日本は「不眠大国」!?睡眠を軽く考えると、心身へのダメージは思った以上に大きなものに
現代の日本人は、世界的に見ても「不眠大国」だという。OECD(経済協力開発機構)が世界で調査したところ、上位2位の中国に比べ、ワースト2位で28位の日本は、睡眠時間が1時間20分以上少なかったそう。「日本人は睡眠不足を軽く考えがちですが、長期的に睡眠不足が続くと、免疫力が下がって風邪をひきやすくなる、生活習慣病になりやすいなど体に悪影響が出るのはもちろん、自律神経が乱れ、うつ病やイライラなど精神的不調にもつながります。さらには脳にダメージが出ることも。」と友野さん。
また睡眠時間の不足だけでなく、睡眠の質も悪いために、より疲れがとれない人も多いそう。「私もしっかり眠れるよう、睡眠を改善しただけで15kgのダイエットに成功した経験があります。なかなか時間を増やせない人は、睡眠の質を良くするように工夫するだけでも、心身に大きな効果がありますよ」(友野さん)。
実は盲点!?寝るとき専用の“パジャマ”は、快眠をサポートする強い味方に
それでは、多忙でもすぐにできる、睡眠の質を上げる工夫とは? 「まずは寝るときの環境をよくすることです。意外と持っている人が少ない“パジャマ”を買いましょう!」と友野さん。実は寝るときに、古くなったTシャツやジャージなど、ルームウエアやスポーツウエアを着ている人が多いそう。スポーツウエアはもともと外気に触れて運動するためのものなので、生地も厚すぎ、動くと寝具と衣服の間に強い摩擦がおこる。そのため、寝返りするときに強い力が必要になってしまうそう。
「寝返りには、寝ている間に骨盤や背骨のゆがみを直したり、血流を促進させたり、とても大事な役割があります。寝返りを邪魔する衣服は肩こりや腰痛の原因にもなるので、“寝るとき専用のパジャマ”で動きやすくしてあげてください」(友野さん)。コットンや夏なら麻など、吸水・吸湿性がよく、やわらかい天然素材のものがおすすめだそう。「量販店の安価なものでも十分効果はあるので、まずは1着、パジャマデビューしてみてください」。
寝付けないときにも効果あり!たった1分のストレッチで緊張がほぐれ、快眠に
「また、心身にストレスが多いと、ベッドに入っても緊張状態が続くため、寝付けないことも多いですよね。そんなときはほんの1分“筋弛緩ストレッチ”をするだけで、スムーズに入眠しやすくなります」と友野さん。「筋肉をいったん緊張させてから脱力するだけの簡単な動きですが、筋肉のコリもほぐれて血流もよくなり、心身の緊張がほぐれます。椅子に座ってするのが基本ですが、ベッドに入ってから気が付いたら、寝たまま行ってもOK。旅先や出張先でも手軽にできるので、ぜひ覚えておきたいストレッチです」(友野さん)。
【筋弛緩ストレッチのやり方】
1.椅子に座り、手足をブラブラさせる
2.顔、手、足にギューッ!と力を入れ、5秒間そのままキープ(目はつむり、手はグー、つま先は天井にむける)
3.一気に全身の力をぬき、5秒間リラックス(手はパー、つま先もリラックス)
※2・3を3~5セット行う
教えてくれた人
友野なお
睡眠コンサルタント、株式会社SEA Trinity代表取締役。順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科 修士号取得。日本睡眠学会正会員。自身が睡眠を改善したことにより、15kgのダイエットと体質改善に成功した経験から、睡眠を専門的に研究。全国での講演活動、執筆など幅広く活躍。著書に『大人女子のための睡眠パーフェクトブック』(大和書房)ほか多数。
【特集】プチ不調や身体の悩みを解消!すこやかなココロとカラダへ
毎日がんばる働く女性にプチ不調や悩みはつきもの。そこでみんなが気になる健康法やグッズ、食材やドリンク、悩みの解決法やメカニズム、取り入れたい習慣などを専門家やプロのお話しとともにご紹介。自分のココロとカラダに向き合って、健やかに私らしく。オズモールはそんな“働く女性の保健室”のような存在をめざします
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WRITING/HIROKO KUROKI