあります。それらはPMS(月経前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害)とよばれます。
症状は人によってさまざまですが、PMSで比較的多いのは、おなかが張ったり、痛くなったりする腹部の症状です。ほかには全身がむくみやすくなったり、睡眠に影響が出て眠れなくなる、もしくは眠くてたまらなくなったり、メンタル面の症状が現れて、気持ちが落ち込んだり、イライラしたりすることもあります。
なかでも特に精神的な症状が強く出るものを、PMDDといいます。抑うつの症状が強く出ることが多く、発症が月経前に限定されているPMSと違って、月経前以外の時期にも症状があらわれやすいのが特徴です。

生理前~生理中を快適に過ごすためのコツは?

ピル

ピル

ピルはエストロゲンとプロゲステロンという2つの女性ホルモンが配合された錠剤で、排卵を止める作用があります。そのため、避妊のための薬と思われることが多いですが、現在ではつらい月経やPMSなどに悩む人の治療薬として広く用いられています。
価格が高いイメージがあるかもしれませんが、保険診療だと診察料込みで月額1000~3000円ほどの負担です。
飲むのをやめると排卵が再開するため、そう遠くない将来に妊娠の予定がある方にはピルがおすすめです。

IUS

IUS

IUS(子宮内避妊システム)は、プロゲステロン(黄体ホルモン)という女性ホルモンを染み込ませた小さな器具を子宮に挿入し、そこから放出されるホルモンの効果で、つらい月経痛などを防ぐ方法です。一度挿入すると、5年間ほど効果が持続します。子宮内膜が厚くなりにくく、避妊効果もあります。挿入や取り出しは婦人科で行い、効果がなくなる、または妊娠を希望するようになったらすぐに取り出せますが、挿入時の費用が3万~6万円かかるため、月経痛などに悩んでいて、少なくとも数年間は妊娠の予定がない方の選択肢としておすすめです。

月経カップや吸水ショーツなど、生理用アイテムも進化中

ピルやIUSなどで月経をコントロールするのがよいことはわかっていても、やっぱり抵抗がある。もしくはなるべく早く妊娠したいので、ピルやIUSは避けたいという場合でも大丈夫。月経期間を快適に過ごすためのアイテムが充実しているいまは、医薬品以外の方法で快適を追求できます。
例えば月経用アイテムの定番、ナプキンにも立体的にカラダにフィットするものなど、進化したものが出ています。また、腟内に入れて経血や吸収する月経カップや、補助的に使える吸水ショーツなどの新しいアイテムも登場しています。あなたに合ったアイテムを見つけて、月経中もなるべく快適に過ごしてみては。

生理アイテムがそろう、Tomod's×OZmallのコラボ棚が登場

9月1日(木)より、ドラッグストアTomod's(トモズ)およびAMERICAN PHARMACY(アメリカンファーマシー)の一部店舗に「OZmall わたしの保健室」コラボレーションによるフェミニンケアグッズの陳列棚が登場。OZmallで紹介している生理アイテムのほか、Tomod'sバイヤーおすすめのラインナップがそろうので、ぜひ実際に手に取ってみて。あなたにぴったりのアイテムを手に入れて、憂鬱な生理WEEKをもっと快適に過ごそう。
※一部店舗はコラボ棚の開始予定時期が異なります

私の保健室2022Autumn

不安定な状況のなかで気になる、ココロとカラダのプチ不調。病院に行くまでもない・・・と我慢してしまったり、解決策を探そうと思っても世の中には情報が溢れすぎていたり。そんな働く女性たちに寄り添う“保健室”のような存在をオズモールはめざします。
記事や動画、イベント・セミナーなどを通して楽しみながら学んで、ココロとカラダに向き合って、自分らしい美しい花を咲かせて。

※記事は2022年10月11日(火)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります