ふたりらしいリビングを作るには?

更新日:2019/02/12

インテリアのセンスや好みが違っても、お互いに気に入った家具を上手に取り入れて、ふたりがくつろげる家にしたい。そんな空間作りは意外と難しくありません。日本一インテリア好きが集まる「アクタス」スタッフのお家作りを参考に、リビングの彩り方を見てみましょう。

帰るのが楽しみになる素敵な家はメリハリ上手

OWN-F DINING TABLE (122040円/アクタス)

ふたり別々のことをしていても時間を共有できるダイニングテーブル

帰る時間、ごはんの時間、眠る時間。それぞれ違うふたりだからこそ、ダイニングには大きめの長テーブルを。

例えば、パソコンを開いて仕事をしている彼と、読書をする彼女。別のことに熱中するふたりの空間を守りつつ、さりげなく一緒の時間を共有できます。写真の「OWN-F DINING TABLE」は、横長のサイズでそんなふたりにぴったり。テーブル選びは「大は小を兼ねる!」。友人を招くときも家族が増えたときも安心です。

それぞれの好みの椅子を持ち寄ってもOK

自分のものを持ち寄るふたり暮らし、異なるテイストの椅子でも並べてみるとすんなりなじむものです。椅子で遊ぶ分、テーブルはシンプルなものにするのがポイント。座る人の数を限定しない、汎用性の高いベンチも人気です。

座るだけでなく、ものをかけたり、置いたりと、いろんな用途でずっと使えるものだから、椅子を買う場合は妥協せずにお気に入りの1脚を見つけたいもの。

放ったらかしにしがちなアレコレに定位置を

脱ぎっぱなし、置きっぱなしにしがちなコートやバッグ、帽子に、いつまでも部屋が片付かない・・・。というのはよくあるケンカの原因。ならば、最初から置き場所を作ってしまうのがいちばん。衣類をかけるラダーラックとバッグを置ける椅子をセットで配置したり、壁にハンガーラックを取り付けたりして、持ち出しやすく、しまいやすい“見せる収納”を心がければ実用的。生活動線を考えて、とにかくすぐ置ける場所に設置するのがコツです。

たとえ部屋が狭くてもグリーンは諦めない

ひとつ置けば、たちまち空間をみずみずしく変えてくれるのがグリーン。小さなものなら本棚に置いたり、天井からつるしたりと、さまざまな形でディスプレイできるから、コンパクトなお部屋でも取り入れたいもの。

枯れにくいサボテンや多肉植物は今も人気継続中。最近はエバーフレッシュといった枝葉のあるグリーンも人気。テーブルやキッチン周りにいくつか置いて、いわば「育てるインテリア」をふたりで一緒に楽しんでみましょう。

見せる棚を趣味で彩る

ふと眺めるだけでもリラックスできる趣味のアイテム。最近は、こうした趣味の本や雑貨を自由にディスプレイして、眺めて楽しむ“見せ棚”が人気に。大きな棚を買って、ふたりでスペースを分け合い、ときには旅行や写真など共通のスペースも作ったり、年月を重ねるごとに棚も育っていくものです。

お気に入りの本は表紙を見せ、雑貨はまとめて並べるなど、「面」や「点」で空間にメリハリをつけるのが、ものが多くてもすっきり見せるコツ。

「OWN-F FLAT SOFA」(89640円/アクタス)

可動式のインテリアを活用する

スペースが限られた住居には、リビングとダイニング兼用のテーブル、椅子が人気。そこで食事もできてくつろげる、そんな暮らし方がひとつのトレンドになっています。さらに、写真手前の「OWN-F FLAT SOFA」なら、来客時はソファに、ふたりのときはカウチにと、脚に車輪が付いて簡単に移動可能。それぞれのシチュエーションに最適な配置へ。日々の掃除やラグの取り換えもしやすいというメリットも。

小物を入れるものは器でもなんでもよい

「あれ、どこに置いたっけ?」となりがちな家のカギ、置き場に困る小銭やポケットに入れたティッシュなど、出かけるときに持ち出した細々としたものにも定位置を。

例えば、器好きなふたりなら器、デザイン好きなふたりならお気に入りのデザインの箱など、写真のようにお店のディスプレイのような品のいいカルトン(トレイ)もよし。次の日に小物を探し回ることもなくなり、さらに好きなものを置く場所が増える一石二鳥の解決策。

ふたりの個性が混ざり合う世界にひとつのリビング

ひとり暮らしのときならインテリアもなにもかも、全部自分の好みで家のものを揃えることができました。でも、ふたりになるとお互いの好みも個性もバラバラなことも。そんなふたりが気持ち良く過ごせる空間の作り方って?

「無理矢理テイストを統一してインテリア選びをするよりも、お互いの個性を認め合いながらミックスさせていったほうが楽しいし、ふたりならではの空間ができますよね」と言うのは、インテリアショップ「ACTUS」の広報・兼松可奈さん。
「例えば、椅子や照明は同じものが揃っていなくても、むしろバラバラなほうがほどよい力の抜け具合でリラックスできる空間に。それぞれが使っていたものを持ち寄ってもいいでしょうし、ふたり暮らしスタートの記念にそれぞれの好みの椅子を新調するというのもいいですね」

ふたりが使っていた家具を配置するときのポイントは?
「一見、組み合わせが悪そうな色やデザインの家具同士でも、ものがぎゅっとまとまった密な場所と、なにも置かない余白の場所とメリハリをつければ意外とまとまるものです。そうすると、異なる個性が詰まった部屋でも、なぜか統一感を感じる。そんな印象の、世界にひとつの部屋になるはずです」(兼松さん)

本に教えてもらうなら
『明るい部屋――写真についての覚書』

著者
ロラン・バルト
発行
みすず書房
おすすめポイント
やや難解な1冊ながら、置いてあるだけで心地良く美しい装丁はインテリアとしても。どこから読んでも美文の宝庫で、気が向いたときに好きなページに目を通すのがおすすめ
あらすじ
私事について語ることの少なかった写真家バルトが、母の死について触れ、それと同時に自身の写真論の核心に迫った1 冊。現象学的な方法によって彼が証明しようと試みた、写真の本質とは一体どのようなものか? 美しい文章と美しい写真の調和を楽しみたいエッセー集

【特集】本が教えてくれる、はじめてのふたり暮らし

はじめてのことをするとき、本は道しるべになってくれます。具体的な対応策や、思いも付かないようなアイデア、気付きや考え方のヒントを与えてくれたり。それは「ふたり暮らし」もきっと同じ。みなさんの暮らしのお悩みや疑問を、本を軸に解決策をご提案する特集です。

PHOTO/HIROAKI TAMURA TEXT/AYAHA YAGUCHI

※記事は2019年2月12日(火)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります