旅したくなる、日曜プチお悩み相談室 Vol.015/たかのてるこさん【後編】

旅したくなる、日曜プチお悩み相談室

【毎週日曜6:00更新】
日々の暮らしの中には悩みが尽きないもの。そんな日常がちょっぴり息苦しくなった時は、旅に出てみませんか? 旅好きのあの人が、あなたの悩みを解決して素敵な旅先や体験を提案していきます。今回は、“地球の広報”として世界中を駆け巡る旅人・エッセイストのたかのてるこさんが回答する最終回!

更新日:2016/10/30

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【Q お悩み >>>人に心が開けないんです・・・(読者Cさん)】
【A お答え >>>人と仲良くすることよりも大事なのは、自分自身と仲良くなること!“ひとり旅”がオススメです(たかのさん)】

たかのさん「私も昔はおとなしくて、心なんかやすやすと開けなかったので、気持ちはよ~く分かります。超小心者だった頃、私はいつも、(こっちの気持ちを少しは察してよ~!)と心の中で叫んでましたから(笑)。内気な性格の人は、一見、無口だけど、心の中ではものスゴくおしゃべりなんです。口に出すか出さないかだけの違いで、私はこの世の人は全員、おしゃべりだと思ってますね(笑)。


こうなるまでは時間がかかりましたが、今はいつでも心が全開です。心を開けるようになったのは、海外ひとり旅に出るようになってから。「みんなと同じにしなさい」と学校で教わってきたけれど、就活時も入社後も「きみの履歴書や企画書には個性がない」と言われて、凹みまくりました(苦笑)。日本は、学校で教えられてきたことと、社会に出てから求められることがちょっと違うかも・・・。 


このギャップを埋めてくれるのが〈ひとり旅〉。リアルに体験を通して“生きる術”を学べるので、私は全国の区市町村等で講演するときは、万人に〈ひとり旅〉をオススメしてますね。


特に今回発表した海外エッセイ本、『純情ヨーロッパ<西欧&北欧編>』と『人情ヨーロッパ<中欧&東欧編>』の21カ国旅では、“生きる術”を教わりまくり。毎日たどり着いた国で生きることに必死で、人見知りをやってる隙もなかったから、心を全開にする修行になりました。欧州の人たちは気取ってるようで、純情で人情に満ちてますし。


ヨーロッパ旅でつくづく実感したんですが、“生きる喜び”って、人と関わることでしか得られない。人と関わらなかったら傷つくこともない。でも、ずっと家に引きこもってひとりでいれば幸せかといえば、そんなことないですよね? 人に素直になれない人は、自分自身にも素直になれていないような気がします。それなのに、私は心を開かないけどあなたは開いてねというのは、失礼な話ですよね・・・。


人に心を開いてもらいたいなら、まずは自分から。心を開いて嫌われるのを恐れるんじゃなくて、先に心を開いて、相手を好きになっちゃえばどうですか? 人にどう思われるかよりも大事なのは、自分がどう思うか。そして、人と仲良くすることよりも大事なのは、自分自身と仲良くすることです。相手が自分をどう思うかなんて、全く気になりませんから!」



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道を歩くと芸人に出会う、キューバ。ド派手なダンサーチームが踊りながらビーチを歩いていてビックリ!

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元気いっぱいのハバナのちびっこたち。とっても人懐っこくて、陽気!

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“世界で最も人種差別がない国”とも言われるキューバ。意気投合したアミーゴの家族と、鳥の煮込みのぶっかけごはんのディナー(絶品!)

【Q お悩み >>>心を開けない私にオススメの“ひとり旅”の旅先は?(読者Cさん)】
【A お答え >>>ラテンの情熱に触れられるキューバや、素朴で自然体な島人と出会える沖縄離島の民宿へ(たかのさん)】

たかのさん「キューバですね! 私が生まれて初めて、自分を根暗だと思った国です(笑)。キューバ人はとにかく底抜けに明るくて、“ガッハッハ!”ってメチャメチャ大きく笑うんですよ。それまで、自分のことを明るい方だと思ってたんですが、キューバ人に比べると、自分は笑い方も地味で、めそめそした性格だなぁと(笑)。キス&ハグが当たり前で、スキあらば踊りまくるキューバ人たち。実際、おとなしめの日本人がキューバをひとり旅して帰ってくると、キャラが激変してオープンな性格になったって話、よく聞きます(笑)。

実は私も、キューバで激変したひとり。自分のトークイベントや講演後、サインと握手会をさせてもらうことが多いんですが、ハグ付きなんです(笑)。最新の研究では、ハグを交わすと、幸せホルモンが分泌されるそうで。以前はハグなんて滅多にしませんでしたけど、キューバでアミーゴ(友だち)ができて、1日何十回とハグしてるうちに、ラテンの血が注入されて・・・習うより慣れろですね(笑)。

誰とでもビッグハグを交わせて、ハグで幸せを感じることができるようになれたのは、キューバのおかげ。心を開きたい人や人見知りを直したい人には、荒療治になる国かと。人間は感情をコピーし合いながら生きているので、元気で明るい人たちといると、自分もいつの間にか感情がコピーされてアガッちゃう。日本人は真面目で未来の心配をしすぎなので、ラテンの生き方にあやかった方がいいと思います。

国内だったら沖縄の離島。生きることを思い切り楽しんでいる島人の民宿に泊まれば、自然と心を開けると思います。民宿でふだんは絶対会えない種類の旅人たちと酒を呑みかわして、心を解放してみては? キューバも沖縄離島も治安がいいエリアですし、心を開くポイントはひとり旅なので、ぜひひとり旅をオススメします!」


旅したくなる、日曜プチお悩み相談室 Vol.014_05

沖縄の波照間島の“日本一のビーチ”はクリームソーダ色で、ため息が出る美しさ。ホテルも売店もなく、手つかずの大自然の中で、美しい海だけをシンプルに堪能できる!

旅したくなる、日曜プチお悩み相談室 Vol.014_06

石垣島のゆる~い“海人民宿”のおとうさん、元気なおじい&おばあと乾杯♪ 昼は、漁師のおとうさんと船に乗って海を満喫し、夜もファミリーと宴会。内地では考えられない、こってり濃厚なおもてなしで、沖縄離島の魅力にハマりました(笑)

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波照間島の民宿では、魚釣りやサイクリングを教えてくれた宿主の“なかよし島兄弟”と飲んで語って大盛り上がり。パッションフルーツやパイン漬けの泡盛等、島兄弟の作ったフルーツ泡盛の美味さに感激! 

【今回の回答者】たかのてるこさん

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♪ PROFILE

旅人・エッセイスト。「世界中の人と仲良くなれる!」と信じ、60カ国を駆ける旅人。大学在学中に海外ひとり旅に開眼。映画会社・東映のテレビプロデューサーを18年務め、2011年、東映の退社後は、ラブ&ピースな“地球の広報”として、執筆、テレビ、ラジオ、大学講師、講演などで活躍中。デビュー作の紀行エッセイ『ガンジス河でバタフライ』(幻冬舎)は、若者たちの“旅のバイブル”として15万部のベストセラー。『キューバでアミーゴ!』『ダライ・ラマに恋して』『サハラ砂漠の王子さま』『モロッコで断食』(以上、幻冬舎文庫)、高野山でプチ修行したり、波照間島や石垣島、黒島、久高島等、沖縄離島巡り旅を収録した『ど・スピリチュアル日本旅』(幻冬舎)など著書多数。


♪♪ INFORMATION

ヨーロッパ21カ国を2ヵ月間でめぐる15000キロの鉄道旅をつづった海外エッセイ『純情ヨーロッパ<西欧&北欧編>』と『人情ヨーロッパ<中欧&東欧編>』(ダイヤモンド社刊)。〈ヌーディスト・ビーチの聖地〉で真っ裸になり裸のつき合いを経て“真っ裸な心”をゲットしたり、イタリアで幸せに暮らす友と再会したり、下町が舞台のドラマに出てくるような人情深い人たちと出会い、呑み語り笑い合ううちに、“人生、ゆるし、ゆるされて”の境地に・・・。読むと生きるのが楽になる! 抱腹絶倒の爆笑ヒーリングエッセイをたっぷり収録。

WRITING/MAKI FUNABASHI  PHOTO/YUKO CHIBA

※記事は2016年10月30日(日)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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