手で押さえると痛みがやわらぐ生理痛は血(けつ)の不足が原因
東洋医学では、痛みの原因は“流れのつまり”か“栄養の不足”のどちらかであることが多いと考えられている。生理痛の場合、手でさするように押さえると痛みがやわらぐ場合は“栄養の不足”、手で押さえると痛みが増す場合は“流れのつまり”である可能性があるのだとか。
生理痛のときに手で押さえると痛みがやわらぐ場合は、次の項目に当てはまるかチェックしてみて。
□生理の後半から生理後におなかが痛む
□月経血の量が少ない
□めまいや動悸が起こることがある
「これらの項目にふたつ以上当てはまる場合、体に栄養をもたらす血(けつ≒血液)の不足が生理痛の原因だと考えられます」(成田さん)
血の不足は、無理な食事制限や睡眠不足、夜ふかし、スマホやPCの見すぎ(目や脳の使いすぎ)などによって起こりやすいのだとか。こうした生活習慣を見直すと同時に、血を補う食材を積極的に取り入れることが大切。
「黒豆、黒米、黒ゴマ、黒キクラゲ、黒糖などの黒い食材や、赤身肉、レバー、イカ、ニンジン、ホウレン草、クコの実などを日頃からよく食べるようにすると、血の不足による生理痛の緩和につながるでしょう」(成田さん)
手で押さえると痛みが増し、刺すような痛みがあるなら血行促進を
生理痛のときに手で押さえると痛みが増す場合は、血のつまりが原因かも。次の項目にあてはまるか、チェックしてみよう。
□生理痛は刺すような痛さがある
□月経血の色が暗い
□月経血にレバー状の血のかたまりが混じる
「これらの項目にふたつ以上当ててはまる人は血の巡りが悪く、月経血も滞ってかたまり状になっているため、月経血が出血するときにそのかたまりが周囲を圧迫して生理痛を引き起こしていると考えられます」(成田さん)
このタイプは、足腰の血行促進を意識することがポイント。腰を回す運動や、足腰のストレッチなどで血行をよくしよう。
そして食事面では、血の巡りをよくする食材であるタマネギ、ニラ、ネギ、ショウガ、ラッキョウ、ナスなどを積極的に取り入れて。
「食用のベニバナも血の巡りをよくする食材です。温かい紅茶1杯にベニバナをひとつまみ加えて、少し蒸らしてから飲むといいでしょう。ただし妊娠中は控えてください」(成田さん)
張るような痛みはストレスによる気のつまりからくる
手で押さえると痛みが増す生理痛は、気(き=エネルギー)のつまりが原因である場合もあるのだそう。次の項目にふたつ以上当てはまる場合は、気がつまっている可能性が。
□生理痛のときにおなかが張るように痛む
□生理周期が長くなったり短くなったり不規則になりやすい
□生理前に胸が張る
「気の巡りはストレスによって滞りやすいため、ストレスが長期にわたってたまっている人やがんばりすぎている人、生活が不規則になっている人などは気のつまりによる生理痛が起こりやすいといえます」(成田さん)
このタイプがまず意識したいのは、ストレス発散。趣味や好きなことに集中する時間を作って、気分転換を心がけて。また、柑橘類の香りは気の巡りをよくするので、ミカンやレモンの皮をお風呂に浮かべてゆっくりと入浴することも効果的。
食事面では、シソ、セロリ、パクチーなどの香味野菜やハーブ類、柑橘類などの香りのいい食材をよく取るようにしよう。食事や飲みものの香りを楽しむようにすると、気の巡りがよくなるはず。
このように生理痛にはさまざまな原因があるけれど、すべてのタイプに共通していえるのは、冷やすと痛みが悪化するということ。冷え対策をしっかり行ったうえで、原因別のケアを取り入れてみて。
教えてくれた人
成田かおるさん
漢方ビューティブランド「カガエ カンポウ ブティック日本橋髙島屋S.C.店」店長、漢方カウンセラー。同店にて、漢方薬からハーブティ、スキンケア、アロマまで、からだの内外からのトータルビューティケアを提案している。店舗は東京(上野・日本橋)、仙台、名古屋、京都で展開し、商品は銀座ロフトでも取り扱い中。
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WRITING/TOMOKO OTSUBO