過労や夜ふかしが多い人は「安眠(あんみん)」のツボを押そう
東洋医学では、不眠の傾向は大きく3つのタイプに分けられるのだそう。そのうち、「疲れて眠気はあるのに眠れない」「夢をよく見る」「眠ってもすぐに目が覚める」などの傾向がある人は、過労や夜ふかしなどで血(けつ≒血液)が不足しているタイプだと、上之原さん。
「過労や夜ふかしは血を消耗してしまうため、血が不足しやすくなります。目を使いすぎている人もこのタイプに多く見られます。血は精神活動に関係すると考えられ、不足すると心が落ち着かず睡眠の質が低下しやすいと考えられます」(上之原さん)
このタイプは、寝る直前にスマホやPCを見ることを避ける、血を補うとされるナツメを毎日2~3粒食べることなどが、睡眠の質を改善するポイントに。
さらに寝る前に、耳の後ろの下向きにとがっている骨の先端から、指1本分下にある「安眠(あんみん)」のツボを押してみよう。両手の親指を左右両側のツボにそれぞれあてて、6秒間ぐりぐりと押してみて。これを5回繰り返すと、心身がリラックスして眠りが促されるように。
ストレスで興奮して眠れない人は「失眠(しつみん)」のツボが効果的
「夜になっても頭がさえて寝つけない」「嫌な夢を見ることがある」「夜中に驚いて目が覚める」といったことに心当たりがある人は、ストレスで気(き=エネルギー)の巡りが悪くなり、心身の興奮を静める働きのある血も巡らず睡眠の質が落ちている可能性が。普段から怒りっぽい、イライラして落ち着かないといった人は、このタイプの場合が多いのだそう。
「ストレスや怒りなどによって心身が興奮しているために寝つけないタイプで、目が充血している傾向も見られます。このタイプは、スポーツやストレッチなどでストレスを発散することが、睡眠の質を高めるポイントになります」(上之原さん)
バスタイムをシャワーだけですませずにしっかり入浴して体を温めたり、夕食後は部屋の明かりを暗めにして、心が落ち着く環境を作ったりすることも効果的。
このタイプにおすすめのツボは、足裏のかかと中央部にある「失眠(しつみん)」。寝る前に両手の親指を重ねてこのツボにあてて、20秒間強めに押して。これを10回繰り返そう。かかとでゴルフボールを転がすだけでもこのツボを刺激することができるので、試してみて。
体力が弱い人は「神門(しんもん)」のツボで眠りを促そう
東洋医学では、眠るためにも体力が必要だと考えられているのだとか。「眠りが浅い」「一度目が覚めると寝つけない」「いつも体がだるい」などが思い当たる場合、体力不足のために睡眠の質が低下している可能性が高いみたい。
「もともと体が弱い人や、病後で体力が低下している人などは、眠るために必要なエネルギーが不足しているためによく眠れないと考えられます。このタイプは、エネルギーを取り入れる働きを持つ胃腸に負担をかけないことが重要。消化のいいものをよくかんで食べ、お腹を冷やさないようにしましょう。寝る前に食事をとることも控えてください」(上之原さん)
このタイプの人は、寝る前に「神門(しんもん)」のツボを押してみて。手首の小じわの小指寄りの場所にある、小さな丸い骨の真下にあるくぼみに、もう一方の手の親指をあてて6秒押そう。これを10回繰り返して。
ツボ押しの刺激は心身をリラックスさせて、心地よい眠りを誘うはず。睡眠の質を高めるために、ぜひ毎日の習慣にしてみて。
教えてくれた人
上之原静佳さん
薬剤師、「カガエ カンポウ ブティック日本橋髙島屋S.C.店」漢方カウンセラー。漢方と香りを融合した漢方ビューティブランド「カガエ カンポウ ブティック」にて、漢方薬からハーブティ、スキンケア、アロマまで、からだの内外からのトータルビューティケアを提案。
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WRITING/TOMOKO OTSUBO