寝言には「レビー小体型認知症」や「レム睡眠行動障害」などの病気が隠れていることもあるけれど、若い人にはまれとのこと。「寝言そのものは病気ではなく、睡眠時に脳内で記憶の整理をする過程で発語してしまう現象であることがほとんどですので、あまり心配する必要はありません」と、山本さん。
しかし、寝ているにもかかわらず声を発しているということは、心身がストレス状態にある可能性もあるという。臨床心理学では歯ぎしりをストレス性の心身症として捉え、呼吸法などによるストレス低減が有効だとする研究(※)もある。寝言を歯ぎしりと同じようにとらえるのであれば、ふだんの生活のなかで何か悩みを抱えていないか振り返ってみて。ストレスをケアすることで寝言が減り、同時に睡眠の質もアップするかも。
※参考資料/廣瀬 俊司, 建林 学, 斎藤 久美, 吉川 悟 (2015) ブラキシズムの心理的要因の研究 : リスク要因の分析、心身医学,Vol.55,No.7, pp. 864-872
教えてくれた人
山本貢司さん
田園調布カウンセリングオフィス所長。臨床心理士、公認心理師。銀行を退職後、横浜国立大学大学院にて臨床心理学を修め、脳神経外科・心療内科にて心理カウンセリングを担当する。2007年に臨床心理士を取得。脳神経外科・心療内科の非常勤として数年間勤務した後、2013年に田園調布カウンセリングオフィスを開設。心理学専門書の翻訳協力多数。
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WRITING/ATSUKO HABU