内ももの筋肉をやわらかくすると、子宮もやわらかくなる!?
「生理痛が重い人は、太ももの内側がかたくなっていることが多い」と才原さん。生理痛と太ももの内側がかたいこととは、どう関係しているの?
「妊娠中はお腹が大きくなり、出産後はもとに戻ることからもわかるように、子宮が伸び縮みできるのは、子宮が筋肉でできているからです。子宮の筋肉は、実は〝運動連鎖″といって、太ももの内側の筋肉とつながっています。つまり、太ももの内側がかたくなると、子宮の筋肉もかたくなり、経血がスムーズに外に出にくく、痛みを感じやすくなるというわけです」
太ももの内側がかたくなりやすいのは、内股の癖がある人。内股は日本人に多い癖。立っているとつい両足が〝ハ″の字になってしまう人は注意して。
太ももの内側を伸ばすようなストレッチも効果的だけど、おすすめはベッドの上で寝ながらできる「お尻トントン体操」。
お尻トントン体操
1:仰向けに寝て、両ひざを胸のほうに引き上げる。手は体の脇に。かかとでお尻の下あたりを左右交互にリズミカルにトントンと軽く叩く。1分くらい続ける。
2:横向きに寝て、上側の足で1と同様にお尻の下あたりをトントンと叩く。1分くらい続けたら、逆側も同様に1分間。
3:そのままうつぶせになり、1と同様にかかとでお尻の下あたりを左右交互にトントンと軽く叩く。1分くらい続ける。
トントン体操は、生理痛でつらいときにもやりやすいので、ぜひトライしてみて。
また、子宮や太ももの内側は、足裏とも連動しているので、足裏を刺激するのもよいそう。手のひら全体でパンパンと軽く叩いてマッサージして。
デスクワークが多い人におすすめ!股関節周りの血流を改善するストレッチ
また、骨盤内の血流が悪くなることも痛みの原因に。
「特にデスクワークで座っている時間が長い人は、鼠径部(そけいぶ)の血管がうっ血したような状態になり、骨盤や股関節周りの血流が悪くなります。このため、股関節周りの血流をよくするストレッチがおすすめです」(才原さん)
股関節の血流改善ストレッチ
1:仰向けに寝て、両ひざを曲げ、それぞれのひざを手で押さえる。
2:そのまま内側から外側にひざで円を描くように股関節を回す。10回くらい回したら、外側から内側に10回くらい回す。ひざから鼠径部までの〝マドラー″部分で股関節をかき回すようなイメージで。
こうした体操やストレッチは、生理痛のときだけではなく、日ごろからやっておくと、より効果的だそう。
生理前はなるべく動いて、首・肩・腰の痛みやコリを解消
生理中だけではなく、生理前になると首、肩、腰など、関節部分に痛みやこりを感じることはない?
「生理前の黄体期は、女性ホルモンの影響で関節にある靭帯がゆるみやすいことがわかっています。靭帯がゆるんで不安定な状態になると、それを守るために周りの筋肉はかたくなります。このため首、肩、腰などの関節部分に痛みやこりが生じやすくなるのです」(才原さん)
女性アスリートは、ほかの時期に比べて生理前に靭帯損傷や疲労骨折を起こしやすいというデータもあるのだそう。
「筋肉がかたくなっている場合は、マッサージでもみほぐすのではなく、動かすことが大切です」(才原さん)
生理前は体が重だるく感じることもあるけれど、生理前に関節に痛みやこりを感じやすい人は、なるべく体を動かすことを意識しよう。
生理痛はさまざまな原因があるけれど、内股の癖がある人やデスクワークの人は、ぜひ紹介した体操やストレッチを実践してみて。
教えてくれた人
才原洋子さん
スタイルアップトレーナー、株式会社YOHKO代表。Studio-SOU赤坂店・少人数ピラティスBMP主宰。ボディメイクトレーナー、小顔美容矯正士、SOU認定スタイルアップ矯正士、BESJマットピラティスマスタートレーナー、マスターストレッチなど。解剖、生理、栄養学など科学的根拠をもとにしたボディメイクが好評。
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WRITING/AKIKO NAKADERA ILLUSTRATION/CHIKA SHIBA