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2月から事前イベントも!3月2日と3日の2日間、京都で「ARTISTS' FAIR KYOTO 2019」開催

更新日:2019/02/09

47都道府県では、まだ知らなかったローカルのいいものに出会えるイベントがたくさん。ここでは日本有数のお祭りから地元の人と触れ合える小さな催しものまで、次の旅のヒントにしたいイベントを編集部がご案内。今回は、いつ訪れても四季折々の情緒が楽しめる京都で、2019年3月2日(土)と3日(日)に開催される「ARTISTS' FAIR KYOTO 2019」と事前イベントについてご紹介。この機会に、アートに触れる京都旅を計画してみては。

左から、「2つの女の子」/髙木智子・作、「決シテ瞋ラズ」/西垣肇也樹・作

作家との交流も!美術展にもギャラリーにもない刺激的なアート体験を京都で

絵画、立体作品、パフォーマンスなど、若手アーティストたちの作品が集う。写真は「365 apartments」/広瀬菜々&永谷一馬・作

人気の観光地としてだけでなく、文化や芸術への造詣も深いことからアートに親しむ街としても多くの人に愛されている京都。そんな町の中で、2019年3月2日(土)~3日(日)の2日間にわたり、「ARTISTS' FAIR KYOTO 2019」が開催される。京都府主催の同フェアは、2018年に続き2回目の開催となる。

ディレクターは前回と同じく現代美術家の椿昇。アドバイザリーボードに薄久保香、大庭大介、加茂昂、塩田千春、髙橋耕平、名和晃平など第一線で活躍するアーティスト13名を迎え、20代・30代の若手アーティストを推薦。今回、推薦・公募によって選ばれた43組の作品を中心に、アドバイザリーボードからの応援出品を含む200点以上の作品(2万円台?の予定)が2つの会場に集められる。ペインティングから映像にパフォーマンスまで、幅広いジャンルの作品が揃う。さらに、日本とインドから招待する2名の新進作家、笹岡由梨子とサヘジ・ラハルの競演も見どころのひとつなのだそう。

アート初心者でも直接作家と交流していろんな角度から作品を見みつめることで自分の好みに思えてくることも/2018年より

同フェアは、もともとアーティスト自らが作品を鑑賞する人に届けるという趣旨のもと始まったイベント。ゆえにその大きな特徴は、アーティスト本人が会場に立ち、その作品創作の背景や見どころなどを自ら解説してくれるということ。直接作者とコミュニケーションをもつことで初めての人でも作品への理解を深めやすく、より楽しく鑑賞することができる。気に入ったものが見つかれば、もちろん購入することもできる。

また、展示方法がユニークなのも特徴的。通常のフェアだと作品ごとに展示スペースが区切られているのだけれど、同フェアでは区切りがない。会場全体に統一された世界観の中で、アーティストたちはそれぞれの作品を展示、販売する。美術展でもなくギャラリーでもなく、単なるアートフェアでもない、アーティストと交流する新たな空間といえそう。作品に秘められた作者の思いを知ることで、感性が刺激され自分好みのアートに出会うことができるかも。

会場の1つ、京都府京都文化博物館 別館のホール。レトロモダンな落ち着いた空間でじっくり現在アートを楽しんで

会場となる2つの建物は、いずれも趣のある佇まい。京都府京都文化博物館 別館(旧日本銀行京都支店)は、明治時代に建てられた赤レンガ造りの洋風建築。東京駅の建築で知られる辰野金吾と、その弟子で数々の日本銀行建築を手がけた長野宇平治が設計したもので、国の重要文化財にも指定されている。建物に足を踏み入れるだけで、重厚な美しさを体感できるはず。そんなクラシカルな風情ある空間と、そこに展示されるエネルギッシュな現代アートとのギャップが刺激的に感じられるかも。

一方、京都新聞ビル 印刷工場跡は、コンクリートや配管などがむき出しになったような工場ならではの質感が非日常を感じさせる空間。こちらでは、笹岡由梨子とサヘジ・ラハルが競演を繰り広げるほか、映像やインスタレーション、パフォーマンスの作家が出展する。この場所は、通常は非公開となっているので、この機会に訪れてみては。
2会場は徒歩で15分程度の距離にあるので、京都の街並みを楽しみながら歩いて移動するのもおすすめ。

左上から時計回りに、「New Aperitif」に出品の荒木悠の過去作品、「クリスタル☆ポリゴン」展より木村翔馬の作品、「下鴨プレアデス」展より香月美菜の作品、「花を形成するプロット-episode Kyoto-」展より宮田彩加の作品

また、同フェアに先駆け、事前イベントの「ARTISTS' FAIR KYOTO 2019:BLOWBALL」も2月から開催される。こちらは、飲食店にホテル、オフィスという身近な場をアートの展示会場とした催しで、若手アーティストが市内の5会場とコラボレーションして作品を展示・販売する。

会場となるのは、京都・錦市場からほど近い、築約100年の町屋をリノベーションしたレストラン「スプリングバレーブルワリー京都」や“アート”と“ホステル”を合わせ、展覧会の中に宿泊し、美術を“体験”し深く味わえるという宿泊型アートスペース「KYOTO ART HOSTEL kumagusuku」、スクール、ライブラリー・コワーキングスペース、ギャラリーが併設された「ワコールスタディホール京都」、創業安政三年の京料理の老舗「下鴨茶寮」。会場ごとに展示内容や開催日程が異なるので、ホームページなどで事前の確認をお忘れなく。

それぞれに趣の違う空間の雰囲気を楽しみながらアートを鑑賞するのもいい。京都で過ごす時間をいっそう優雅に、そして充実したものにしてくれるはず。

ARTISTS' FAIR KYOTO 2019:BLOWBALL

■ワコールスタディホール京都「花を形成するプロット-episode Kyoto-」
開催日程/2019年2/1(金)?3/30(土)、開催時間/火?金曜10:00?20:00/土曜10:00?17:30、休館/日・月曜・祝日、住所/京都市南区西九条北ノ内町6ワコール新京都ビル1階、展示作家/宮田彩加、内容/生命力あふれる花をモチーフに通常とは異なる質感の美しい刺繍作品、入場料/無料
■スプリングバレーブルワリー京都 中庭・洋館「New Aperitif」
開催日程/2019/2/16(土)?3/3(日) ※展示のみ月曜休、開催時間/日によって異なる、住所/京都市中京区富小路通錦小路上る高宮町587-2、展示作家/荒木悠、作品/はざま(内容:異文化の断片がつながることで、新しい物語が紡がれていくスペインと韓国で撮影された物語の映像作品)、入場料/無料 ※店内の飲食は実費が必要 ※開催時間、特典についてはサイトで確認を
■KYOTO ART HOSTEL kumagusuku「クリスタル☆ポリゴン」
開催日程/2019年2/23(土)?3/10(日)(1回目13:00?13:40、2回目18:00?18:40)、開催時間/平日16:00?21:00、土日13:00?21:00、住所/京都市中京区壬生馬場町37-3、展示作家/木村翔馬、作品/クリスタル☆ポリゴン(内容:ヘッドマウントディスプレイをつけて3DCGの空間の中に入り鑑賞する立体的な絵画作品)、入場料/無料 ※オープニングイベント=2/23(土)
■下鴨茶寮
開催日程/2019年3/2(土)?3/3(日)、開催時間/11:00?20:00、住所/京都市左京区下鴨宮河62、展示作家/香月美菜・木村舜・品川亮・能條雅由、内容/老舗料亭の和の空間と4人の若手アーティストたちの現代アートが競演、入場料/無料 ※店内の飲食は実費が必要
■BnA Alter Museum制作現場ナイトツアー
開催日程/2019年3/2(土)?3/3(日)、開催時間/19:00?20:30、住所/京都市下京区天満町267-1、参加作家/EY∃(BOREDOMS)・AOKI takamasa・梅田哲也・大平龍一・香月美菜・河原尚子(SIONE)・河野ルル・Sai・菅本智・中野裕介(パラモデル)・真鍋大度(Rhizomatiks)・三嶋章義・ミズグチグッチ(赤犬,みにまむす)・Mon Koutaro Ooyama(#BCTION,DOPPEL)・油野愛子、ツアー内容/参加アーティストによる独自の空間作品ART ROOM[宿泊部屋]31室など制作中の施設全体を見学)、入場料/無料、参加申込方法/メールで申し込み(締切2/12)※申し込みについてはサイトで確認を

ARTISTS' FAIR KYOTO 2019

イベントDATA

イベント名
ARTISTS' FAIR KYOTO 2019
開催場所
京都府京都文化博物館別館、京都新聞ビル印刷工場跡
開催日程
2019年3月2日(土)?3日(日)
開催時間
10:00?18:00
入場料
1000円(学生無料・要学生証) ※京都新聞ビル印刷工場跡は無料
アクセス
京都府京都文化博物館別館/地下鉄「烏丸御池駅」5番出口より徒歩3分、市バス「堺町御池」停留所より徒歩2分ほか 京都新聞ビル印刷工場跡/京都市営地下鉄「丸太町駅」7番出口よりすぐ
お問い合わせ
TEL075-414-4222( 10:00?17:00/土・日・祝休み)
ホームページ
「ARTISTS' FAIR KYOTO 2019」HP

WRITING/KAZU SASAKI

※記事は2019年2月9日(土)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります