正常な生理の条件となる4つのポイントとは?
生理は、女性の体内で「エストロゲン」や「プロゲステロン」といった女性ホルモンが正常に、周期的に分泌されることによって起こる出血。つまり、女性ホルモンの分泌に異常があると、生理も正常に起こりにくくなるというわけ。まずは自分の生理が正常かどうか、下記の4項目をチェックしてみて。
①生理周期(生理が始まる日から次の生理がくる前日まで)は25~38日の間で、その変動は6日以内。
②生理期間(経血がある期間)は、3~7日間。
③1回の生理期間中の経血量が20ml~140ml。
④生理痛はなし、あっても軽度。
これら4つの項目がすべて当てはまれば、生理が正常であることの1つの目安となる。
「ただし、正常な生理とは区別がつかないのに排卵を伴わない『無排卵周期症』というケースもあります。初経後1年以内は約80%が、18歳ごろでも約30%が当てはまるといわれ、更年期では45歳ころから増えていきます」(入江さん)
無排卵周期症の場合、いざ子供が欲しいと思っても当然妊娠はできない。排卵の有無については生理だけでは判断しにくいので、基礎体温を測って体温が高い時期と低い時期の二相になっているかどうかを確認して。
生理周期や期間に異常がある場合の原因とは?
生理周期が長すぎたり短すぎるなど、4項目のうち①に異常がある場合も無排卵周期症や女性ホルモンの分泌異常が考えられるそう。
「特に注意したいのが、それまであった生理が3カ月以上こないとき。ストレスや無理なダイエットなどが原因になりますが、放置すると将来の健康にも影響を及ぼすので、早めに婦人科を受診することが必要です」(入江さん)
②に異常があって、だらだらと出血が続いたり、すぐに生理が終わったりする場合も「無排卵周期症」の可能性が。また、生理時以外の性器出血である「不正出血」は、女性ホルモンの異常や排卵時の出血、子宮筋腫など良性の病気が原因となる場合もあるけれど、子宮体がんの代表的な症状でもあるので要注意。早めに婦人科を受診して。
疲れやすさの原因が経血量の異常にあることも
経血量については正常かどうかを判断しにくいけれど、レバーのような血のかたまりが頻繁に混じる、夜間も何回か生理用品を交換する必要があるといった場合は、多いと考えて。経血量が多い「過多月経」の場合、子宮筋腫や子宮腺筋症など子宮の病気が原因となっていることも。過多月経は貧血を引き起こしやすく、貧血から過多月経や子宮の病気が見つかる場合もある。疲れやすい、めまい、頭痛、眠気といった貧血の症状がある人は、過多月経になっていないかどうか婦人科でチェックして。
生理痛はあるのが当たり前と思われがちだけど、④のように生理痛はなしか、あっても軽度なのが正常。
「日常生活に困るような生理痛があれば、異常と考えてください。生理痛は特に20代後半から30代前半に多い子宮内膜症の原因にもなるので、一度婦人科で診てもらうことをおすすめします」(入江さん)
女性は生理があるからこそ、病気に気づきやすいと言われることも。自分の生理が正常かどうかチェックして、異常があれば婦人科を受診しよう。
教えてくれた人
入江琢也さん
アイレディースクリニック新横浜院長。医学博士。日本産科婦人科学会専門医。日本臨床細胞学会細胞診専門医。慶應義塾大学病院、けいゆう病院のほか渋谷や恵比寿の婦人科クリニックに勤務。2016年開院。月経痛緩和のための低用量ピル処方、子宮頸部異形成に対するレーザー治療などをおこなっている。
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WRITING/AKIKO NAKADERA