痛みがひどい理由とは?2つの生理痛について解説
生理痛には2種類あり、ひとつめは病気などの明らかな異常所見が確認できない「機能性月経困難症」と言われるもの。生理・月経で子宮内膜が剥がれるときに発生するプロスタグランジンという体内物質が痛みを引き起こす。プロスタグランジンの量が多い時には痛みも強く出やすいのだけれど、その原因はいまだ未解明。
もうひとつは、子宮筋腫や子宮内膜症などの病気を抱えている場合の痛み。こちらは「器質性月経困難症」といい、肥大化した子宮や子宮内外の腫瘍が内蔵と癒着したり、圧迫したりして痛みを引き起こすほか、腫瘍などからもプロスタグランジンが分泌されるなどして痛みが増幅する。「器質性月経困難症」による痛みの場合、手術治療によって生理痛が改善されるケースもあるんだとか。
生理痛がひどくなりやすいのはどんな日?
生理痛・月経痛がとくにひどい日は、なにかと理由を探したくなってしまうもの。「天気が悪く低気圧だから」「ストレスがMAXだから」「寝不足だから」「体が冷えているから」など、思い当たる節はいろいろあるけれど、実はこれも研究は進んでおらず医学的な判断はできないのが正直なところ。病院などで満足な回答が聞けなくてもガッカリしないで。
ただし生理痛は普通、生理直前から始まり、数日程度で収まるもの。もしそれ以外のタイミングで激しい痛みを感じた場合には、単なる生理痛ではなく婦人科疾患などの病気を抱えている可能性があるので注意しよう。
また、無排卵月経と排卵月経を繰り返している人は、排卵周期のみ生理痛が出現していることもあるそう。妊娠を希望しているのになかなか授からず、生理痛のあるなしが明確だという場合には、基礎体温を付けたものを持って婦人科を受診しよう。
生理痛に波があるのはどうして?
急にひどくなったり、楽になったりする生理痛。じつは生理痛の波については、これまで誰も研究をしていないことから、医学的にはっきりとした理由はわかっていないそう。
人類始まって以来ずっと女性を悩ませてきた生理痛だけれど、このように生理痛のすべてが医学的に解明されているわけではない。生理痛がひどく、つらい時には市販の鎮痛剤で様子を見て、必要に応じて婦人科クリニックを受診して。
教えてくれた人
佐々木明香さん
後楽園ウィメンズクリニック院長、日本産婦人科学会専門医。東邦大学医学部を卒業後、慶應義塾大学産婦人科学教室に入局。女性のライフステージに沿った快適な生活をサポートしたいと、生まれ育った文京区で2017年に「後楽園ウィメンズクリニック」を新規開院する。
「大学病院などで研鑽を積んできたことを生かし、思春期から老年期までの女性特有のお悩みに、ピルや漢方などを用いて対応しながら、定期的な自己管理のお手伝いをさせていただくようなクリニックをめざしています」。
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WRITING/ATSUKO HABU