平日の平均睡眠時間は5~6時間の人が多数
オズモールのアンケートによると、約6割の人が、「毎日の睡眠に満足していない」という結果に。「悩んでいること・困っていること」は、「寝ても疲れが取れない」「睡眠時間が足りない」「朝すっきりと起きられない」の順に多かった。
平日の平均睡眠時間で最も多かったのが「6時間(約38%)」、次に「5時間(約25%)」だった一方で、休日の平均睡眠時間で最も多かったのは「8時間(約30%)」。平日と休日の睡眠時間に差があることがわかった。
睡眠時間は長すぎても短すぎても太りやすくなる!?
「睡眠時間に関しては世界的にさまざまな研究報告がありますが、総合的に判断すると心身の健康を維持するためには、7時間程度が理想とされています」。そう話すのは睡眠コンサルタントの友野なおさん。
「例えば、『睡眠時間が6時間以下の人は、7時間以上の人に比べて約4倍風邪を引きやすくなる』『6時間の睡眠を2週間続けていると1日徹夜したときと同じくらいまで脳の認知機能が低下する』『睡眠時間は7~8時間より短くても長くても抑うつ状態が高まる』といった研究報告があります」
このように睡眠時間は健康を左右するだけではなく、太りやすさとの関連も深いそう。
「睡眠時間別に6年後の体重や体脂肪の変化を調べたところ、7~8時間の睡眠の人が一番変化が少ないということがわかりました。睡眠時間は短すぎても長すぎても太りやすくなるのです」(友野さん)
つまり、アンケートで多かった5~6時間の睡眠だと、心身に悪影響を及ぼしている可能性が高いというわけ。
休日の睡眠時間は“平日の睡眠時間+2時間”まで
アンケートでは平日に比べて休日の睡眠時間は長く、多くの人が寝だめをしているよう。そもそも休日の寝だめによって、平日の睡眠不足分は帳消しにできるの?
「基本的に寝だめはできないと思ってください。寝だめをすることで体内時計が乱れ、様々な不調を招く原因になってしまいます。平日の睡眠時間にプラス2時間程度までならOK。起床後には太陽の光を15秒間浴び、朝食には睡眠ホルモンに関連するたんぱく質をとることが大切です」(友野さん)
また、睡眠不足解消のサポートや健康効果を高めるために、15時までに、20分程度の昼寝をするのもおすすめだそう。とはいえ、仕事やプライベートで十分な睡眠時間を確保するのが難しく、昼寝だけでは睡眠不足が解消できない人も多いはず。
「睡眠の量以上に重要なのが〝質″。十分な睡眠時間を確保できない人は、〝質″を意識して。すぐにできることとしては、寝る直前までスマホを見ないこと。スマホを見ているとブルーライトが睡眠を司るメラトニンというホルモンの分泌を抑制し、寝つきが悪く眠りが浅くなります。スマホはどうしても顔との距離が近くなるので、ブルーライトを大量に浴びてしまうのです。また、スマホを見ているとSNSなどからさまざまな情報が入ってきますが、なかにはネガティブなものも。それによるストレスが睡眠の質に影響を与える可能性も否定できません」(友野さん)
寝る前にスマホを見る習慣がある人は、寝室に置かないことから始めてみては? 睡眠の量や質を見直して、夜はぐっすり、朝はすっきりの眠りをめざそう!
教えてくれた人
友野なおさん
睡眠コンサルタント。株式会社SEA Trinity代表取締役。千葉大学大学院 医学薬学府先進予防医学 医学博士課程、順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科修士。日本睡眠学会正会員。自身が睡眠を改善したことにより、15kgのダイエットに成功し、重度のパニック障害を克服した経験から睡眠と健康に関する研究活動を行う。研究のかたわら、講演、商品開発、執筆活動なども行う。
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WRITING/AKIKO NAKADERA