9割以上が睡眠に悩みあり。自分なりの快眠法もさまざま
オズモールでのアンケートによると、睡眠について悩んでいる人はなんと約92%。また、いい睡眠をとるために何らかの気遣いをしている人は多いよう。
左の表でもわかるとおり、最も多いのはお風呂に入って体を温めるという回答。ほかにもストレッチやマッサージをしたり、カフェインを控えたり、アロマなど香りを取り入れたりと、自分なりの快眠法を試している人が多かった。
温かい寝具は快眠に役立つけれど、かけすぎはNG。布団類は重ねすぎず、軽さをキープしよう
そのなかで枕や寝具にこだわる人や湯たんぽで布団を温めている人は、15%近くも。寝具の質や温かさを気にかけるのは、実際、効果的なの?
「人間は体が冷えていると眠くなりにくいので、温かくすることはスムーズに入眠するためにも大切です。だからといって体の上にたくさん布団類をかける人も多いのですが、これはおすすめできません。重すぎると寝返りがうちにくくなり、寝ている間の体の回復を妨げます」と友野さん。寝返りが大切な役割をもつことは、前回の快眠の記事でも紹介したとおり。
スムーズに寝返りをうてるように、体にかけるのは羽毛布団など軽くて温かい布団と、もっと温かくしたい人は、その上に毛布1枚だけで十分だそう。羽毛布団の下に毛布を入れる人も多いが、毛布は上にかけたほうが、熱を効率的にキープできるとか。「体の上は軽くして、その分敷布のほうを温かい材質のものにしたり、湯たんぽで温めるなどしましょう。背中側を温めたほうが、冷えストレスの軽減につながります」(友野さん)。
寝る前のホットドリンクは役立つが、量や内容には気をつけよう
アンケートでは、快眠のためのほかの工夫としては、温かい飲み物を飲む、カフェインの摂取を控える、適量のアルコールを、など飲み物を工夫している人も2割近くもいた。「寝る前に温かいものを飲むのは血行をよくしますし、ホッとできるのでメンタル面のリラックスにも役立ちます。カフェインは脳を刺激して入眠を遅らせるので、ノンカフェインのホットドリンクを選びましょう」と友野さん。
安眠効果があるとされるルイボスティーや鎮静効果のあるハーブティー、シンプルな白湯などがおすすめ。ビタミンCはストレスを受けると減ってしまうため、レモン入りの白湯などでビタミンCも補うと、寝ている間の体の回復にも役立つそう。
「アルコールは摂取後にはリラックスできたり血行がよくなる効果は確かにもありますが、寝る直前は避けたほうがいいですね。利尿作用で夜中にトイレに起きてしまったりと、総合的には睡眠の質を下げてしまうので、寝る2時間くらい前までにしておくといいでしょう。現在寝酒の習慣がある場合は、睡眠外来で相談していただきたいです」(友野さん)。
寝付けないときにも効果あり!ストレッチやマッサージで緊張がほぐれ、快眠に
そのほかにも、快眠のためにストレッチやマッサージをするという人も12%も。「ストレッチやマッサージで筋肉の緊張をほぐすと、血行もよくなります。末端まで血液が届けば冷えた手足も温まります。人間は手足が冷たいとスムーズに入眠できないので、血行を促すストレッチは効果的です」と友野さん。
21時以降は、心拍が上がるほど強い動きはかえって寝つきを悪くするため、ゆるやかで静かな動きがいいそう。さらに深く息を吸ったり吐いたりしながらゆっくり行えば、リラックス効果も期待できる。
教えてくれた人
友野なおさん
睡眠コンサルタント、株式会社SEA Trinity代表取締役。順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科 修士号取得。日本睡眠学会正会員。自身が睡眠を改善したことにより、15kgのダイエットと体質改善に成功した経験から、睡眠を専門的に研究。全国での講演活動、執筆など幅広く活躍。著書に『きょうの睡眠ダイエット』(主婦と生活社)ほか多数。
【特集】プチ不調や身体の悩みを解消!すこやかなココロとカラダへ
毎日がんばる働く女性にプチ不調や悩みはつきもの。そこでみんなが気になる健康法やグッズ、食材やドリンク、悩みの解決法やメカニズム、取り入れたい習慣などを専門家やプロのお話しとともにご紹介。自分のココロとカラダに向き合って、健やかに私らしく。オズモールはそんな“働く女性の保健室”のような存在をめざします
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WRITING/HIROKO KUROKI