ドッグフードを簡単に砕くには?百均でも揃うおすすめの道具や注意点

硬くて小さいドッグフードを砕くには、どんな道具を使えばいいのか。硬いイメージがあるドッグフードだが、道具さえあれば簡単に砕ける。この記事では、百均でも手に入るアイテムでドッグフードを砕く方法を紹介する。ドッグフードを砕くメリット、デメリットや、与える際の注意点も解説しているため、愛犬に砕いたフードを与えたい人はぜひ参考にしてみて。

更新日:2023/10/16

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お話を聞いたのは・・・

「chicoどうぶつ診療所」獣医師 林美彩さん

酪農学園大学獣医学部卒業。大学卒業後、自身が代替療法と出会ったことで、動物の体に優しい治療法や食事・環境の見直し、飼い主の心のケアの大切さ等を伝えていくため、2018年に『chicoどうぶつ診療所』を開業。往診を中心に、精力的に診療を続けている。

<著書>
獣医師が考案した 長生き犬ごはん」(世界文化社)2019/12/18
獣医師が考案した 長生き猫ごはん」(世界文化社)2020/11/13
『獣医師が考案した一汁一菜長生き犬ごはん こだわりの安心レシピ&作り置きOK!』(世界文化社)2022/1/26

<公式サイト・SNS>
chicoどうぶつ診療所HP
Instagram:@chico_ah_323
Amebro:https://ameblo.jp/tinkerbell19850323/

1.百均で買えるものも!ドッグフードを簡単に砕く方法とおすすめの道具

ドッグフードを砕くには、棒で叩く、調理器具で粉砕するなどの方法がある。砕きたい形状や大きさに合った道具を選んで、簡単にドッグフードを細かくしよう。ここでは、ドッグフードを砕く方法と必要な道具を5種類ご紹介。

1-1.包丁やハサミで切る

包丁やハサミはどんな家庭にもあり、一粒ずつドッグフードを砕くことができる道具。時間はかかるが、確実にドッグフードを割りたい人におすすめ。

均等に二等分したい場合は、薬をカットする際に使用する「ピルカッター」も使いやすい。ただし、丸く厚みのある形状の粒は不安定でうまく割れにくいため、平たい粒や細長い粒のドッグフードに使おう。

1-2.金づちやめん棒で叩く

真上から叩くようにすると、ドッグフードの粒は簡単に砕ける。なるべく楽に砕くには、金づちやハンマー、めん棒、ペンチなど重みがあり叩きやすい道具を使うとよい。ドッグフードは袋に入れてから叩けば、匂いの付着や飛び散りを防げる。

金づちやめん棒を使うとそれなりに大きな音が出るため、神経質な犬や臆病な犬と暮らしている場合は要注意。音が響かないようタオルを敷くか、犬のいない部屋で砕くよう心がけよう。

1-3.すり鉢とすりこぎでつぶす

ゴマなどをすりつぶす用途の「すり鉢」と「すりこぎ」でも、ドッグフードを砕くことは可能。すり鉢にドッグフードを入れ、すりこぎで上から押しつぶすようにして砕こう。一度にたくさん入れると砕きにくくなるため、少量ずつ入れるのがポイント。

ミニすり鉢セットなどは百均でも取り扱っている。力加減次第で砕き具合や大きさは調整できるため、手軽に砕ける道具を探している人は近くのお店を探してみて。

1-4.ミキサーやコーヒーミルで粉砕する

ミキサーやコーヒーミルなどの調理器具を使えば、一定量のドッグフードを一気に粉砕できる。ミキサーは細かさの調整が難しい一方、コーヒーミルは理想の大きさにしやすいのが特徴。
百均でも売っているが、できるだけ手間と時間をかけたくない人には電動タイプの少し高価なものがおすすめ。

なお、使用済みのコーヒーミルにはカフェインが付着している可能性がある。カフェインは犬にとって有害な成分で、摂取すると嘔吐や下痢、ふらつきなどの中毒症状がみられる場合も。
コーヒーミルでドッグフードを砕きたい場合は新品のものを購入し、人用にはけっして使用しないようにしよう。油分や匂いが残らないよう、使用後はよく洗うことも大切。

1-5.ペット専用フードクラッシャーで砕く

ペットフードを砕くために作られた「フードクラッシャー」を利用するのも手。フードクラッシャーは特殊な形状の刃が回転し、中に入れたドッグフードを少しずつ粉砕してくれる。分解して洗え清潔さも保ちやすいため、長期間継続してドッグフードを砕きたいときにおすすめ。
充電式でボタンを押して砕くタイプと、手動で大きさを調整して砕くタイプがある。

2.ドッグフードを砕くメリット、デメリット

2-1.ドッグフードを砕くメリット

ドッグフードを砕くことの大きなメリットは食べやすくすることだけれど、実はそれだけではない。ここでは主に3つのメリットをご紹介するのでチェックして。

食べやすくなる

ドッグフードを砕けば、超小型犬や小型犬も食べやすい粒サイズになる。「思ったより粒が大きくて食いつきが悪かったけれど、砕いて与えたら食べてくれた」というケースも珍しくない。ドッグフードを買い変える手間もかからず、経済的にも助かるのが嬉しいポイント。

特に外国産のドッグフードは粒サイズが大きいものも。食べやすい大きさに砕いてあげることで口が小さい犬も難なく食べることができ、より愛犬に合った栄養価のものを選べる。

犬の嗜好性が高まる

食べやすい粒サイズというだけでも、ドッグフードの嗜好性は高まる。対して食べにくいドッグフードは途中で食べ疲れてしまう可能性があり、犬の食欲低下の原因になることも。
ドッグフードの食いつきが悪い場合は粒サイズが原因の可能性もあるため、試しに食べやすいサイズに砕いたものを与えてみるといい。

ふやかしやすくなる

愛犬にふやかしたご飯を与える場合は、ドッグフードを砕くとふやかしやすくなる。ふやかすことで消化吸収がよくなり、水分補給にもなるのがメリット。また、満腹感が得られやすく、香りが立つことで食欲も刺激できる。ふやかすのに時間がかかるとお悩みの飼い主さんは、フードの粒を砕いてみて。

2-2.ドッグフードを砕くデメリット

犬の嗜好性を無理なく高められる一方で、ドッグフードを砕くにはデメリットもある。ここでは、ドッグフードを砕く主なデメリットを3つ解説する。

傷みやすくなる

ドッグフードを砕くと表面積が増えて空気に触れやすくなり、風味や香りが落ちる。くぼみも増えるため、雑菌の繁殖による劣化や傷みには注意が必要。ドライフードの魅力である「長期保存」も難しくなり、扱いが面倒になりがちなのは大きなデメリットといえる。

歯垢がつきやすくなる

ドライフードを砕いた際に出るカスは、犬の歯の隙間に入り込みやすい。犬の場合、歯についた歯垢は2~3日で歯石に変化し、こすっても取れなくなるので要注意。こまめにデンタルケアをして、口腔内にカスが残らないようにしよう。

砕いたフードが犬の歯の隙間に挟まってしまった場合でも、たいていは歯磨きで取れるので心配しないで。食後に水をしっかり飲ませて洗い流すという方法も有効。

砕きすぎるとむせる可能性がある

粉状になるほどフードを砕いてしまうと、犬が食べる際にむせて咳込む可能性がある。特に飲み込む力が弱い老犬では、誤嚥による肺炎を起こす危険もあるため注意して。
また、ドッグフードの粉が周囲に散らばりやすくなる分、掃除の手間がかかったり衛生を保ちにくかったりするのも、ドッグフードを砕く欠点といえる。

3.ドッグフードを砕くのがおすすめの犬

以下5つのいずれかに当てはまる犬には、ドッグフードを砕いて与えるのがおすすめ。ここでは、ドッグフードを砕いて与えるのがおすすめの犬とその理由を解説する。

3-1.老犬や子犬

かむ力が弱い老犬や子犬には、ドッグフードを砕いて食べやすくしよう。小さく砕くことで消化時間も短くなり、胃腸にかかる負担を少なくできる。高齢になると歯周病などの口腔内トラブルが見られ、フードをかみにくくなる犬もいるため、少しでも食べやすい工夫をしてあげて。

3-2.体が小さい犬

体が小さい犬は口や歯も小さく、大粒のドッグフードは食べにくい。食べるのに労力がいるドッグフードは食いつきが悪く、食べ残しが増える原因になる。
また、犬は食べ物をあまりかまず丸飲みする習性がある。合わない大きさのドッグフードを無理に飲み込んだ結果、のどに詰まってしまう可能性も。

3-3.大粒フードが苦手な犬

体が大きいからといって、必ずしも大粒フードが得意な犬ばかりではない。大粒フードが苦手な犬は、口の端からぽろぽろとこぼしたり、口に入れては出してを繰り返したりといった行動が見られる。
愛犬がドッグフードを食べづらそうにしている場合は、食べやすい大きさに砕いて与えてあげるとストレスを感じにくい。

3-4.食が細い犬

食が細い犬にも、ドッグフードを砕いて与えるのがおすすめ。ドッグフードの食いつきが悪い場合、形状や硬さが原因で食べにくいのかもしれない。ドッグフードを食べやすい大きさに砕いてあげることで食いつきがアップする場合もあるため、ぜひ試してみて。

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3-5.フードの選択肢が限られている犬

ドッグフードにはさまざまな商品があり、原材料や粒サイズ、栄養価のバリエーションも豊富。しかし、好き嫌いやアレルギーが多かったり、病気療養中で療法食を食べさせていたりする場合は、フードの選択肢が限られてしまうことも。
ドッグフードを砕いて与えれば粒のサイズを気にする必要はなく、より多くの商品から愛犬に合うものを選べる。

4.ドッグフードを砕くときの3つの注意点

ドッグフードの劣化や愛犬の体調不良を防ぐには、正しい方法でドッグフードを砕くことが大切。ここでは、ドッグフードを砕く際の注意点を3つ解説する。

4-1.細かくしすぎない

誤嚥によるむせや歯垢の付着を防ぐため、ドッグフードを砕くときは細かくしすぎないようにしよう。ドッグフードは細かくするほど劣化スピードが早くなり、風味や香りも早く落ちる。せっかく手間をかけて砕いても食べてくれない可能性が高まるため、ドッグフードを砕く場合は適度な大きさを意識して。

4-2.与える分だけ砕き長期保存はしない

ドッグフードは砕くと傷みやすくなるため、面倒でも1食分ずつ食事の直前に砕くことが大切。劣化したドッグフードは犬の食いつきが悪いだけでなく、食中毒の原因になることもある。砕いた状態での長期保存は避け、必ず1回で食べきれる分だけ用意しよう。

4-3.歯磨きなどデンタルケアはしっかり行う

砕いたドッグフードを与えた後は、犬用歯ブラシで入念に歯を磨こう。歯ブラシで歯の隙間に入り込んだカスをきちんと取り除けば、口腔内をキレイに保ちやすい。どうしても歯ブラシが苦手な犬には、デンタルガムやおもちゃを使って口腔内の衛生を維持して。

5.ドッグフードをふやかすと砕きやすくなる

より楽にドッグフードを砕くなら、あらかじめふやかしておくのがおすすめ。ドッグフードを耐熱容器に入れ、40℃程度のぬるま湯をひたひたになるまで加えよう。ラップをかけて10~15分ほど待てばドッグフードが水分を吸ってふやけ、柔らかくなる。

また、ドッグフードは電子レンジでもふやかせる。ぬるま湯を入れた容器を電子レンジに入れ、500w10~30秒を目安に少しずつ加熱して。自然にふやけるのを待つ方法に比べて短時間で完成するため、超小型犬など「フードを砕いてもまだ食べづらそう」というときにおすすめ。

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※記事は2023年10月16日(月)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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