いちごの品種は全国各地で多彩な品種が誕生しており、味わいや香り、大きさや色などの見た目も個性豊か。その数、日本だけでも約300種もあるって知ってた!? 今回は、「今おすすめの5品種」をいちご研究家でいちごスイーツ専門店を営む渡部美佳さんが選出し、それぞれの魅力をレクチャー。あまりん、おいCベリーなど、お取り寄せしてでも食べたい、ちょっと珍しいいちごを中心にご紹介。
あまりん
新品種作りをしていなかった埼玉県が、2016年に満を持して発表した、埼玉県でしか栽培されていない品種。日本野菜ソムリエ協会主催の品評会「全国いちご選手権」で2023年、2024年の2年連続で最高金賞を受賞したのも、この「あまりん」。
「『やよいひめ』を親に持つので酸味が少なく、香りと甘さが強く感じられるのが特徴です。いちごミルクの飴のような甘い香りがあります」(渡部さん)
おいCベリー
甘みと酸味がともに強いもののバランスが良く、いちごらしい味わいがダイレクトに楽しめる「おいCベリー」。表皮と断面はきれいな真っ赤で、見た目の良さもポイント。
「すごく優れた品種ですが、なかなか生産者が増えず、少し珍しい品種です。11月の終わり頃から6月くらいまでの長い期間楽しめ、味と見た目が時期によって変化しにくい特徴も。お菓子にも使いやすいんですよ」(渡部さん)
やよいひめ
2005年に生まれ、現在では青果店やフルーツにこだわるスーパーでも手に入る人気の品種。酸味が少ないため甘さがダイレクトに感じられ、表皮の鮮やかな赤と、赤に染まった断面の美しさも魅力的。
「暖かくなってくるといちごの味は落ちますが、やよいひめは、3月を意味する“弥生”が名前についている通り3月が旬。特においしいタイミングの3月に食べてみて」(渡部さん)
恋みのり
ぷっくりとした逆三角形がかわいい「恋みのり」は、そのネーミングからバレンタインのプレゼントに人気。輸送に適したしっかりとした果皮を持つ。
「緻密な果肉の中に水分がギュッと閉じ込められており、焼いても果肉感が残ります。いちごらしい甘酸っぱい味わいで、しっかりと酸味があるもの焼き菓子にぴったりなポイントです」(渡部さん)
スターナイト
「スターナイト」は、甘みの中に爽やかな酸味が感じられるフルーティーな風味。艶やかな赤は表皮だけでなく、断面を見ても葉の付け根から先までも染まっていて、カットしてスイーツに使うのにもぴったり。種苗会社が開発しているため、新品種ながら全国で栽培され、比較的手に入りやすい。
「酸っぱさとは異なる酸味が珍しく、初めて食べた時に『新しいな』と感じました。ほかにはない味わいのいちごです」(渡部さん)
フレッシュいちごを食べ放題で楽しめるビュッフェにも注目
珍しいいちごを探したりお取り寄せしたりするのはなかなか個人でやるのは大変! それなら、レストランのおすすめするフレッシュいちごの食べ放題付きビュッフェに出かけてみては? いちごはもちろん、おいしいスイーツやセイボリーまで楽しめて一石二鳥。
協力してくれたのはこの人
- 渡部美佳(わたべ・みか)
- 京都のいちごのお菓子専門店「メゾン・ド・フルージュ」の店主。大切にしているのは、お菓子を通して見た目や味わい、つぶつぶ感など、いちごの魅力を伝えること。今後は、それぞれの品種の特徴をもっと味わってもらえるお菓子を作っていきたいという。
- ホームページ
- 「メゾン・ド・フルージュ」公式HP
【2025特集】大好きな誰かと いちごスイーツ
いちご、それは誰にとっても「幸せな記憶の象徴」。幼少期の誕生日ケーキ、デートで食べたいちごパフェ・・・。大人になった今、いちごスイーツにときめくのは、誰かとの幸せの記憶が心のどこかに棲んでいるからなのかも。そこで今年は「大好きな誰か」と楽しむいちごスイーツをご提案。パフェ、ビュッフェ、アフタヌーンティー。みんなで囲むテーブルで、笑顔になってまたひとつ。いちごとの幸せな体験、ここから増えますように。
※いちごの味の評価・コメントの内容については、サンプル品を実食した際の感想によるものです。贈答や常食向けなど、個体差があることをご了承ください
※いちごの特徴をわかりやすくするため、カメラ位置を固定して撮影しています
PHOTO/KATSUMI SATO WRITING/MARIA KAWASHIMA